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皆さん、こんにちは。歯科医院地域一番実践会 地域一番化マスター 岩渕龍正です。
「歯科医院経営基礎講座」の第2回です。前回の第1回では「歯科医院経営とは?」について解説しました。

「歯科医院経営とはマーケティングとマネジメントである」と。

今回の第2回は「歯科医院のマーケティングとは?」について解説いたします。

歯科医院のマーケティングとは?

このマーケティングについても様々な学術的定義があります。
しかし、私は歯科医院におけるマーケティングを以下のように定義しています。

右図の「マーケティングピラミッドを拡大させていく活動、全てがマーケティングである」と。ちなみに、これは私が独自に作った定義ですので、普通の人はあまり知らないかもしれませんが、私はこれまで18年に渡る歯科医院経営コンサルティングの経験からこれが正しいと確信しております。

このマーケティングピラミッドの各階層について説明をしておきたいと思います。


潜在患者さん:
うちの医院に来る可能性はあるが、うちの医院のことも知らないし、知っていたとしても全く興味もない人たち。

見込み患者さん:
うちの医院のことを知っていて、いつかは行きたいなーと思ってるんだけど、まだ来たことがない人たち。

新規患者さん:
うちの医院に初めて来た人たち。つまり、新患。

ファン患者さん:
うちの医院のやり方・考え方に共感していて、うちの医院のことが好きで、他の人(家族、友達、会社の同僚など)に医院の良さを教えてあげたいと思ってくれてる人たち。

自費患者さん:
自費治療をしている人たち。

見込み患者さん作りとは?

この説明だけを聞いていても、ほとんどの院長先生にとっては、「ふーん。そうなの。だから?」という感じだと思います。

では、質問です。この見込み患者さん、新規患者さん、ファン患者さん、自費患者さん。
マーケティング活動で最も力を入れるべきはどの患者層を増やす活動でしょうか?

これまで、あまり歯科医院経営に力を入れてなかった先生は「自費患者さん」と答えると思います。歯科医院経営についてしっかり学んでる先生は「新規患者さん」と答えると思います。

しかし、本当の答えは「見込み患者さん作り」なのです。
なぜなら、見込み患者さんが多くなれば、新患は必然的に増えていくからです。

そして、歯科医院が最も足りない取組みが見込み患者さん作りの活動なのです。

もう一度、右のマーケティングピラミッドを見てみてください。
このマーケティングピラミッドの白い部分は既存患者さんとして、既に医院に通ったことがある人達。そして、黒い部分はまだ、医院に来院したことがない人たちなのです。

一度、医院に来て、院長と話して、治療を受けてくれれば、医院の良さを分かってもらえるのにと思ってる院長先生は多いのではないでしょうか。

よく営業マンでも、「一度でも、会って話を聞いてもらうことができれば、ほとんどの人が契約してくれるのに」という方がいますが、その一度でも会って、話を聞いてもらうまでが実は非常に難しいのです。

見込み患者さん作りは何となくやってるだけ

そして、そこがマーケティングにおいて最も重要な取組みになるのです。
しかし、大半の医院はこの「見込み患者さん作り」を何となくやっているだけなのです。

例えば・・・
・医院の立地
・医院の外観
・医院の内装
・医院の内覧会
・医院の名前
・日曜診療
・夜間診療

最近では、新規開業で力を入れてる先生はこれらに力を入れて取組み、力を入れた先生はかなり高い成果を出されています。それは素晴らしいことです。

しかし、これらはほとんどが開業した時点で決まってしまっていて、開業してから何とかすることができないことがほとんどです。

それでは、開業10年経っていて、あまり立地も良くない、利便性も高くない医院はどうしたらいいのでしょうか?

もはや、どうしようもありません。

ということは、歯科医院のマーケティングをこのように、何となくやっているだけでは、ダメなのです。

じゃあ、どんなことをやっていったら良いのか?その一例を挙げると・・・
・医院の看板
・医院のHP
・HPのSEO
・PPC広告
・タウンページ広告
などがあります。

実は、他にも色々とあるのですが、歯科医院の場合、その方法が一般業種に比べて明らかに限られるのは事実です。限られた手法を使いながら、いかに情報発信していけるかが大事なのです。

ほとんどの院長先生は医院に来院した患者さんと話、説明し、治療をしていく。
つまり、医院に来たことがある人たちにしか情報発信していないのです。

マーケティング上、大事なことはまだ医院に来たことがない人たちにいかに情報発信していけるかなのです。そうすることで、より多くの地域住民に医院の存在と医院の良さを知ってもらうことができるのです。

地域の人は皆、うちの医院のことを知っている!?

よく、開業して10年以上の院長先生に限って、このようなことをおっしゃいます。
「うちはもう開業して10年以上たってるから、地域の人は皆、うちの医院のことを知ってるよ」と。

これまで、18年、歯科医院専門経営コンサルティングをしてきました。
結論から申し上げます。

「そう思ってるのは院長先生だけ」です。

地域の人は、皆、医院のことを知ってるどころか、知らない人ばかりです。
そりゃ、昔からそこに住んでる人たちは知ってるかもしれないですよ。
でも、最近、越してきた人とか、若い世代の人まで知ってるかというと、決してそんなことないのが現実なのです。

その現実を直視しようとせず、「うちはもう開業して10年以上たってるから、地域の人は皆うちのことを知ってるはず」なんて思うのはとんだ勘違いです。

それは1日患者数が200人ぐらい来てからでないと、言っちゃいけないですね。

見込み患者さん作りのために何をやっているのか?

次に、考えてみてほしいのです。
「うちの医院で見込み患者さん作りのためになにをやっているのか?」と。

大半の院長先生は
・タウンページ広告をとりあえずやっている
・ホームページをとりあえず作っている
ぐらいではないでしょうか。

そうではなく、もっと意図的に見込み患者さんを増やすためにタウンページを作り、ホームページを作りこんでみてほしいのです。

そうすれば、もっと多くの見込み患者さんができ、医院が伸びていくきっかけになっていくはずです。

新規患者さん作りとは?

新患を増やすことはとても大事です。
「歯科医院経営の数値で最も大切な数値は何ですか?」と聞かれたら、あなたは何と答えますか?

これまで、あまり歯科医院経営に力を入れてなかった先生は「医業収入」と答えると思います。歯科医院経営についてしっかり学んでる先生は「レセプト枚数」と答えると思います。

しかし、答えは「新患数」なのです。
マーケティングにおいて、最も取り組むべきは「見込み患者さん作り」です。なぜなら、見込み患者さんが多くいないことには新患数は伸びないからです。新患数を増やすには見込み患者さんを増やすことが一番大事なのです。

じゃあ、新患数を増やすにはどうしたらいいか?
具体的な方法はいくつもあるのですが、この「歯科医院経営基礎講座」では基本的な考え方をお伝えします。

新患を受け入れるルートをたくさん作る

それは新患を受け入れるルートをたくさんつくるということです。
例えば・・・

見込み患者さんが増えてきて、しっかりフォローしていると、ある一定数が新患として来院されます。しかし、いくら来院しようとしても、予約が取れないことには話になりません。

ですが、この予約が取れないということが現実に良く起きるのです。
そして、それを歯科医院側があまり認識してないことが多いのです。

医院全体として、新患数の重要性を理解して、院長だけでなく、スタッフ全員が新患を受け入れようとしていれば、できるだけ早くアポを入れようとするでしょうし、当日でも受け入れようとしてくれるかもしれません。

しかし、院長しかそう思ってなければ、いくら新患で急患の患者さんから電話があっても、「今日はご予約の患者さんでいっぱいなので、予約が取れるのは1週間後ですね」となってしまい、せっかく来院しようとしてくれていた患者さんを逃してしまうということはよく起こっていることなのです。

例えば・・・
お昼に電話がつながらない
電話をしたらいつも話し中
電話がつながっても、アポが取れるのは1週間後
診療終了間際に行ったら、受付に嫌そうな顔をされた
電話しようかと思ったら、口コミサイトに凄いネガティブなコメントか書かれてる
その日は診療してるはずなのに、電話したら休みだった

などなど、このようにして見込み患者さんがスムーズに新患に移行できずに、モレてしまってることはたくさんあるのです。これらの穴をしっかり塞いでいくだけでも、新患数が月10人ぐらい増えることは十分にあり得るのです。

中には、よく新患を断ってしまう受付スタッフが代わっただけで、新患数が月20人増えたという医院もあるぐらいです。

利便性追求には限界がある

診療時間を遅くして、日曜診療すればいいのか?
確かに、夜遅くまで診療している、日曜も診療していれば新患数は増えやすくなります。このように通いやすいことのメリットを「利便性」といいます。

確かに、利便性は魅力的です。
あまり多くの医院がやってるわけじゃないし、働いてる人にはとても喜ばれます。
ですから、体力的にはしんどいけど、頑張れば患者さんが来てくれるというマーケティングでは最強の方法なんじゃないかと思う人も多いと思います。

私も経営コンサルタントですから、このような利便性による差別化を提案することがないのかというと、提案することはあります。

しかし、それは分院だったり、新規開業で院長先生がどんどん新患数を増やしていきたい場合などです。

分院の場合、よっぽど立地が良くなければ、分院長にはそこまでの技術、人柄、やる気などの魅力がないわけですから、利便性でかけてるものをカバーする必要があるので、提案することがあります。

それと、新規開業の先生で、最初は新患数ゼロから始まるわけですから、そこを伸ばしていくためにも、利便性を強化することを提案することはあります。

しかし、実際のコンサルティングではむしろ、診療時間を短縮する、日曜診療を止める提案をする方が多くなっています。「経営コンサルタントは経営が良くなるんだったら何でもいい」と思ってる方にとっては意外かもしれません。

しかし、私たちはそんなこと思ってないのです。他がどうかは知りませんよ。
歯科医院地域一番実践会は「無限の人に無限の気づきと無限の豊かさを与えること」を理念として活動しております。

ですので、夜遅くまで診療し、日曜も診療し続けることで、院長先生が精神的・肉体的に厳しくなっていったり、家族と過ごす時間が取れなくなってしまったりするのであれば、それは本末転倒であると思っています。

歯科医院経営は上手くいったけど、院長の人生はボロボロになりましたでは、何も意味がないと思うのです。そうではなく、歯科医院経営も、院長の人生も共に成功することが大事だと思うし、それこそが成功だと思うのです。

「便利だから」「家から近いから」が来院理由の患者さんばかりを一生、診続けたい?

ただ、そうはいっても、簡単にそれまで「夜遅いから、日曜日もやってるから」という理由で来院してくれていた患者さんを、新患を切ることができるのかというとそれは難しいです。また、それが難しい院長先生のお気持ちもよく分かります。

だからこそ、夜19:00以降の患者さん、日曜の患者さんがいなくなっても大丈夫なだけの新患数をいかに作ることができるか、そのマーケティングの強化、見込み患者さん作りが大事になってくるのです。

それに、先生だって「便利だから」とか「家から近いから」という理由だけで来る患者さんばかりを診て、本当に満足ですか?

そうではなく、「●●先生から診てほしい」「とても良い歯医者さんって聞いたから」という理由で来る患者さんを多く診たいのではないでしょうか?

そして、そういう医院を作るためにこそ、開業したのではないでしょうか?
そうなのです。自分の開業した時の想い、理想の医院を作り上げるために、治療技術は必要です。しかし、それが治療技術だけで実現できるほど、甘くはない。

あなたの開業した時の想いを、理想の医院を実現させるためにこそ、歯科医院経営の力が必要なのです。もう、「経営に力を入れたほうが良いかな?」とかそういう状況ではないのです。もはや、あなたが望む歯科医院を作るために必要なのが「歯科医院経営」なのです。

今、あなたの医院に来る患者さんのうち、何割ぐらいが利便性以外で来院してますか?

今、患者さんが来てるからといって、歯科医院経営の力があるとは限らないです。
利便性は利便性に勝てません。
地域で利便性で勝てるのは1医院だけです。最も便利な歯科医院に人が集まるのです。

「今、あなたの医院に来る患者さんのうち、何割ぐらいが利便性以外で来院してますか?」
「近いから」「すぐ診てくれるから」「夜遅くまでやってるから」「日曜もやってるから」という利便性以外の理由で来てる患者さんは何割ぐらいでしょうか。

もし、利便性が魅力で来院している患者さんが半分いるとしたら、半分の患者さんはもっと便利な場所に、もっと便利な歯科医院ができたら、すぐいなくなってしまう患者さんだということです。

大事なことはもっと便利な歯科医院ができたとしても、うちの医院の魅力で来院してくれる患者さんをいかに作るかなのです。

次のファン患者さん作り、自費患者さん作りについては「歯科医院地域一番実践経営塾ベーシックコース」で学んでください。