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皆さん、こんにちは。歯科医院地域一番実践会 コンサルタントの菅原です。
突然ですが、歯科衛生士をはじめとしたスタッフの採用はうまくいっていますでしょうか?
歯科衛生士の有効求人倍率は20倍を超えており、全職種平均の1.35倍を大きく上回っています。これは一人の歯科衛生士を20医院以上で取り合っている状況となり、採用の競争が極めて高いことが分かります。
そのような状況の中で考えていただきたい事が、そもそも採用する理由は何か?ということです。
医院の拡大、分院展開などによる増員による採用もあると思いますが、既存スタッフの離職の補充が目的の採用も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回お話ししたいテーマは「離職防止」ということです。
採用する原因をつぶしておくことで、厳しい採用活動を極力しなくても良い状態を目指しましょう。
そもそも歯科衛生士の離職率は高い?
ある調査によりますと、歯科衛生士の転職率は約75%。10人中7~8人が転職している状況であり、これは他職種と比べても高い水準であると言えます。
なぜ歯科衛生士は離職(転職)するのでしょうか。
その背景を理解することで、何が自医院でできるのかを考えてみましょう。
歯科衛生士が離職する理由とは
歯科衛生士が離職してしまう理由としては下記が代表として挙げれらます。
・結婚・出産などのライフスタイルの変化
・勤務形態、勤務時間が不満
・経営者・スタッフとの人間関係が悪い
・給与・待遇が不満
・仕事内容(片付けなど、衛生業務以外の業務が多い等)
中には医院で対応困難なものもあると思いますが、できるところから改善することで離職防止を実現できます。まずは、できるところから始めましょう。
・入社式などで「あり方」教育を実施し、既存スタッフとの価値観がズレないようにする。
・育成カリキュラムを明確にし、安心感を与える
・面談を通して早期に不安を取り除く。
…など、入職後に対応すべきことは多いですが、既存スタッフ・院長との人間関係などは、入職後にいくら説明しても解決しづらいものもあります。
ミスマッチ人材の採用は既存スタッフに悪い影響も与えかねない為、選考時の見極めが重要となります。
採用選考にスタッフも参加
採用活動中の医院見学や面接はどのようにされていますでしょうか。院長だけで対応している医院もあるのではないでしょうか。
もちろん、採用は院長の大事な仕事であるため対応いただく事は重要になりますが、スタッフも採用活動に参加いただけくと効果的です。
例えば、候補者とスタッフだけで話をする時間を設けることで、双方の相性を確認しあうことができます。スタッフルームなどリラックスできる場所でコミュニケーションをとることで、面接などでは見えにくい候補者本来の人柄なども見えてくると思います。
また、院長・既存スタッフの複数の目線で確認することでミスマッチのリスクを減らすことができます。
選考中に医院の価値観、大事なルールを伝える
入職後に医院の価値感や大事なルールをお伝えするのも大事ですが、入職後に価値観が合わないことが分かっても、手遅れになる場合もあります。
選考時に、
「当院では、スタッフの皆さんに〇〇な考え方・スタンスを求めます。」
「〇〇は大事ルールなので、守ってもらいます。」
というようにお伝えしておくことで、入職後に待遇・ルールへの不満も生まれづらいと思いますし、既存スタッフと価値観が大きくズレるリスクも軽減できます。
まとめ
採用が難しい状況においては、そもそも採用活動が必要以上にしなくて良い状況を作ることが大切です。そのために何ができるのかを、選考時、入職直後など、細分化して対応をまとめてくと良いと思いますので、参考にしてください。