採用の難しさとその解決策、未来への展望

労務・人事評価・採用

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こんにちは!歯科医院地域一番実践会の萩原直樹です。

歯科医院の経営や採用において直面する課題や難しさは多岐にわたります。特に人材採用は、医院の成長と密接に関わる重要な要素です。
このブログでは、歯科医院経営における採用の難しさとその対処法、そして今後の予測について詳しく掘り下げていきます。どのようにすれば効果的な人材を確保できるのか、他の医院との競争を勝ち抜くための戦略についても考察していきます。

現代における歯科医院経営の採用難の背景

歯科医院を取り巻く経営環境は過去数十年で大きく変化しました。
むし歯割合の減少傾向、医療技術の進化、そして患者様の意識の変化など、多くの要因が絡み合います。
これらの変化に応じて、歯科医院のニーズも進化し、その結果、愛想が良い・コミュニケーションがとれるなど差別化できる人材を求める声が高まりました。しかし、有資格者は減っており、特に地方では歯科医師や歯科衛生士の採用が難航しています。加えて、新型コロナウイルス感染症の影響で、人々の働き方や価値観も変化し、採用市場に新たな課題をもたらしています。
さらには歯科助手の採用も本当に厳しくなりました。他の多くの職種では、リモートワークやフレキシブルな勤務時間が提供されることがありますが、歯科助手は物理的に医院に出勤し、働く必要があります。このような厳格な勤務条件は、特にワークライフバランスを重視する求職者にとっては魅力的ではないかもしれません。

また他の職種と比較して、歯科助手の給与は比較的低い場合が多く、福利厚生の面でも不利になることがあります。これは、経済的報酬を重視する求職者にとって大きな障壁となり得ます。 IT業界や金融業界など他の多くの職種では明確なキャリアパスや昇進の機会が提示されますが、歯科助手の場合はそのような成長の道筋が限られているか、不明瞭である場合が多いです。これは、長期的なキャリアを構築したいと考える人にとっても難しい環境です。

採用の課題を解決する手段

人材採用の難しさに直面している歯科医院が取り組むべき手段は多岐にわたります。まず、求める人材の明確化が重要です。どのようなスキルや人物を求めているのか、具体的な条件を明確にすることで、効率的な採用活動が可能になります。次に、オンラインでの採用活動の強化も欠かせません。SNSや歯科医院のウェブサイトを活用して、働きがいのある職場環境や独自の福利厚生をアピールすることが有効です。特に重要なのはインスタです。インスタグラムのストーリーズやライブ機能を使うことで、リアルタイムで医院の動向を共有したり、Q&Aセッションを開催して求職者の質問に答えたりすることができます。これにより、医院の透明性を高めると同時に、候補者とのエンゲージメントを深めることができます。

また、体験入社や研修制度などを設けることで、未経験者や新卒者も積極的に採用し、育成することが求められます。歯科医師においては認定資格・専門資格が取れる場合にはアピールしたほうがよいでしょう。専門的知識や技術の向上を示す重要なアピールポイントとなります。そのため、医院でこれらの資格を取得できる機会を提供することは、採用活動において大きなメリットとなります。

採用戦略の具体例

成功する採用戦略には、様々なアプローチが存在します。
例えば郊外の歯科医院であれば、地元の学校やコミュニティーと連携し、地元の中学生・高校生に対する働く場としてのワークショップや奨学金サポートをすることは有効です。

また、ワークライフバランスの重視は、現代の労働市場において求職者にとって非常に重要な要素の一つとなっています。仕事と私生活のバランスを保つことができる職場環境を訴求することは、採用において大きなメリットをもたらします。多くの求職者、特にミレニアル世代やZ世代は、給与や職務内容だけでなく、ワークライフバランスを重視して職場を選びます。仕事と私生活のバランスを保つことができる医院は、求職者にとって魅力的な選択肢となります。今後は有給の消化の仕方や勤務時間を短くすることを検討するのは必須になるでしょう。勤務時間を時短することで、従業員は仕事以外の時間を増やすことができます。これにより、家族や趣味、自己啓発など、個人的な活動により多くの時間を割くことが可能となり、仕事と私生活のバランスが改善されます。

現在の従業員による候補者の紹介を奨励するためのインセンティブプログラムを導入することも有効です。紹介された候補者が採用され、一定期間勤務した場合に、紹介者に報酬を提供していきましょう。

採用から見た経済的、精神的メリットとデメリット

採用活動には、経済的なコストがかかります。特に、多くの応募を確保するためには、他院との競争が激しく、周辺の採用条件と比べて一定基準を満たした給与や福利厚生を用意する必要があります。しかし、長期的に見れば、質の高い人材が医院のサービスの質を向上させ、患者様満足度の向上に繋がります。

スタッフの退職は、企業にとって直接的および間接的なコストがかかるため、従業員を長期間にわたって雇用することが望ましいと言えます。新しい従業員を採用するためには、広告費用、人事部門の労働時間、面接の実施、そして場合によってはリクルートエージェントへの手数料など、多額の費用がかかります。

新しい従業員に企業の方針、業務手順、使用するシステムなどを教えるためには、先輩スタッフの時間と労力を費やす必要があります。また、歯科衛生士や歯科医師の教育期間は数か月から数年に及ぶこともあり、その間、新しい従業員の生産性は限定的になってしまいます。経験豊富なスタッフが去り、新人がそのポジションを埋めるまでの間、チームや部門の生産性は一時的に低下します。また、新しい従業員が完全に仕事に適応し、高い生産性を発揮するまでには時間がかかるため、この期間中の生産性の低下は避けられません。

採用の成功と長期雇用は医院の収益向上に繋がるため、初期投資は将来の収益に対する投資と考えることができます。精神的な面では、医院のビジョンに共感し、積極的に働くスタッフが増えることで、職場の雰囲気が改善され、医院全体のモチベーションの向上が見込まれます。

未来予測: テクノロジーを活用した採用戦略

今後、歯科医院の採用戦略においては、デジタル技術の活用がさらに進むと予測されます。例えば、AIを利用した採用プロセスの自動化や効率化、バーチャルリアリティを使ったリアルな職場体験の提供など、テクノロジーを活用して採用の質と効率を同時に高める方向に動いていくでしょう。これにより、求職者と医院双方にとってのメリットが増し、よりマッチした採用が実現可能になります。

まとめ

歯科医院の経営において人材採用は、非常に重要な位置を占めます。現代の様々な変化に適応し、効果的な採用戦略を立てることが求められます。また、テクノロジーを活用した新しい方法も積極的に取り組むことで、質の高い人材を確保し、医院の更なる成長を目指すべきです。医院経営者として、時代の変化に柔軟に対応し、新しい挑戦を恐れずに進むことが大切です。

投稿者プロフィール

萩原 直樹
萩原 直樹
前職の大手求人広告会社在籍中は営業としてグループMVP、チーフとして全社MVPを受賞。
18ヶ月連続売上・新規数字目標達成記録を持つ。
その後、採用コンサルティング会社に6年間、勤務。
大手小売業を担当、組織の仕組化を提案。
営業で鍛えた行動力と採用コンサルで鍛えた論理的思考力で成果を出している。
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