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皆さん、こんにちは。歯科医院地域一番実践会 コンサルタントの菅原です。
歯科のマーケティングと言うと、新患数、自費というテーマで取り組まれている医院が多くありますが、
- 毎日のように発生するキャンセルが気になる。
- 新患の数はそれなりに来ているのに、アポイントがあまり埋まっていかない。
という悩みを抱えている医院もいらっしゃると思います。キャンセルは日常的に発生するため、気にされている医院が多いと感じています。あらためて中断・キャンセル対策の方法を確認いただき、まだ取り組んでいないことがありましたら試してみていただけると良いと思います。
適正なキャンセル率とは
キャンセルがゼロになることは理想ですが、極めて難易度が高いと思います。少なくとも私は月のキャンセル数がゼロというのは聞いたことがありません。不可能とは言いませんが、ゼロにするためにはかなりの労力が必要になるでしょう。費用対効果を考えた場合、「問題がないレベル」の状態を目指すというのが現実的だと思います。
それでは問題がないレベルのキャンセル率とはどれくらいでしょうか。医院やエリアによっても異なると思いますが、10%を目安にすると良いです。キャンセル率が10%を超えた場合は対策を検討されたほうが良いと思います。15%を超えているとキャンセル率が高い方だと認識したほうが良いでしょう。
一方で10%未満であれば更に過剰に対策をとっても、かかる労力に対して得られる結果が少なくなる可能性がありますので、その点を考慮に入れる必要があります。
中断・キャンセルが発生する理由
まずは中断・キャンセルが発生する理由を患者様の目線に立って整理しておきましょう。
①中断・キャンセルに対するリスクの認識が低い
中断・キャンセルが多いタイミングはいつでしょうか。治療中に痛みが無くなったタイミングや、治療を終えて次回からメンテナンスになるタイミングで中断・キャンセルとなることが多いです。医院側からすれば中断するリスクは分かっていますが、患者様は痛みが目の前の困ったこと(歯が痛い、虫歯がある等)が解消できれば、来院する理由を見失ってしまう人もいます。
②通院回数が患者様の予想よりも多く、来院が面倒になる。
患者様の中には、虫歯治療は1~2回程度の治療で治ると思っていることもあります。そのような患者様の場合、4回、5回、、、と来院が続くと、面倒に感じてしまいます。特に痛みが無くなっている場合は必要性も感じないでしょう。
③アポイント日程を忘れてしまう。
特に3~4ヶ月先の定期メンテナンスなど期間が長めに空く場合は日程を忘れてしまう方もいらっしゃいます。また、そもそも次回のアポイントの日程を決めず、そのまま歯医者に行くこと自体を忘れられてしまうこともあります。
④後から他の用事が入れてしまう。
後から他の用事が入ってしまうこともあるでしょう。本来であれば来院を優先してもらいたいですが、他の用事と比較した際に優先順位が低いとキャンセルになってしまいます。
あらためて確認。中断・キャンセル対策
◆中断のリスクを伝えましょう。
治療の途中で中断した場合に発生する可能性のある「患者様にとってのリスク」をお伝えしましょう。「仮歯の状態で中断すると…」「仮封のまま中断すると…」「歯を抜いたまま中断すると…」など、中断リスクを治療の初期段階で伝えて、認識してもらうことで中断を防止しましょう。
◆キャンセルポリシーをお伝えする
なぜキャンセルしてほしくないか理由をお伝えしておきましょう。また頻繁なキャンセル(特に無断キャンセル)がある場合は、「予約が取れなくなる(当日連絡いただき待ってもらう)」等の患者様にとってリスクが発生するルールを策定して、お伝えしておくことでキャンセルの防止を期待できます。
◆治療の流れを事前にお伝えしておく。
治療初期段階で治療の流れを説明し、治療にはどれくらいの来院回数・期間が必要となるかをお伝えしましょう。また治療後には定期メンテナンスに移行することもお伝えしておくと良いです。
◆次回アポイント日程を確定させる。
次回のアポイント日程を院内で確定しましょう。特に定期メンテナンスに関しては症状も無く期間が空くため、患者様の意識も遠のいてしまいます。先の日程が分からない患者様もいらっしゃると思いますが、仮でも良いのでアポイント日程を決めておくと良いです。
◆事前にハガキ、電話、LINE
王道ではありますが、日程を忘れてしまう患者様もいらっしゃいますので、事前のハガキ、電話、LINEなどでのリマインドは有効です。一方で費用や労力もかかりますので、全患者様に実施するのか、特定の患者様に実施するのかルールを決めて運用すると良いと思います。
※例:自費患者様、アポ時間が長い患者様、仮で日程調整した患者様…等
最後に
基本的な対策も含めて、あらためて医院で実施していること・していないことを整理して中断・キャンセルに取り組みましょう。
その前提で、まずは現状のキャンセル率を把握しておくことが大切です。現状把握した上で、どこまで取り組むかを決めていくようにしましょう。