親から自分の代になるので、増築を検討しています

親から自分の代になるので、増築を検討しています 相談事例集

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相談内容

現在、父親と一緒に診療しています。
1日50人前後で、年間1億円に行かないぐらいの状況です。

父親は60代後半で、年間4千万ぐらいの医業収入を上げています。
ただ、医院は父親が建てたものなので築40年が経過しています。
私は30代前半です。

自分の代になるので、増築を検討しています。

現在の医院の敷地の中には、メインの通り沿いに自宅があり、この自宅が一番、視認性が良いです。

肝心の医院はあまり人通りや車の通りがない道路沿いにあります。
そして、本来であれば、この自宅を潰して、医院を建てたいというのが理想です。

もしくは、医院の自宅の一部を取り壊して、そこに医院を建てたいのです。
しかし、両親が絶対にそれを認めてくれません。

なぜなら、同じ敷地の中に医院が2つあったら混乱するからというのが両親の主張です。

なので、増築するのは既存の医院と通路でつないで、まったく通りからは見えない場所に新たに増築するプランです。費用としては8千万ぐらいかかる予定です。

この中で、どのようにするのが最善でしょうか。

岩渕の回答

申し訳ないですが、このプランの中に最善はないと私は思います。
このプラン自体が非常に良くないので、止めたほうが良いというのが私の意見です。

親子で一緒に診療する。
親から子に継承するというのは思ってるよりも大変、かつドロドロしているものです。

親は親で、これだけしてやったんだから、これぐらいいいだろうと思い、

子は子で、これからは俺の代なんだから、好きにさせてくれていいだろうと思う。

そのぶつかり合いが続くのが親子の継承です。
継承を甘く見ると軽傷ではすみません。

このようないつまでも、親が子供のために色々なことを譲れないケースでは、同じ敷地の中に自宅があり、自分が作った医院があれば、いつまでも口出しをしてくる可能性があります。

しかも、今回は8千万の中で親がお金を出している部分もあるはずです。
お金を出せば口も出すのが人間です。

結論としては、別の場所でやったほうが良いと思います。
この医院の近くでこれまで、先生が診てきた患者さん、スタッフを連れて別でやる。

そして、お父さんが体力的に厳しくなってきたり、引退したらその患者さんを全部、引き取る。

そういう形が望ましいのではないでしょうか。
確かに、今の場所でやれば、確実に年間医業収入1億円ぐらいは見えてます。
リスクはありません。家賃もほとんどかかりません。患者さん、スタッフとの信頼関係もできています。

しかし、そのリスクがないことに甘えれば、親との関係性というリスクが高まるのです。継承ではない全ての院長先生は自分でリスクを取って、医院を建て、新規で患者さんを集めて、スタッフを採用し、教育しているのです。

確かにそのような苦労は大変ですが、そのような苦労をしたほうが院長としても、経営者としても成長しますし、親からの干渉・しがらみというストレスからも解放されます。

なので、このケースでは親と一緒にやらないことをオススメします。
一緒にやると親が引退した後も、たくさんのお金を請求されることになりそうな気がします。

回答者プロフィール

岩渕 龍正
岩渕 龍正
歯科医院地域一番実践会 代表
歯科医院の移転、リニューアルの際の図面作成には絶対の自信を持つ。
現在は、年間医業収入1億円以上の医院が3億円を目指すための仕組みづくり、組織作りに力を入れている。
歯科界での突出した実績は歯科業界以外からも注目を浴びている。
近年は夫婦で医院経営も家庭も成功させる「夫婦経営成功」にも力を入れている。

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