継承した医院の改装のタイミングはどのように考えるのが良いでしょうか?

医院継承

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相談内容

もともと1日来院数10名から20名、初診数15名程度の、岩渕様がよくおっしゃる継がない方が良い典型的な医院だったと思います。
実践会でご指導いただき、様々な取り組みを行なったおかげで患者数や医業収入が上昇しております。ありがとうございます。
この8月のお盆の期間を利用して、受付周り、トイレ(和式→洋式)、レントゲン室の改装を行い、CT・セファロの導入を行いました。

現在チェアーが4台なのですが、予約が取れない状況が続いており(平日治療2週間後、平日メインテナンスが3週間後、土曜日はともに約1ヶ月後)、次のステップとして院長室を潰してチェアー1台の増台・カウンセリングルームの増設を予定しております。

なるべく休診期間が短い方が良いので、来年のゴールデンウィークを1週間休診にして改装しようと考えていたのですが、このままだと5月まで待つと予約が取れず、機会損失も多くなるのではと危惧しております。とはいえ、1週間休んで改装するのも怖い気がします。
改装のタイミングはどのように考えるのが良いでしょうか?

改装後も順調に患者様が増え続けた場合、5台のまま自費率アップを目指すのかそれとも自分にさらに大きくする力があれば2階、3階に増設するのが良いのではと考えたのですが、方針としていかがでしょうか?
もちろんすぐできることではないかもしれませんが、アドバイス頂けますと幸いです。
どうぞよろしくお願い致します。

実家の歯科医院に週2.5の非常勤で戻るにあたり経営状況をV字回復させたいと考え、昨年初めて経営塾に参加させていただきました。
もともとH Pなし、新患数は月15人程度、月間医業収入は400万程度の医院で大変不安だったのですが、昨年1年様々な取り組みを実践した結果、新患数は月60〜80名程度(4月、5月は100名、6月は120名、7月は100名)、月間医業収入もこの3ヶ月を平均すると月1000万超程度(自費率50〜60%)まで上昇してきており、実践会に参加させて頂けたことを大変感謝しております。いつもありがとうございます。

現在の医院の土地や建物は購入しており、あと少しで借金を返し終わるという段階です。現在父親は60歳です。

医院の進むべき方向を定め、それに向かって進んでいきたいと考えています。
2022年4月より常勤になり、8月に受付とレントゲン室の改装を終え、現在のところまずは来年の5月までにチェアーの1台増台、カウンセリングルームの増設を考えておりますが、タイミングに悩んでおります。
そのあとは5台のまま自費率アップを目指すのかそれとも自分にさらに大きくする力があれば2階、3階に増設するのが良いのではと考えたのですが、方針としていかがでしょうか?
もちろんすぐできることではないかもしれませんが、アドバイス頂けますと幸いです。
どうぞよろしくお願い致します。

岩渕の回答

かなり詳細な相談をありがとうございます。
相談内容を詳細に記載できるということは自分の現状と課題・問題点を詳細に把握しているということであり、問題が解決する可能性が高まるので素晴らしいと思います。

ご相談内容の拡張のタイミングですが、先生が考えられてる通り、先ずは、来年の5月までにチェア1台増設+カウンセリングルームの増設。その後、2階、3階への増築で良いと思います。

可能であれば、もっと早くチェアを増やすことが出来るなら、早急に行えれば、その方が良いですね。
それぐらい、チェアが足りない状況だと思いますので。

ただ、それよりも問題なのは院長交代だと思います。
現時点では、お父様が理事長であり、今後もお父様を理事長にしていく流れかと思います。

医院に戻るまでは、1日10人前後のボロボロの医院だったのに、気づけば、自分は何もしてないのに、みるみる医院は良くなり、業績は上がっているのです。
自分は借金を息子に残してるのに、何もせずに高い報酬までもらえる。

息子の立場からすれば、物凄く親孝行しています。
めちゃくちゃ、感謝されて当然と思います。

しかし、残念ですが、そのように考える親は滅多にいません。
やってもらって当然。

ここまで、自分が育てたんだから当然。
ここまで、自分が苦労して私立の歯学部に3千万以上をかけて卒業させたんだから当然
ここまで、自分が苦労して医院を残してやったんだから、当然

様々な当然が重なり、本来なら過剰な給与ももらって当然となってしまうのが人間なのです。
それによって、親子のすれ違いが加速し、口も利かないみたない状況になってしまうことが多いのです。

だったら、継がないほうが良かったのでは?
と思うぐらいです。

ですので、これだけ医院を伸ばしたのは息子の力であり、今回のケースでもそうですが、父親は借金が残っていたり、経営的には失敗しているわけです。
なので、早期に理事長、院長を息子に正式に登記上も交代し、給与を適正な金額に引き下げることが超重要なのです。

それをしたうえで、医院の拡大をしていかないと、一度、権利化すると人間はその権利を手放すことを極端に嫌います。
親子はどうしても、本音で話すことを避けがちです。
本音で話さなければ、衝突することが避けられるので。

ですので、早めにこの重要な話をして、しっかりと理事長交代のタイミングと親の給与引き下げを確定させることが最優先かと思います。
継承はこういう点も難しく、論理が通用しない世界へと突入することが多いですが、是非、頑張って話をしてみてください!

回答者プロフィール

岩渕 龍正
岩渕 龍正
歯科医院地域一番実践会 代表
歯科医院の移転、リニューアルの際の図面作成には絶対の自信を持つ。
現在は、年間医業収入1億円以上の医院が3億円を目指すための仕組みづくり、組織作りに力を入れている。
歯科界での突出した実績は歯科業界以外からも注目を浴びている。
近年は夫婦で医院経営も家庭も成功させる「夫婦経営成功」にも力を入れている。

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