歯科医院経営の超基本

歯科医院経営の超基本 歯科医院経営ブログ

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こんにちは。
歯科医院地域一番実践会の山ノ内です。

日々のコンサルティングでクライアントにお伺いする時、まず、確認するのはアポイント帳です。なぜかと言うと、医院の状況を把握するために、アポイント帳ほど客観的な情報を教えてくれるものはないからです。

アポイント帳は情報の宝庫

医院の経営状態は勿論の事、マネジメント状態も現れることがあります。

特に、
・午前終わり、午後終わりのアポイントが早めに不自然に切られている
・45分のメンテナンスにも関わらず、終了後に必ず15分空けて次の予約がされている

このような時、スタッフが操作している可能性があります。
勿論、例外もあります。前者の場合なら院長がスタッフの退勤時間が遅くなることを気にかけ、わざとアポイントを切っていたり、後者の場合なら院長が技術的な面で不安視される新卒DHに対する配慮などを行っている場合もあります。

ただ、院長が決めた理由ではなく、また院長が決めたとしても無理やりスタッフから押し通されたりする場合は、スタッフがアポイントを操作していると言っていいでしょう。この場合、十中八九、マネジメント状態は悪いです。受付の単独行動の可能性もありますが、発言力のあるDHが指示して行っている場合もあります。すぐに改善を促しても、反発したり、聞く耳を持たなかったりと逆効果になる場合もあります。

改善するためのファーストステップ

では、どうしたらいいか?
まさに超基本ですが、挨拶や感謝の言葉、気にかけて話しかける等を継続的に行って信頼関係を構築すること、そして、相手がこちらの話を聞く体制にすることが必要です。
また、院長が優しすぎるためにスタッフが勝手な行動をしているケースもあります。その場合は、怒ったり叱ったり命令したりするのではなく、ミーティングなどの医院全体で決めたことに対して妥協を許さず、必ずやり通すことが必要です。やり通すことで、リーダーシップを発揮していくのです。

文字としては簡単に書けますが、習慣がない人にとって行動し続けることはとても難しいことです。しかし、この行動が出来ない院長はこれから先もマネジメントに苦労し続けます。

改善するためのセカンドステップ

この超基本行動が出来たら、問題について切り込みます

「完全予約制の歯科医院でアポイントがどれほど重要なのか」
「どんな理由があって、アポイントが入っていないのか」
「アポイントを入れるためにはどうしたらいいか」 などなど

自分なりの答えを持ちつつ、まずは相手に考えさせ、具体的な改善行動まで答えさせるのが大切です。人はだれでも指示されてやることをとても嫌います。一方で、自分で考えたことには簡単に行動します。相手の立場になって考え行動を促しましょう。そして、改善できたら、間髪入れず、褒めてあげましょう。フォローできるかどうかで継続力に差が出ます。

来院患者数アップへの第一歩

このアポイントの改善ができれば、医業収入は大きくUPする可能性があります。概算ではありますが7時間の診療時間のうち、トータルで治療枠は1時間(午前、午後ともに30分早めに切られていると試算した場合)、メンテナンス枠は2枠(45分間メンテナンス1回ごとに空白の15分があり、午前と午後で1枠ずつ追加できる枠があると試算)を切られていたら、その枠を埋めることによってユニット1台当たりで下記のような医業収入アップの可能性が出てきます。

【治療枠:30分/人、患者一人当たりを550点として計算】
約1100点/日×22日(診療日)=22000点/月

【メンテナンス枠:45分/人、患者一人当たりを800点として計算】
約1600点/日UP×22日(診療日)=35200点/月

侮れませんよね。
歯科医院は完全予約制だからこそ、アポイント帳は重要です。まず、懐疑的な目で自医院のアポイント帳を眺めてください。何か見えてくるかもしれません。

投稿者プロフィール

山ノ内 友哉
山ノ内 友哉
管理栄養士過程の大学を卒業。男性では少ない管理栄養士の資格を取得し、栄養学と関連の深い大手食品会社系列の製薬品会社に営業職として入社する。
前職の在籍期間は約8年間、700床以上の基幹病院にて医師・コメディカルを巻き込んだ 疾患教室の立ち上げ支援で医療従事者間の信頼関係構築の基礎を習得。その後、東京都内の私立大学病院を担当。そこで、自社製品の「現状」と「あるべき姿」を明確化し、そのギャップを埋める活動を週間単位で落とし、新製品で約95%のシェアを確立する。課題解決の原則を実践し、自らに落とし込む。その評価を受け、最も影響力のある東京大学医学部附属病院を担当。
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