採用難の時代でも選ばれる歯科医院のポイント

採用難の時代でも選ばれる歯科医院のポイント 労務・人事評価・採用

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はじめに

先日、コンサルに向かっている途中でニュースを見ていてびっくりしたことがありました。
「社員の有効求人倍率が1倍を超えた」
前職から中小企業の採用に関わって10年以上になりますが、これは、凄い状況です。

現在社員として働く意思のある人なら誰でも働けるということであり、
雇用側から見ると、更に熾烈な人材獲得競争の状態に入ったということです。
※ちなみに歯科衛生士の求人倍率は約20倍と桁が違います。

少し安易な結論づけかもしれませんが、
採用する側は「選ぶ側」から「選ばれる側」になっています。

これからは、今の求職者は何を考え、どのように選ぶのかという視点を軸に
選ばれる歯科医院のポイントを理解していかないと、採用は出来ない時代となっていきます。
一方で、選ばれる強みを持っている医院には人が集まってくるという例が全国で起きています。

本日は、私の経験を元に、採用難の時代でも選ばれる歯科医院のポイントをご紹介致します。

選ばれる歯科医院のポイント1 待遇面を見直す

誤解を恐れずに書けば待遇面を整えるということは、それだけでスタッフのことを
大切に思っていることの証明となることがあります。

例えば、「頑張ります」と言葉だけで何もやらないスタッフがいたら、
「本当は頑張ろうとはしていないのかな」と不安に思った経験はありませんか?

それと全く逆のことがおこっていると考えてみて下さい。
「スタッフのことを大切に考えているよ」とどれだけ伝えても、
そのスタッフにとっての良い条件が実際に存在していなければ
「本当かな」と不安になり他の歯科医院を探し出す時代だと思います。

「他の医院のスタッフの待遇面と比べてみると
本当に先生は私のことを大切に思ってくれているのだろうか?」
そう不安になってしまうのです。

では、給料をあげればよいのか?と言われればそうでもないのです。

あるリサーチ会社が行った新入社員向けの調査の結果では
平成16年に調査を開始してから初めて、給料が増えることを求めると回答した人よりも、
休日が増えることを求める人が多かったというものがあります。

つまり、待遇面を見直すといっても給料アップだけでなく、休日なども含めた
総合的な待遇面の改善を見直してみるということが重要ということです。

その際に重要なポイントは、待遇面に関してのミスマッチが起きないように日ごろから
情報収集をしていくということが重要です。
しかし、この待遇面というのは、とてもやっかいです。
なぜならば、ミスマッチが起きていても、非常に言いづらいため
経営側の耳には一切届かずに、気づいたら退職につながってしまうケースが多いということです。
そして、その本当の理由を経営者には言ってくれないのです。

そのため、客観的な視点で間に立ってくれる幹部のような存在をつくり、
耳の痛いことでも言ってもらうということや、
近隣の医院の待遇面を常にチェックするといったことが必要です。

実際に近隣の医院の待遇面より少し良くしただけで良い方からの
応募が増えたという例もあります。

※誤解がないように伝えておきますが、この状態は働く側にとって必ずしも良い状態ではないと私は思います。
待遇面だけを見て、不満を感じて転職を繰り返している人は何かを成し遂げることは難しいと思うからです。

また、「人としてそんな辞め方良くないでしょ?」と思われるような辞め方をしても、
生きていけるという錯覚に陥っている人もいるかもしれません。
ここでは深追いはしませんが、そういう方は、残念ながらプラスを求める採用の現場においては
対象自体から外れることになってしまいます。

選ばれる歯科医院のポイント2 スタッフとの信頼関係が厚く、円満退社が基本

職場環境の良し悪しを考える中で、職場内の人間関係が良いかどうかは、
10年前から変わらず非常に重要なポイントです。
今後は、ますますこの職場内の人間関係の重要性は増していくと感じています。

というのも、基本的に人は一緒にいて危険を感じる人からは逃げたいと思うはずです。
そこでしか手に入らないものがある場合(例えばお金、仕事のやりがい、成長など)は危険を冒しますが、
それがない場合には危険は避けると思います。

一方で、コミュニケーションのツールがどんどん増えていくことで、
Facebookの「いいね」のつながりのように、
自分を認めてもらえる人を探すことがしやすい時代でもあり、
つながった人とは、そのつながりをどんどん強めていくことが出来る時代になってきていると思います。

そのため一度信頼関係を築くことが出来れば、
とても強いチームワークを発揮出来ると思うのです。

「会う人会う人が皆良い人でした」という理由で、
待遇面的には劣る歯科医院に就職を決めているスタッフは多いように感じます。

人間関係を良好にしていきたいと思った時には、
人が喜ぶことを積み重ねることが基本です。

人が喜ぶポイントは様々ですが、基本的には“大切にされている”と感じると
人は嬉しいのだと思います。

大切にされるというのは、その人の存在を認めてあげる声掛けをするということや、
その人の話をよく聞くということだと思います。

今までは、怒られ続けても耐えられたのは、自分の周りの情報がなかなか入ってこなかった
ということも多いのではと考えています。
実際に、耐えている間に言ってくれていたことが理解できるようになって、結果的に感謝出来た。
そのような経験を持っている方は多いかと思います。

あくまで私が感じていることですが、
耐えられる時間が短くなってしまっていると思います。
そしてそれを良しとする論調も増えてきているように感じます。

そのような時に、「この人のためになるので出来ない点を厳しく指導してあげなきゃ」
とムチばかり打っていたら恐らく辞めてしまうでしょう。

そして、そのように辞めたスタッフは仲の良い友達にスマホを使って
辞めた医院のことを何というでしょうか?
「私が悪いんです」とは言わない可能性のほうが高いと思います。

スタッフが辞めた後も、うちの歯科医院を応援してもらえるかどうかは重要です。
採用したスタッフとは一生の付き合いとなることを意識して、
仕事上だけでなく、人としての信頼関係を築いていくことがとても重要です。

そして、良好な人間関係を築くのが難しいと思う方、うちの歯科医院とは合わないなと感じる方は
お互いのためにも採用しないと決断することも重要です。

選ばれる歯科医院のポイント3 仕事のやりがいに幅を持たせる

今までは、「キャリアアップ=チーフ」というように、
マネジメントを重視するという考え方で評価している歯科医院さんも
多いのではないでしょうか?

しかし、実際には「マネジメントは苦手だけど、技術で貢献したい」
と考えてくれている人も多いと思います。

私は、歯科医院の中に様々な仕事のやりがい、
評価の軸を増やしていけると良いと思います。

技術的に優れている人、マネジメントが得意な人、
プロジェクトの企画を考えさせたら一流という人、
それぞれ評価する仕組みがあり、キャリアを築けるような
職場環境を作っていくという考え方です。

評価をする時に気を付けなくてはいけないポイントが何点かありますが、
その一つに自分と似たような人を評価し、そうではない人の評価を下げる傾向があります。
しかし、それではこれからの時代は採用に苦しむと思います。

様々な能力を持った人を評価していく中で、
チームを作って補いあっていくことが重要だと私は考えます。

そのためには、TOPとタイプの違う、相談出来る人の存在は欠かせないと思います。

そのようにして、様々なタイプの人材の採用、育成を進めていくことで、
様々なタイプの人が活躍するイメージがわき、そのこと自体が選ばれる強みとなっていくのです。

選ばれる歯科医院のポイント4 医院の魅力を伝える人がいる

働く場所として魅力があることを伝える上で、とても強力な手法があります。
それは、今実際に働いている人が良さを伝える。ということです。

口コミサイトや患者様の声を元に、歯科医院を選ぶ患者様が多いように、
求職者は今実際に働いている人の働きぶり、声、表情で選ぶと思います。

リーダーが医院の目指す方向性をスタッフに語り、スタッフの頑張りを労っていくことで、
スタッフが実際に楽しそうに仕事をしている医院は採用力があると思います。

そして、そのような医院では患者様から働きたいと言ってくれる、
業者さんが紹介してくれるといったことがおきています。

今回はこれからの求人にとって大切な考え方を中心にお伝え致しました。
また別の機会には、具体的な採用手法なども一部お伝えできればと思います。
最後までご覧頂きましてありがとうございました。

投稿者プロフィール

渡邉 健二
渡邉 健二
早稲田大学卒業後、大手求人広告会社に新卒入社。
8年間の在籍中に2000社を超えるクライアントを担当。採用のノウハウを学ぶ。
社内ではセールスとマネジメントの異なる分野でMVPを受賞。また、育成したメンバーから全社MVPを輩出。人の強みを活かす育成・プロジェクト運営を軸に、成果を出している。
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