広告の効果測定できてる?

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こんにちは!
経営戦略研究所株式会社 経営コンサルタントの山ノ内です。

医院に訪問すると、広告の話はよく出てきます。「こんな広告の紹介があったのですが、どう思いますか?」「今の広告、続けたほうがいいですかね?」「そろそろ止めようかと思っていて」。この手の相談をいただいたとき、私が最初に思うのは広告の中身よりも、「その判断、何の数字を見て決めようとしていますか?」です。

広告にはそれぞれ役割があって、成果の出方も違う

ひとくちに広告といっても、種類はいろいろあります。テレビ(最近はTVerの広告も)・ラジオ・新聞といったマス広告、折込やポスティング、駅・電車内の交通広告のようなセグメント広告、そしてリスティングやSNS、MEOなどのデジタル広告。

大事なのは、それぞれ目的も、成果が出るまでの時間軸も違うということです。

マス広告や交通広告は、ある程度まとまった金額を継続的に投下しないと効果が見えてきません。狙いも「今すぐ来院してもらう」というより、「地域の中で名前を知ってもらう」「あの医院なら安心、というイメージをつくる」といった、じわじわ効いてくるタイプです。半年から1~3年のスパンで見る前提のものを、数ヶ月で判断してしまうと、ほぼ間違いなく「効果がなかった」という結論になります。

一方でデジタル広告は、クリック数、問い合わせ数、予約数と、数字が数週間から1ヶ月単位で出ます。だからこそ改善のサイクルを速く回せるのが強みです。

つまり、同じ「広告費」でも、測る物差しも、判断するタイミングも変えないといけない。ここが混ざったまま「全部まとめて費用対効果どうなの?」と見てしまうと、本当は効いているものを止めて、効いていないものを続ける、という判断ミスが起きます。

「出しっぱなし」と「業者レポート鵜呑み」が一番もったいない

よくあるのが、次の2つのパターンです。

パターン1:出しっぱなし

数年前に出稿を決めて、そこから一度も見直していない。毎月請求が来るので払っているけれど、正直どれくらい効いているかは分からない。

パターン2:業者のレポートを鵜呑み

毎月「表示回数が伸びました」「クリック率が改善しました」というレポートが届く。数字はきれいに右肩上がり。でも、初診の患者数は横ばいだし、初診患者の主訴内容も変化ない。

パターン2のほうが厄介です。レポートが出ている分、「ちゃんと管理されている」という安心感があるからです。

ただ、広告会社が持っている数字は、あくまで「広告をクリックするところまで」です。その先、実際に予約が入ったのか、来院したのか、そして目的の診療内容の相談につながったのかまでは、基本的に医院側にしかデータがありません。ここを医院側が持たないまま業者の数字だけで判断すると、「クリックは増えたけど、来院していない・増えてない」という状態に気づけないまま、お金だけが出ていきます。

広告会社を疑いましょう、という話ではありません。医院側が自分の数字を持って初めて、業者との会話が「もっと増やしてください」から「この経路からの患者さんは目的の診療内容につながっているので、ここに寄せたい」に変わる、という話です。

効果測定の出発点は、初診患者の集計・分析

結局、広告のPDCAを回すための土台は、初診患者の集計と分析です。

前に矯正歯科の検査移行率の記事でも書きましたが、マーケティングの精度は現状把握の精度に引っ張られます。治療でいえば診査診断です。レントゲンを撮らずに治療計画を立てる先生はいないと思いますが、広告の判断だと、なぜかそれが起きてしまう。

しかも、初診患者の集計は広告以外にも効いてきます。どの層が来ているのか、どの主訴が多いのか、それが医院のコンセプトと合っているのか。これが見えると、広告だけでなく、予約の受け入れ体制にもメスを入れるかどうかの判断にもなります。

では、どうやって集めるか。現実的な方法を2つ挙げます。

方法1:初診患者の管理シートをつくる

まずはこれです。エクセルかスプレッドシートで十分ですし、最初は項目も絞ってかまいません。

最低限、この3つだけは取ってください。

  • 主訴(何に困って来たのか)
  • 来院経路(何を見て来たのか)
  • 住所

来院経路は「ホームページ」「Googleマップ(Google口コミ)」「Instagram」「YouTube」「駅看板」「院前看板」「バスアナウンス」「紹介(誰から)」「家が近い」「職場が近い」「生成AI」などなど。この項目は細かく分けておきましょう。そうしたら、あとで色々と分析ができます。

そして、ここからが本題です。

もし現場に実行力のあるスタッフやTCがいるなら、もう一歩踏み込んでほしいです。

  • なぜその経路で知ったのか
  • 何を期待して、うちを選んだのか
  • 他にどこと迷ったのか

つまり、患者さん一人を深く掘ることです。

集計した数値だけで見ていると、「Instagram経由が2人、ホームページ経由が20人、家族紹介経由が15人」という話で終わります。でもこれ、患者さんの本質は何も見えていません。Instagram経由の2人が、全員「医院の雰囲気が良さそうだったから」来ているのか、「価格が安そうだったから」来ているのかで、次の打ち手はまったく変わります。

特に見てほしいのは、医院のコンセプトにマッチしている患者さんです。長く通ってくれて、提案も受け入れてくれて、周りに紹介もしてくれる。そういう患者さんが「何を見て、何を期待して来たのか」が分かれば、それは広告のメッセージにそのまま使えます。

理想を言えば全員分ですが、現実的ではないので、まずは月に3〜5人でいいと思います。TCがカウンセリングのついでにメモを残す、くらいの負荷から始めるのが続くコツです。

方法2:WEB問診票を導入して、分析まで一気通貫にする

手書き問診票の一番のネックは、紙のまま引き出しに眠ることです。集計しようと思った時点で、数十枚の紙を打ち込む作業が発生する。これだと絶対に続きません。

その点、WEB問診票は入力された時点でデータになっているので、集計の手間がほぼゼロになります。来院経路も主訴も、選択肢を設計しておけばそのまま分析できます。最近はAIを使えば、自由記述の内容をまとめて傾向を出すことも簡単にできるようになりました。

ただ、ここで止まってしまう医院さんが多いです。「導入しました、データも溜まっています」で終わってしまう。

大事なのは、次の行動にどう活かすかです。

たとえば、問診の内容から「この人は自由診療の可能性が高そうだ」と分かったとします。そこで終わらせず、

  • 誰が対応するのか(担当医、TC)
  • カウンセリングはどこまでするか
  • 資料は何を渡すのか

ここまで決めておく。行動レベルまで落とし込んで初めて、データが成果に変わります。逆に言えば、ここを決めずにデータだけ集めても、きれいなグラフができるだけです。

WEB問診票についてはこちら▼
https://www.consuldent.jp/consulting/monshin.html

明日からできること

いろいろ書きましたが、全部やろうとすると止まります。なので、まずこの1つから始めてみてください。

次の1ヶ月、初診患者さん全員に「何を見て当院を知りましたか?」を必ず聞いて、エクセルかスプレッドシートに記録する。

列は「日付/氏名(またはカルテ番号)/年齢/住所/主訴/来院経路」の6つだけ。これなら受付で1~3分あれば入力できます。

まとめ

広告は「出す」ことより、「測って、直す」ほうが何倍も大事です。そしてその測り方は、大がかりなツールを入れなくても、初診患者の集計から始められます。

もし今、「広告費は毎月出ているけど、効いているかどうか説明できない」という状態なら、来月からの1ヶ月だけでもいいので、初診の集計を始めてみてください。1ヶ月分のデータがあるだけで、見える景色がかなり変わります。

とはいえ、集計したはいいものの、どう読み解いて次の手を打てばいいか分からない、というケースも多いと思います。そういうときは、私たちのような外部の目を入れるのも一つの方法です。

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