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皆さん、こんにちは!歯科医院地域一番実践会の寺尾です。
ここ最近、訪問診療のご相談が続いています。
以前は、やるかやらないかというご相談が多かったのですが、最近は少し様子が変わってきました。一度始めてはみたものの数字が伸びず、このまま続けるかどうか迷っている。そういった段階でのご相談が増えています。
正直に言うと、このご相談をいただくたびに、もったいないなと思っています。
というのも、数多くの医院さんの現場を見てきて、訪問診療にはかなりはっきりした傾向があるからです。
今日はそのあたりの話をさせてください。
訪問事業継続をいつ判断するか
立ち上がり方には、共通の形があります。
1年目は、ほとんど数字になりません。準備と移動ばかりで、収支だけ見たら完全に赤字に見えます。2年目に入ると紹介元がひとつふたつ固まってきて、月ごとの人数が読めるようになり、そして3年目、紹介が紹介を呼んでルートが複数になったところで、一気に伸びます。
問題は、多くの医院さんが1年目の数字で判断してしまうことです。
移動時間の割に点数の伸びが良くない、Drが1日抜ける分だけ外来が落ちる。数字だけ見れば、この判断は正しいと思いますが、そこだけでは判断は難しいです。
1年目に積み上がっていたのは、売上ではなく紹介元との関係でした。それを測る物差しを持たないまま、2年目の入り口でやめてしまう。これが一番多い失敗です。
ですので、始める前に、撤退基準を金額以外のところに置いておいてください。私がよくご提案するのは、1年目の目標を、売上ではなく紹介元の数にしてしまう方法です。
地味なんですが、これをやると院内の空気が変わります。訪問から帰ってきたスタッフが、今月も売上が少なかったという報告ではなく、新しい事業所と2つつながりましたという報告ができるようになるので。
ちなみに、訪問を伸ばしきった医院がどんな組織をつくっているかについては、訪問診療1医院で4億医院の取り組みで詳しく触れていますので、あわせてご覧ください。

訪問を始めるときに最初に決めること
訪問を始める際に一番に考えなければならないのは、院内外の人員配置です。
ここで一番多い失敗が、外来のDrが空いた時間に回るという体制です。人を増やさずに始められますし、外来が手薄な曜日に充てればいいので、稼働を考えると合理的に見えるのですが、この形を維持し続けるのは難しいです。というのも、患者さんが増えて外来が忙しくなった途端、訪問が後回しになるからです。
急患が入った・Drが1人休んだなど、そのたびに訪問の予定を動かしてしまった結果、施設側も全部調整し直しです。それが2回3回と続くと、あの医院は責任感がないという評価が定着し、マイナスな印象を与えることになります。
では上手くいっている医院がどのように仕組みを作っているかというと、訪問専任のDr・DHを置く、曜日を固定してその日は外来を入れない。このどちらかのケースが多い印象です。
あと、これは案外知られていないんですが、訪問は外来より計画が立てやすいです。外来が回らなくなるのではと心配される院長先生は多いのですが、固定してみたら外来のアポのほうが安定した、とおっしゃる医院さんは少なくありません。
紹介元は、自分からつくりにいく
基本的に訪問の患者さんは、HPからも看板からも、ほとんど来ません。
基本的には、施設のご担当者さんとケアマネジャーさんからの紹介です。ここは外来と発想を切り替える必要があります。
パンフレットを持って挨拶に回る。これをやっている医院さんは多いのですが、正直、それだけでは結構難しいかと思います。こちらから施設のニーズを当てに行って、解決できることをアピールすることが重要です。食事中にむせる入居者さんがいるけれど、どこに相談していいか分からない。誤嚥性肺炎で入院者が出ると、施設も困ってしまう。ニーズは転がっています。
ですので私は、営業に伺うのではなく、施設職員向けの勉強会をやらせてくださいという形で入ることをおすすめしています。
それともうひとつ。これ、見落とされがちなんですが、ご家族への報告書も紹介経路です。訪問だと、ご本人よりご家族のほうが状況を把握できていないことが多いんですね。地味で労力はかかりますが、信頼関係の構築には非常に効果が高い仕事です。

施設基準も重要
地味な話ですが、ここが一番お金に直結します。
やってはみたけれど思ったほど点数にならなかった。そうおっしゃる医院さんの中身を見せていただくと、診療の内容は正しいのに、届出をしていないせいで点数が低いまま、というケースが本当に多いんです。
厄介なのは、要件はもう満たしているのに書類を出していないだけ、という医院さんが実際にいらっしゃること。研修の受講歴も、他職種との連携実績も、記録を整理すれば揃っている。それなのに届け出ていないというだけで、毎月の点数が違ってしまっている。
これは訪問に限った話ではありません。外来でも同じことが起きていて、診療情報連携共有料や総医・医管の算定漏れをなくしませんか?でも同じテーマを取り上げています。
これは本当にもったいないです。まずは自院が今どの届出を取れるのか、何が足りていないのか。改定内容そのものは厚生労働省の令和8年度診療報酬改定についてにまとまっていますし、届出の様式や受理状況は各地方厚生局のサイトで確認できます。改定が自院の収益にどう効いてくるかは、【令和8年度 歯科診療報酬改定】歯管が90点に!医院の収益への影響をシミュレーションで解説もあわせてご覧ください。
ここは改定のたびに要件が変わりますし、自己流でやると差し戻されますので、判断に迷われるようでしたらご相談いただければと思います。
訪問部門は、採用の間口を広げる!?
これは意外に思われるかもしれません。
訪問を立ち上げた医院さんから、よくいただく報告があります。外来の求人には応募がないのに、訪問の求人には応募が来る、というものです。
訪問は1日のスケジュールが前もって確定していて、意外と残業になりにくい傾向にあります。急患で予定が崩れることもなく、患者さん1人にかけられる時間も長いのでこの条件は、子育て中の歯科衛生士さんや、外来のスピード感が自分には合わないと感じているドクターにとって、かなり魅力的に映るようです。
採用が難しいから訪問に踏み出せない。そうおっしゃる院長先生は多いのですが、実際には逆の順番で回っている医院さんが、少なくありません。
なお、求人そのものの見せ方については、歯科医院の採用成功は「認知→外観→内容」の順番で決まる!応募率を11倍にする方法にまとめていますので、訪問の募集を出す前に一度目を通していただければと思います。

まとめ
訪問診療は、1年目に種を蒔いて3年目に刈り取る事業です。1年目は数字になりませんから、売上ではなく紹介元の数を目標に置いてください。
体制で先に決めるのは、機材ではなく人です。
いま自院が立っているのが1年目なのか2年目なのかで、打つべき手はまったく違います。判断に迷われているようでしたら、現状を整理するところから、一度ご一緒させてください。
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