歯科医院で起こるマネジメントの誤解~優しくすべきか?厳しくすべきか?~

スタッフ教育

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こんにちは。
経営戦略研究所の渡邊です。

本日はマネジメントにおいてよく起きる誤解に関して
私の考えをお伝えしたいと思います。

題名にも書きましたがよく起きる誤解というのは、
優しく接すべきか、それとも厳しくすべきかという
二者択一でマネジメントを考えてしまうことです。

私が今まで育成に携わってきた中で思うことは、
どちらか1つを選ぶようなことではないということです。

優しく接すればスタッフはその時は安心すると思いますし、
厳しく接すれば悔しさから頑張ったり、反省することもあると思います。

しかししばらくたつと、
優しく接しすぎて甘えが出てくるスタッフが出てくることがあります。
また、反対に厳しくしすぎたことで自信を失いみるみると力を
発揮できなくなってしまうということがあります。

そして思い通りにいかないスタッフに関しては、
いつの間にか「このスタッフは〇〇だ」
という先入観を持って接するようになります。

私も忘れがちになりますが思っている以上に、
皆さんの言動というのは日頃人に影響を与えています。
これはラベリング効果と言われていて、皆さんご存知だと思います。

気付かない間にラベリングをしてしまっているケースも多々あります。

また、こういうケースもあります。
優しく接することで変わって欲しい状態にならなかったので、今度は厳しく接してみよう。という形でリーダーがコロコロと態度を変えるケースです。

そうすると今度はリーダーが何を考えているかわからなくなり、
スタッフの中には自信を失い顔色ばかりを伺うようになり、
何も意見やアイディアを出さなくなる方もいます。

私は子育てとマネジメントは非常に良く似ていると思うのですが、
子供も親の対応によって、ぐれたり、すねたり、顔色を伺ったり、
様々な反応をするのだと思います。
マネジメントもそれと一緒だと考えています。

そもそも、マネジメントとはどのようなものでしょうか?
医院の目標に向かって、集まってくれた1人1人の力を引き出し、
成果につなげること。ではないかと思います。

決してその人を変えるということではないと思います。

1人1人の力を引き出す上で大切なことは、
1人1人と向き合い会話するということだと思います。

「今はどのようなことにつまずいているのか」
「それはどのようにすれば解決出来るのか」
「今後はどのように成長してもらいたいのか」
「そのために何かサポートしたほうが良いことはないか」

その人を決めつけたり、変えようとするのではなく、
期待と支援の観点を持って、厳しさと優しさを持ちながら
向き合って会話していくことではないでしょうか。

このことは少し前の本ですが、
やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける
の中で子育てに関して説明がされていて正にその通りだと思いました。
その中には以下のように書かれています。

あまり要求をしない×支援をあまりしない=怠惰な育て方
あまり要求をしない×支援を惜しまない=寛容な育て方
要求が厳しい×支援をあまりしない=独裁的な育て方
要求が厳しい×支援を惜しまない=賢明な育て方

つまり、厳しさを持ちながら支援も惜しまないスタンスが重要だということです。

このことは正にリーダーシップにも通じているという実感が私にはあります。

私が前職時代に初めてリーダーになった時に
次の4つがリーダーには重要だと教えられ、
常に意識をしていた時期があります。

1父性
2母性
3情報収集
4情報提供

父性と母性に関しては
時には厳しい目標に対しても乗り越えるように励まし、
時にはそのスタッフ一人一人の抱えている問題に気づき優しさを持って接する
ということだと思います。

情報収集と情報提供に関してはいかがでしょうか?

歯科は有資格者が組織内に複数存在し、相互に経験出来ないことが多いため
情報共有が非常に難しく、ミスコミュニケーションが起きやすい特徴があります。

スタッフのコンディションや、他の医院のスタッフの取組、
新しい歯科治療やその考え方、最近の社会の動向など、
情報収集は日頃行っていますでしょうか?

そして情報提供の観点で、
セミナーなどで知った情報をスタッフの皆さんとシェア出来ていますでしょうか?

自分が知っている情報を他の人が知らないということで、
セミナーに行かないのは勉強不足と嘆き、
厳しく接してそのスタッフを変えようと考えたところで
事態は悪化するだけだと思います。

これは私も何度も失敗例として経験済みです。

日頃患者様の治療に全力を尽くしているリーダーの皆さんが
一人一人に向き合いやりきることは非常に大変なことだと思います。

私自身、プレイングマネージャーをやっていた時は、日中はチームメンバーの相談対応、
皆が帰った夜中と早朝が自分の時間ということで、誰よりも会社に長くいました。

そのぐらいマネジメントというのは難しいものだという実感があります。
だからこそ、私のような存在を必要としてくださる方がいらっしゃる
ということかもしれません。

本日はマネジメントで良く起こる誤解に関して書いてみましたが、
今回のブログが少しでも皆さんの日頃のマネジメント力アップに繋がれば嬉しいです。
最後までご覧頂きましてありがとうございました。

投稿者プロフィール

渡邉 健二
渡邉 健二
早稲田大学卒業後、大手求人広告会社に新卒入社。
8年間の在籍中に2000社を超えるクライアントを担当。採用のノウハウを学ぶ。
社内ではセールスとマネジメントの異なる分野でMVPを受賞。また、育成したメンバーから全社MVPを輩出。人の強みを活かす育成・プロジェクト運営を軸に、成果を出している。
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