【事務長を採用したい】どうやって採用して育成したら良いか?

スタッフ教育

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相談内容

採用と教育が大きな課題です。
現在、院長である自分自身は週6で診療をしています。

このような状況で、やったほうが良いのは分かるのですが、採用のために歯科衛生士学校との関係性構築のために時間を使うことがかなり難しい状況です。

院長、勤務Dr、スタッフはやはり診療のメンバーなので、このようなメンバーが採用のために動いたり、教育をしたりするのには限界があると思う。

なので、事務専任スタッフ(事務長)を雇用したいけど、どうか?

マネジメント兼マーケティングのある一定割合を専任でできるスタッフの雇用をしたいと考えています。
事務長という立場だとありがたい(同一法人の医院も含めて)。

年収をいくらに設定するのか、どういう人間を雇用するのがいいか?
現在、スタッフの仕事の質(治療や事務的な仕事の)の評価基準が明確でないので、特定の人間に仕事が集中するので疲弊していると思っています。

岩渕の回答

医院が伸びてくると間接部門の充実というのは非常に大事になってくると私も思っています。
しかし、事務長の採用と育成についてはかなり難しいのが現実です。
中途半端な人材を採用して、全くモノにならず退職するというケースが7割ぐらいではないでしょうか。

残り3割のある程度、仕事ができるようになった事務長も入社5年ぐらいで裏切りやお金の横領、不正などで辞めるケースがほとんどだと思います。

つまり、それぐらい事務長の採用と育成は難しいということです。
この人だったら、裏切らないという確証がないと大半の場合、ダメになってしまいます。
それぐらい難しいのが事務長なのです。

しかし、事務長を外部に委託するような形でも、うまく行ってるケースは見たことがありません。
じゃあ、どうすればいいのか?

先ず、事務長がなぜ育ちにくいのか?
そして、育っても、なぜ不正や裏切りなどをするのか?

そこを考えることが大事だと思います。
先ず、事務長といった場合、今回の相談にありますように、マネジメントとマーケティング、両方を高いレベルでできてほしいという非常に高い要求水準があります。

つまり、それを最初から満たすような人はあまりいないし、いたとしても、なかなか歯科医院で勤務してくれるかというとかなり難しいのです。

しかし、なぜか、あまり院長にはそのような認識がないようで、他に事務長を採用してうまく行ってる先生がいるから、大丈夫だろうと思っているのです。そんなに甘くない、ということを先ずはしっかり認識することが大事だと思います。

弊社が採用している経営コンサルタントの採用基準が高いということを私は深く認識しています。
だからこそ、それだけの人材がなかなか、うちのような歯科業界では有名でも一般の人に殆ど知られてない会社に就職してもらうのが難しいので、採用活動に相当に力を入れて、お金も使っています。

先ずは、それぐらいしないと求めてる事務長の基準を満たせる人は採用できません。
しかし、じゃあ、そこまで事務長のためにできる医院があるかというと、それはほとんどないと思います。
ちなみに、うちの会社は一人の経営コンサルタントを採用するために100-200万円ぐらい採用にお金をかけてますが、そんなことを事務長のためにできる医院はほぼ皆無だと思います。

じゃあ、どうすればいいか?
そもそも、マーケティングとマネジメント両方を高いレベルでデキる人を求めることが間違ってるのではないかと思うのです。

であれば、
・事務的な面を中心とした人:事務、人事、労務、採用、スタッフ教育などのマネジメント中心の人
・マーケティング中心の人:広告、ホームページ、SEO、PPC、ツール作成などのマーケティング中心の人
と分けて採用することをオススメします。

最初のうちは、これらを男性の常勤ではなく、女性でパートで前職時代にこれらの業務をしていた方を採用するのが現実的だと思います。

その中で、常勤採用に切り替えるとか、パートの方を常勤にするなどしていけば良いのではないでしょうか。

マーケティングとマネジメントとはほぼ経営の全てです。
経営のすべてを誰か1人に委ねるということは、ほぼ医院を明け渡してるのと同じです。
あまりに1人に権限が集中するために裏切りや不正が発生しやすくなるということだと私は思います。

そして、院長自身がマーケティングとマネジメントをしっかりできないのに誰かに任せれば、教えることも、管理することもできないので目が行き届かなくなり、育たないし、育ったとしても不正が発生しやすいのだと思います。

回答者プロフィール

岩渕 龍正
岩渕 龍正
歯科医院地域一番実践会 代表
歯科医院の移転、リニューアルの際の図面作成には絶対の自信を持つ。
現在は、年間医業収入1億円以上の医院が3億円を目指すための仕組みづくり、組織作りに力を入れている。
歯科界での突出した実績は歯科業界以外からも注目を浴びている。
近年は夫婦で医院経営も家庭も成功させる「夫婦経営成功」にも力を入れている。

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