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1. ご相談内容:56歳での店舗拡大(1階への拡張)と資金留保・地域特有の閉院傾向について
医院拡大について相談したいです。
自分の医院は1階がコンビニで、2階が医院です。
場所的にはかなり良いほうだと思います。
ユニットも足りなくなってきてるので、2階だけでなく1階まで拡大しようかどうしようか悩んでます。
今、自分は56歳なので、年齢的には守りの方がいいですが、医院にお金を残すのか、個人にお金を残すのか?
自分の地域は計画的倒産をしてる医院が多いような感じがします。
どうしてかわかりますか?
数値としては、月の新患数が30人前後、チェア台数は7台で、月間1500万前後です。
2. 岩渕の回答:年齢的リスクと医療法人の現実的な出口戦略
私の中では、勝負する年齢は50歳が限界かなと思っています。
多くの場合、65歳ぐらいが頑張れる限界値に近いと思います。
2-1. 勝負の限界は50歳:56歳からの1億円投資と継承リスク
そうなると50歳で大きな借り入れをして15年で返済する。
それぐらいの時間軸で考えると、50歳までであれば、移転や拡大などの勝負に出るのはありだと思いますが、今回のケースでは院長先生が56歳ということなので、65歳まで10年もありません。
また、56歳から、病気などのリスクも上がるため、お子さんへの継承を考える際にも、返済途中で何千万も借り入れがある状態で息子が継がないといけないという状態になると、お子さんから恨まれる可能性も高いです。
それと、今回のケースでは、新患数も30人前後で、月間医業収入も1500万前後ということなので、そこまで拡張しないといけない理由がないかなと思います。
最近の円安状況下では、1階のコンビニを歯科医院にして機材を入れたら1億ぐらいかかる可能性が十分、考えられます。もちろん、医院が1階に拡張することで、より視認性が上がり、新患数がさらに増える可能性は十分にありえます。
しかし、それでも、無理に1階に拡張する必要はないかなと思います。
それよりは、年齢的なことを考えるとリスクのほうが高いのではないかなと思います。
ですので、今回のケースでは無理に拡大せず、今のチェア7台の体制で更に自費率を高めるなどの方向で医業収入を上げる、体力が落ちてきたら医業収入をキープできるようにしたほうがいいのではないかと思います。

2-2. 医院にお金を残すか、個人に残すか?(2つの回収手段と税金)
次に、医院にお金を残すのか、個人にお金を残すのか?
ですが、それは医院にお金を残した後に、個人に戻す手段があれば医院にお金を残したほうがいいでしょうし、それがないのであれば、個人にお金を残したほうがいいかと思います。
個人に戻す手段とは、主に以下の2つになるかと思います。
(1)医療法人の持ち分を売却する
持ち分ありの医療法人でないと、これはできません。
また、医院を買ってくれるファンド、医療法人、勤務医などがいないと売却ができません。
また、法人にお金が残ってるからといって、そのお金を高く評価してくれるとは限らないので、法人に残すことはリスクがあるかもしれないですね。
(2)退職金で理事長に支払う
退職金を支払うためには、医療法人である必要があり、計算式としては以下のようになります。
退職金として支払える金額=理事長としての在任年数×最終報酬月額×貢献度(だいたいMAX3.0)
となるので、これ以上の金額は退職金として出せないので、それ以上の金額を法人に蓄えておいても、あまり意味はないのかもしれません。
ただ、個人にお金を残すとなると、最高税率が適用される可能性が高く、効率が悪くなります。
出口戦略によって、変わってきますので、そこらへんは詳しい税理士の先生にも相談されてみることをお勧めします。
2-3. 99%の歯科医院は売却できない:計画的閉院の真実
最後に「自分の地域は計画的倒産をしてる医院が多いような感じがします」とのことですが、これは上記と関係しているのではないかと予想します。
もちろん、詳細が分からないので何とも言えないですが、医院や法人にお金を残して医療法人を廃止すると、残ってるお金と資産が国に没収されてしまうので、国に取られるぐらいなら、最後まで自分に給料を払って、売れるものはすべて売り払って計画的に倒産しようと考えるからではないかと思います。
大半の歯科医院は最後に売却しようと思っても、買いたい人が誰もいないというのが現実です。
プロ野球選手と一緒だと思います。
最後に引退試合をして、引退セレモニーをしてもらえる選手なんて、本当に一握りのスター選手だけで、その他99%の選手はひっそりと誰にも知られずにクビ宣告をされて、寂しく引退していくのです。
それと同じで、最後にファンドや大手医療法人、勤務医に売却できて華々しく歯科医院経営の有終の美を迎えられるのは1%行かないと思います。99%の歯科医院は誰にも売却できず、ひっそりと閉院していくのです。

2-4. まとめ:無謀な勝負を避け、残された時間を賢く経営する
それは計画倒産というよりは、計画的に誰にも迷惑をかけずに最後ゼロで終われるようにするという閉院の計画なのではないでしょうか。これから、多くの65歳以上の院長が直面する現実になるのではないかと思います。
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