歯科医院の採用に適性検査は必要か|面接では見抜けない3つのことと、正しい使い方

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皆さん、こんにちは!

歯科医院地域一番実践会の萩原直樹です。

面接では感じが良かったのに、3か月で辞めてしまった。

院長先生から、この話を本当によく聞きます。

採用にかけた広告費、面接の時間、教えた先輩スタッフの労力。そのすべてが消えて、また募集からやり直しになります。しかも残されたスタッフの空気は、確実に重くなります。

この記事では、歯科医院の採用で適性検査(採用テスト)が必要なのかを、公的データと現場の実感の両方から整理します。あわせて、使うと決めたときに失敗しないための進め方と、結果の読み方までお伝えします。

この記事でわかること

  • 歯科医院の規模で、早期離職がどれくらい起きているのか(公的データで確認します)
  • 面接だけでは見抜けない3つのこと
  • 適性検査で分かること・分からないこと
  • 歯科医院で適性検査を使うときの手順と、やってはいけない使い方
  • 結果の読み方(最初に見る3つの数字)

1. 数字で見る、歯科医院の採用の現実

従業員5〜29人の事業所では、大卒の半数が3年以内に辞めている

厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況」によると、令和4年3月に卒業した新規大学卒就職者の3年以内離職率は33.8%でした。ただしこれは全体の数字です。事業所の規模別に見ると、まったく違う景色が見えてきます。

  • 従業員1,000人以上 27.0%
  • 従業員100〜499人 33.9%
  • 従業員30〜99人 41.9%
  • 従業員5〜29人 52.0%
  • 従業員5人未満 57.5%

(出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」令和7年10月24日公表 https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00010.html )

ほとんどの歯科医院は、この5〜29人か5人未満に入ります。つまり2人に1人が3年以内に辞める規模で、私たちは採用をしているということです。

大企業と同じ感覚で「とりあえず採って、合わなければ仕方ない」とやっていると、医院は回りません。小さい組織ほど、1人の採用の当たり外れが、そのまま医院の空気と売上に直結します。

医療・福祉の離職者数は、全産業でいちばん多い

厚生労働省の令和7年雇用動向調査では、医療・福祉の離職率は14.3%、入職率は14.5%でした。1年間で1,200.2千人が離職し、1,215.2千人が入職しています。離職者数は、全産業の中でもっとも多い数字です(出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」令和8年8月31日公表 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/26-2/dl/gaikyou.pdf )。

人がまったくいないわけではありません。動いてはいるのです。問題は、動いた先が自院になるか、そして来てくれた人が残るかです。

歯科衛生士は過去最多。それでも採れない理由

就業している歯科衛生士は149,579人で、前回調査(令和4年末)から4,396人増え、調査開始以降もっとも多くなりました。この調査は2年に1度で、これが最新の数字です(出典:厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の結果」令和7年7月29日公表 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/24/dl/houdou.pdf )。

人数は増えています。それでも「応募が来ない」「来ても続かない」という医院が多いのは、人数の問題ではなく選び方と受け入れ方の問題になってきている、ということです。

2. 面接だけでは見抜けない3つのこと

20年以上、歯科医院の採用に関わってきて、面接という場には限界があるとはっきり感じています。理由は3つです。

(1)面接は、応募者が最も自分を良く見せる場

応募者は準備をして来ます。服装も、話し方も、志望動機も。それは悪いことではなく、当然のことです。

ただ、そこで見えるのは「準備された30分の姿」であって、忙しい診療室で3年働いたときの姿ではありません。第一印象が良いと、面接官はその印象を裏づける情報ばかり拾ってしまいます。

(2)経歴からは、行動の質が分からない

「前の医院で新人教育を担当していました」と聞くと、頼もしく感じます。でも、その役割で実際に何をして、何に困り、どう乗り越えたのかまでは、聞かないと分かりません。

役職や経験年数は、能力の証明ではありません。ここを掘り下げないまま採用して、「言われたことしかやらない」と後から嘆くケースを何度も見てきました。

(3)良い人材は、医院ごとに違う

これが一番大事なところです。

経験豊富で、技術も高く、前の医院ではエースだった方が、自院では力を発揮できないことがあります。理由は能力ではなく、医院の風土や、一緒に働く先輩との相性です。

チームで決めていく医院に、ひとりで判断して進めたい人が入ると、お互いに苦しくなります。逆に、スピード重視の医院に、全員の納得を待ちたい人が入っても同じです。どちらが悪いわけでもありません。合わなかっただけです。

ところが面接では、この「合う・合わない」がいちばん見えません。履歴書にも書いていませんし、本人も自覚していないことが多いからです。

3. 適性検査で分かること・分からないこと

適性検査は万能ではありません。使う前に、何が分かって何が分からないのかを、はっきりさせておく必要があります。

分かること

  • その人の特性(協調性、行動力、ストレス耐性、こだわりの強さなど)
  • 医院との相性(すでに働いているスタッフの平均と、どれくらい近いか)
  • リスクの傾向(離職、苦情、メンタル面の不調などが起きやすいか)
  • どう関わるとよいか(褒め方、任せ方、注意の仕方)
  • 正直に答えているか(似た質問への答えの一貫性から判定します)

分からないこと

  • 技術の巧拙(スケーリングの腕は検査では測れません)
  • その人の将来(人は変わります。検査は今の傾向を映すだけです)
  • 採用すべきかどうかの最終判断(決めるのは院長先生です)

ここを取り違えて、「検査の点数が低いから不採用」とやってしまうと、良い人を取り逃がします。適性検査は合否を決める道具ではなく、面接の精度を上げる道具です。

4. 歯科医院で適性検査を使うときの手順

実際にうまく回っている医院は、だいたい次の順番で使っています。

手順1 今いるスタッフに、先に受けてもらう

いきなり応募者に受けさせても、比べる相手がいません。まず院長先生・チーフ・主要スタッフの3〜5名に受けてもらってください。これで自院の平均ができ、「うちに合うかどうか」が判定できるようになります。

長く働いて活躍している方を含めるのがポイントです。その人たちの傾向が、自院の理想像になります。

手順2 面接の前に、応募者に受けてもらう

応募の連絡が来たら、日程調整と一緒に案内します。面接の後ではなく、前です。結果を見てから面接に臨むと、聞くべきことが決まった状態で座れます。

案内するときは「テスト」と言わないほうが、正直に答えてもらえます。「入職後の配置や教育担当を考えるためのアンケートです」と伝えると、身構えられずに済みます。

手順3 結果を見て、質問を決めてから面接する

結果で気になった点を、面接で事実として確かめます。たとえば「ストレス耐性が低い」と出たなら、「これまでで一番大変だった時期に、どう対処しましたか」と聞きます。

深掘りの型は「事実 → 行動 → 結果 → 学び」です。いつ、どんな場面で、あなたは何をして、どうなって、次はどうするか。主語が「私」で語られるか、失敗も隠さず話せるかを見ます。

手順4 合否は3つの目で決める

面接での印象、検査の結果、そして今いるスタッフとの相性。この3つがそろって、はじめて判断できます。

検査の結果が「推奨」でも、配属予定の部署のチーフと相性が悪ければ、見送るか配属を変える。この判断ができるようになるのが、適性検査を入れる一番の価値です。

手順5 入職後の受け入れに使う

採用して終わりにしないでください。結果をもとに相性の良い教育担当を決め、その人に「この新人にはこういう言い方をしてほしい」と伝える。ここまでやって、やっと投資が回収できます。

5. やってはいけない使い方

失敗する医院には、共通点があります。

  • 結果だけで合否を決める。面接をしない、話を聞かない。これでは何のために人を呼んだのか分かりません。
  • 本人に結果をそのまま見せる。「あなたはストレスに弱いと出ています」と伝えても、傷つけるだけです。院長先生と幹部が準備に使う資料だと考えてください。
  • スタッフの陰口の材料にする。「あの子は検査でこうだった」が広まると、医院の空気が壊れます。
  • 一度きりで終わらせる。人には人生の変化があります。結婚、出産、家族の介護。傾向は変わります。在籍スタッフは年に1度受け直すのがおすすめです。

6. 結果は「3つの数字」から読む

検査結果は情報量が多いので、最初はこの3つだけ見てください。

  • 組織との合致度…医院の平均とどれくらい近いか。高いほど、今のチームになじみやすい傾向です。
  • リスク項目…離職、苦情、不注意によるミスなど。数字の大きい上位2つだけを覚えて面接に臨みます。
  • 信頼係数…正直に答えているかの目安。低いときは、結果を参考程度にとどめて、面接での事実確認を優先します。

それ以外は、気になったときに見れば十分です。前日に5分、この3つとAIが出した質問に目を通しておく。それだけで面接の中身が変わります。

7. よくあるご質問

Q. 応募者に「検査がある」と伝えると、辞退されませんか?

伝え方しだいです。「ふるいにかけるため」と受け取られると辞退につながります。「入職後に力を発揮していただける配置を考えるため」と目的を伝えると、むしろ丁寧な医院だと受け取られます。実際、案内の文面を変えただけで辞退がなくなった医院があります。

Q. 何名から使えますか。費用はどれくらいですか。

1名から使えるものを選んでください。採用は年に数名という医院がほとんどですから、月額の固定費がかかる仕組みだと続きません。当会の適性検査FIRSTは1検査3,000円(税抜)、初期費用も月額固定費もありません。

Q. 中途採用でも意味がありますか?

むしろ中途のほうが効きます。経験者は「できる」ことが前提になるぶん、合わなかったときの落差が大きいからです。前の医院のやり方が染みついている方ほど、相性の確認が要ります。

Q. 今いるスタッフに受けてもらうとき、嫌がられませんか?

目的を先に伝えてください。「評価のためではなく、お互いの関わり方を良くするため」「配置と教育担当を考えるため」と説明し、院長先生が最初に受けること。これで受け止め方がまったく変わります。

Q. 結果の見方が分かりません。

最初は誰でもそうです。当会では、結果の読み方の無料相談をお受けしています。1件分の結果を一緒に見るだけで、次からご自身で読めるようになります。

8. 歯科医院特化型の適性検査「FIRST」

私たち歯科医院地域一番実践会では、歯科医院のために作った適性検査「FIRST(ファースト)」をご用意しています。

スマートフォンで約10分、結果は数分で出ます。個人の特性だけでなく、今いるスタッフとの相性まで見られるところが、一般的な適性検査との違いです。さらに、AIがその方専用の面接で聞くべき質問と、入職後の接し方・育て方まで出します。

1名から・1検査3,000円(税抜)、月末締め・翌月にご請求します。初期費用や月額固定費はありません。

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まとめ

  • 従業員5〜29人の事業所では、大卒の52.0%が3年以内に辞めている。歯科医院はこの規模に入る
  • 面接で見抜けないのは「準備された姿」「行動の質」「自院との相性」の3つ
  • 適性検査は合否を決める道具ではなく、面接の精度を上げる道具
  • 先に今いるスタッフが受け、応募者は面接の前に受ける。この順番を守る
  • 結果は「合致度・リスク上位2つ・信頼係数」の3つから読む
  • 採用して終わりにせず、相性の良い教育担当を決めるところまで使う

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出典一覧

  • 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」令和7年10月24日公表 https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00010.html
  • 厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」令和8年8月31日公表 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/26-2/dl/gaikyou.pdf
  • 厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の結果」令和7年7月29日公表 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/24/dl/houdou.pdf

投稿者

地域一番チーフディレクター 萩原 直樹
地域一番チーフディレクター 萩原 直樹
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