少子化時代の人材不足を勝ち抜く!「条件競争」の罠と、真に強い組織の作り方

歯科医院経営ブログ

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こんにちは!

歯科医院地域一番実践会の萩原直樹です。
最近、多くの院長先生からご相談いただくのが「とにかく人が採用できない」「求人を出しても応募がゼロ」「やっと採用できてもすぐに辞めてしまう」という、スタッフ採用に関する深刻なお悩みです。

これからの少子化社会において、これまでのような「人が辞めたら、また新しい人を採用すればいい」という経営モデルは完全に崩壊します。

今回は今後の歯科医院経営において絶対に避けるべき「人材獲得における条件競争の罠」と、「既存スタッフ育成の圧倒的なコスト優位性」、そして「自費診療とメンテナンスの正しい関係」について、厳しい現実を交えながらお話ししていきたいと思います。

少子化がもたらす絶望的な採用難と「条件競争」の罠

日本の少子化は、皆様が想像している以上のスピードで進行しています。
特に歯科衛生士や歯科助手となる若い世代の絶対数は減少の一途を辿っており、数少ない人材を全国の歯科医院、さらには他業種で奪い合う「超・売り手市場」が定着しています。

参照URL: 令和6年人口動態統計(概数)の概況(PDF形式)

この状況下で、多くの医院が陥りがちなのが給与や待遇(条件)だけを引き上げて採用しようとする罠です。

確かに、相場に合わせた適正な給与設定は必要です。しかし、条件面だけを前面に押し出して採用したスタッフは、さらに良い条件の医院があれば、いとも簡単にそちらへ移っていくという残酷な現実があります。

月給を1万円、2万円と高く設定して何とか採用できたとしても、隣町に月給がさらに3万円高いクリニックができれば、あっさりと辞めてしまうのです。

この条件競争に乗ってしまうと、医院全体の生産性や売上が上がっていないにもかかわらず、人件費だけが際限なく膨張していくという恐ろしい負の連鎖に陥ります。
利益を圧迫された結果、とにかく売上をカバーしなければと焦り、スタッフの負担が増え、さらに離職が進む……という悪循環です。

利益補填のための「盲目的な分院展開」は身を滅ぼす

人件費の高騰と採用難による利益率の低下をカバーするため、あるいは見かけの売上規模(スケール)を追うために、安易に「分院展開」へ走るケースも見受けられます。

「本院の利益が薄くなってきたから、分院を出して全体の利益額を確保しよう」という発想です。

しかし、これは非常に危険なギャンブルです。本院ですらスタッフが定着せず、マネジメントが機能していない状態、つまり穴の空いたバケツ状態で分院を展開しても、人材不足とマネジメント崩壊の現場を2つに増やすだけだからです。

各院に院長(分院長)やスタッフを配置し、教育し、定着させるコストは、本院単体の時とは比較にならないほど跳ね上がります。結果的に、あちこちで分院を展開したものの、どの医院も人材不足で空き枠を増やさざるを得ず、利益を出すどころか赤字を垂れ流す原因になってしまうのです。

「新しい世代の採用・教育」より「既存スタッフの育成」が圧倒的に低コストである理由

では、この時代をどう生き抜けばよいのでしょうか。

答えは非常にシンプルです。
「今いる既存のスタッフを徹底的に大切にし、育て上げること」です。

新しい人材を採用して戦力にするまでには、莫大なコストと労力がかかります。

  • 採用コスト: 求人広告費、人材紹介会社への紹介料(数十万〜百万円単位)

  • 教育コスト: 院長や先輩スタッフが指導に割く時間(その間の生産性低下)

  • リスク: せっかく数ヶ月かけて仕事を教えたのに、試用期間で辞められてしまうリスク

これらを総合すると、新人1人を一人前に育てるためのコストは、軽く数百万円にのぼります。

一方で、今すでに医院の理念を理解し、診療の流れを把握している「既存スタッフ」の定着率を上げ、スキルアップに投資するコストはどうでしょうか?

定期的な面談を実施し、評価制度を整え、外部のセミナー費用を医院で負担し、やりがいを持たせるための環境整備を行う。これらにかかるコストは、新規採用とゼロからの教育にかかるコストに比べれば、圧倒的に安く済みます。

新しい世代を次々と採用して教育(消費)し続けるモデルから、今いる人材の価値、LTV=ライフタイムバリューを最大化するモデルへシフトしなければ、今後の医院経営は成り立ちません。

TC主導の「自費クロージング」の落とし穴

人材問題と密接に絡むのが、医院のビジネスモデルの問題です。

最近、経営を安定させるためにTC(トリートメントコーディネーター)やカウンセラーを導入し、自費診療(インプラント、矯正、審美など)の成約率をどんどん上げる仕組みを構築している医院が増えています。

それ自体は素晴らしい取り組みです。
しかし、自費の契約は決まるが、その後のメンテナンス(予防管理)の体制が全く整っていないという医院が散見され、これが非常に大きな問題となっています。

高額な自費診療の費用を支払ってくださった患者様は、単に歯が入って終わりとは思っていません。その歯を長く、健康に保つための長期的な管理(メンテナンス)を医院に期待しています。

しかし、肝心の歯科衛生士が定着しておらず、メンテナンスの予約枠がない、あるいは毎回担当者がコロコロ変わるような手入れができない状態ではどうなるでしょうか。

  1. 患者様の不満増大: 「高いお金を払ったのに、その後のケアが雑だ」と不信感を抱かれます。

  2. 予後の悪化: 適切な手入れ(プロフェッショナルケア)ができないため、せっかくの自費補綴物やインプラントのトラブルが頻発します。

  3. 悪評の拡散: 長期的な信頼関係が築けず、地域の口コミが悪化し、新規の患者様も来なくなります。

つまり、売上(自費成約)を作る仕組みだけが先行し、患者様を長期管理する仕組み(衛生士によるメンテナンス)が欠如していると、一時的な売上は上がっても、数年後には患者様からの信頼を完全に失い、経営が立ち行かなくなってしまうのです。

これからの歯科医院経営は「人材農耕型」へシフトせよ

少子化による慢性的な人材不足の時代において、歯科医院経営の勝敗を分けるのは以下の3点です。

  • 無意味な「条件競争」から降りること。

  • 新規採用よりも「既存スタッフの育成と定着」に圧倒的な時間とコストをかけること。

  • 自費の「売り切り」ではなく、衛生士を中心とした「長期的なメンテナンス管理」の体制を確固たるものにすること。

常に新しいスタッフや新規の患者様を追い求める「狩猟型」の経営は、もはや限界を迎えています。

今いるスタッフを大切に育て、今来てくれている患者様と長く深く付き合っていく「農耕型」の経営こそが、これからの時代に最も強靭で、結果的に最も利益を生むモデルなのです。

先生の医院では、既存のスタッフが「ここで長く働きたい、成長したい」と思える環境が整っていますか?

高額な自費診療に見合うだけの、徹底した長期メンテナンス体制は構築できていますか?

もし、「頭ではわかっているが、何から手をつけていいかわからない」「日々の診療に追われて組織改革まで手が回らない」とお悩みでしたら、ぜひ一度ご相談ください。
現状の課題を整理し、先生の医院に最適な「強靭な組織づくり」のステップを一緒に構築してまいりましょう。

【コンサルタントへの無料相談はこちらから】

※医院ごとの現状に合わせた組織診断を実施しております。お気軽にお問い合わせください。

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