自費の価格設定を再検討する重要性

労務・人事評価・採用

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皆さんこんにちは!
歯科医院地域一番実践会コンサルタントの渡邊です。

先日の日経新聞の記事で最低賃金に関して全国平均が1000円を
上回ったという記事が出ていました。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA253YY0V20C23A7000000/

私の前回のブログでも採用・定着の重要性をお伝えさせて頂きましたが、
インフレ目標と賃金の上昇を目指している政府の方針を見ましても、
より一層良い人材を採用するために賃金相場は高まっていく流れは
加速していくように感じます。
https://www.consuldent.jp/blog/16049/

歯科医院においては、他の企業で商品・サービスにあたる部分において、
機械化が難しく人に頼らざるを得ない業界だと言えます。
つまり人(治療技術)が商品に該当するため、
たくさんの患者様に対応していくことは物理的な限界があるということです。

例えば、ペットボトルなどの飲料水は機械化によって大量生産が可能です。
また現場のサービスに関しましても、
飲食店では配膳ロボット、スーパーではセルフレジなどの導入によって、
人が関わる業務範囲を制限していくことで効率化と
人件費の抑制を行う取組がどんどん進んでいます。

歯科医院でも自動精算機の導入や電子カルテ化など、
業務負担の軽減を行う取組を進めていくことで少ない人員でも対応出来る
体制を整えていくことが非常に重要になってきています。

しかし、商品・サービスにあたる治療の部分を
機械化していくことはまだ難しいのではないかと思っています。

そのため、良い人材を採用し治療技術の向上を教育していくことで
より多くの患者様に対応出来る診療体制を築いていくということが
非常に重要になってくることは間違いありません。

自費の価格設定

今後優秀な人材を確保していくためには、
上記の取組に加えて、自費の価格設定をどうするか
という視点は非常に重要なポイントになってくると思います。

良い治療を行うためには、
良い人材を採用し、
教育費をかけて技術研鑽をし、
良い材料を使って、
時間をかけて治療を行っていく
このように手間暇をかけて丁寧に
治療を進められている先生も多いと思います。

それにも関わらず、
自費の価格設定に関しては以前決めたまま、
長い間改訂されていないという医院さんも
意外にも多いのではないでしょうか。

今の物価高や人件費の高騰を考えますと、
良い治療の提供を維持していくためには、
その体制を維持するための価格設定を行う
視点は非常に重要なポイントだと考えております。

そこで歯科医院で自費の値上げを実現するための
ポイントを整理いたしました。

自費の値上げを検討するためのポイント

1. 説明をしっかりと行うことが出来るかどうか

TCの体制を整えて、患者さんに対してなぜうちの医院ではその値段なのか、
わかりやすく説明することが大切です。
歯科医院では、なぜその治療が素晴らしいのかということは、
伝えずに理解してもらえることはほとんどありません。

先生の治療のこだわりや技術をHP、カウンセリング、症例集、
Google口コミなどで広報をしていくことがポイントです。

2. 相場を調査する

近隣の他医院の料金を調査していくことは重要です。あまりにも他の医院との差が
出てしまいますと自費を希望する患者様が他医院に取られてしまう可能性がございます。

その地域の人件費や家賃相場、物価などの相場にあわせて、
自費の金額を設定していくことが重要です。

3. 技術や対応レベルを向上させることが出来るか

自費の価格を値上げする上で、治療に対するこだわりを作っていくことや、
治療技術、対応レベルの向上をしていく観点は非常に重要です。

財務諸表の教育費の部分を見て頂けると、
どの程度取り組めているかが確認が出来ると思います。

患者様に値上げを理解してもらうためには?

値上げを検討するタイミングとしましては、
アポイントが埋まってしまい予約の待ち期間が
1ヶ月以上になっているかどうか
ということは1つの目安だと考えております。

一方で物価高、コロナ明け後の消費意欲の高まりなどにより、
家計の予算の再分配が起きています。

つまり、必要なものにはお金を使い、
節約したいものにはお金を使いたくないということです。

歯科の補綴物の自費の値上げをしても
選んでもらえるようにするための重要なポイントとしましては、
やはり前提として治療技術の向上を医院全体で目指すこと、
そしてその治療のこだわりをTCの育成を通して伝えていくこと、
今まで以上に患者さんとの信頼関係を構築していくという観点が、
非常に重要になってまいります。

そう考えますと良い人材を採用していくこと、
教育を継続して行っていくことの重要性は今後ますます高まっていきます。

ぜひ、財務諸表などを見返して頂き、
変動費率や人件費率、教育費の割合などを
振り返っていただき、改善出来る点があれば、
今のタイミングから改善を進めていくことをオススメ致します。

良い治療をしたいと技術研鑽のための技術系セミナーに参加し、
良い材料を使い、診療時間を伸ばして対応をしていく一方で、
その価格を自費に転換出来なければ、スタッフの給与水準を
あげることが出来ずに優秀な人材を失うということも考えられます。

経営において値決めは重要とは良く言われます。

歯科医院においては、自費金額や診療時間を
どのように設定するかということです。

このことは先生が作っていきたい医院をつくれるかどうかにおいて
非常に重要な視点だと思います。

投稿者プロフィール

渡邉 健二
渡邉 健二
早稲田大学卒業後、大手求人広告会社に新卒入社。
8年間の在籍中に2000社を超えるクライアントを担当。採用のノウハウを学ぶ。
社内ではセールスとマネジメントの異なる分野でMVPを受賞。また、育成したメンバーから全社MVPを輩出。人の強みを活かす育成・プロジェクト運営を軸に、成果を出している。
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