超人口減少社会で求められる歯科医院のマネジメント

スタッフ教育

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皆さんこんにちは。
歯科医院地域一番実践会のコンサルタントの渡邊です。

今年に入り厚生労働省が発表した2022年の人口の増減は78万人のマイナスで、
過去最大の減少となったというニュースに大きな衝撃を受けました。
https://toyokeizai.net/articles/-/655963

1つの県の人口の数と同程度の人口が1年間で減ってしまっていることで、
今までとは異なる考え方で対応していく必要性を感じております。

弊社のセミナーでも良くお伝えする“ゆでガエル理論”のように、
危機が迫っているにも関わらず、ゆるやかに進む環境変化に気づかず、
気づいた時には手遅れだったという状態にならないように
準備をしていくことがポイントになってくると思います。

私がこのニュースを見て特に気をつけたいと感じた点は、
集患以上に採用・定着の面です。

採用・定着が難しくなる要因とは?

人口減によって全体の患者数は減ってしまいますが、
口腔内の意識を高めていくことによってその来院頻度を
今以上に高めることは出来ると考えております。

また、歯科医院の数はこの10年と長いスパンで見ると減少傾向となっており、
6万8000件を下回ってきていますし、高齢の歯科医師の方も増えてきているため、
人口10万人あたりの歯科医師数も長期的に見ると減少していきます。

つまり、今まで同様、地域一番の歯科医院を目指していくことで、
1医院、歯科医師1人あたりの患者数を増やしていける可能性は
十分にあると考えております。

一方で、非常に心配な点が人の採用・定着の問題です。

2023年4月28日に公表されているハローワークの有効求人倍率を見てみますと、
業界によって大きく差が出ています。

有効求人倍率は高いほど採用が難しいという1つの指標となります。

まず、注目したいのがこのコロナ禍であっても、
その間中有効求人倍率が1倍を下回らなかったという点です。

1倍を下回らないということは1人に対して1社以上求人がある状態であり、
求職者が選べる状態にあるということです。

注意しなくてはいけない点は、
業界によっても大きく二極化してきているという点です。

一般事務など0.35倍と非常に採用しやすい職種もあれば、
建築や土木などの職種は5倍~6倍と採用が難しい状況があります。

そして、歯科助手が含まれている保健医療サービスの業界も
今年に入って、2.74倍から3.15倍まで高まってきているのです。

その詳細を見てみますと、
求人数が増えたことで採用が難しくなっているというよりは、
建築・土木以上に保健医療サービスの業界で働きたいという
求職者数が少ないという現状が見えてきました。

歯科医師、歯科衛生士の有効求人倍率が高い状態に加えて、
歯科助手の採用も劇的に難しくなっているのです。

このままの状態が続くと、
患者様は来てくださるが対応するスタッフが不足していく
という状態が加速していく医院も多く出てきてしまうのでは
ないでしょうか。

いかに歯科医院で働きたいという方を増やしていけるか、
これは歯科業界全体の課題だと感じております。

他の業界との比較

歯科業界で働こうと決意されている歯科医師・歯科衛生士の方と比べて、
歯科助手の採用候補となる方は他の業界と比較して働く職場を決めていきます。

そのような視点で考えますと、
下記のような歯科業界の状況をいかに打開し、
他の業界以上に魅力を高めていくことが出来るかという点が
ポイントになってくると考えております。

・専門用語など覚えることが多くて難しい
・アシストについた時のミスが出来ないというプレッシャー
・拘束時間が長いと感じる
・帰り時間が遅くなってしまう時がある
・休憩時間の担保が難しい時がある
・キャリアアップのイメージを持ちづらい

魅力的な職場づくりのための取組みが必要

このような状況を打開していくことは出来ないのでしょうか?
私は、院長先生、スタッフの皆さんが協力して
下記のような取組を行っていくことで
打開していくことが出来ると考えております。

・マニュアルの整備(携帯などでも共有出来るサービスを活用)
・自動精算機や自動決済システム、サブカルテの電子化など業務の簡略化
・電話代行サービスの活用による業務負荷軽減
・教育担当者、幹部スタッフの育成機会(幹部育成セミナーの受講など)
・教育制度、教育体制の構築
・職場内の良好な人間関係構築
・コミュニケーションの場の設計(面談、MTGなど)
・採用のためのSNS発信
・医業収入アップ、診療効率アップの各種取組
・診療終了時間の前倒し
・休憩時間の確保
・人事評価制度の構築
・キャリアプランの明示

このような取組みは既に多くの医院さんで取組まれています。

最近、Z世代と呼ばれる新卒の方と面談をしていますと、
感覚値で8割から9割程度の方が入社前に
instagramを検索し、働きやすい人間関係や
環境を求めています。

また、今は昔に比べてSNSや口コミなど、
多様な情報を発信しやすい環境となっています。

そのため、良い環境をつくれた医院さんは
より多くのスタッフさんを採用出来る
可能性が高まっていきます。

今回のブログをきっかけに、
先生の医院で採用定着のための取組を
強化していくきっかけになれば嬉しく思います。

先生と一緒に、医院の取組みを考えてくださる、
中堅スタッフ、幹部スタッフの育成をお考えでしたら、
スーパースタッフセミナーの参加もご検討ください。

 

投稿者プロフィール

渡邉 健二
渡邉 健二
早稲田大学卒業後、大手求人広告会社に新卒入社。
8年間の在籍中に2000社を超えるクライアントを担当。採用のノウハウを学ぶ。
社内ではセールスとマネジメントの異なる分野でMVPを受賞。また、育成したメンバーから全社MVPを輩出。人の強みを活かす育成・プロジェクト運営を軸に、成果を出している。
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