新患を抑制しつつ、医業収入を伸ばす方法

自費率とリコール率

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こんにちは。歯科医院地域一番実践会 経営コンサルタントの山ノ内です。

医院の成果が出てくると、医院のキャパシティー(拡張性)、診療スタイルの問題でぶつかってしまう壁だと思います。私がお伺いしている医院さんでもこの壁に衝突してしまうことがよくあります。

「医業収入は上げたいけれど、新患はこれ以上診れない」

「医業収入は上げたいけれど、これ以上患者数を増やしたら治療の質が落ちそう」

このテーマのページを見ているという方も同じような悩み・ジレンマを抱えているのではないでしょうか。心当たりがある人は何かの糸口になるかもしれませんので、ぜひ、最後までご覧ください。

 

まずは、現状確認!新患を抑制する前に確認したもらいたいこと!

まず、新患を抑制する前に確認してもらいたいことがいくつかあります。

ユニットがフル活用されているかどうか

・ユニットの稼働率が85%以上かどうか

・アポイントルールは明確かどうか

基本的なことですが、人材が揃いながら、ユニットをフル活用してない状態で新患抑制をするのはお勧めしません。

また、スタッフさんから言われて、状況を精査しないうちに、抑制に走ってしまうケースもあるかと思います。それはちょっと危険なので、来院回転率(1回の患者さんが月に訪問できる回数)が1.7以下でない状態で抑制も少し早計かと思います。

アポイント枠は短縮できないかどうか

・Dr枠は?DH枠は?時間短縮出来ないかどうか

工夫や、新たな機器や機材、そして何より練習をすることで時間短縮が図れないかどうかを検討することが重要です。特に、練習をしてスピードアップを図ろうという考え方は最初に検討してほしい観点です。

少し話はそれますが、アポイント枠の時間短縮をすることの生産性UPはとても価値あることになります。というのも、45分枠から30分枠に短縮(スピードアップ1.5倍)は単純に生産性が1.5倍になるのではなく、短縮された分をそっくりそのまま患者が診れると仮定すると、利益で考えると5倍くらいの価値をもたらすことがあるのです。とても価値がありますよね。

イメージ図

 

そもそも、枠を増やせないかどうか

・ユニットは増やせない?

・Drは雇えないのか?

・診療の休み時間をなくし、枠を増やせないか?

新患抑制はこれらを吟味してから取り組むべき案件になるかと思います。

というのも、新患を抑制しつつ、医業収入を伸ばすということは、

ブレーキを踏みながら、アクセルを踏むこと」と同じようなことです。

負担がかかることなので、慎重に判断していきたいところです。

 

新患を抑制しつつ、医業収入を伸ばす=新患の“質”に拘る

ここではホームページに関する3つのポイントについて触れていきたいと思います。

1.専門性、権威性を高める

2.症例を入れる

3.ネット予約前のページ

一つずつ触れていきたいと思います。

1.専門性、権威性を高める

医科・歯科、ともに権威のあるところに人が集まりやすいです。

実際、自分の身になって考えて頂きたいのですが、何か重篤な疾患で手術が必要だった時、経験が少ない病院で治療を受けたいと思いますか?その疾患の専門性がないDrで治療を受けたいと思いますか?おそらく受けたい人はいないと思います。

費用がかかる、時間がかかる、負担が大きいものは尚更です。歯科で言えば、インプラント治療や矯正治療がまさに該当していると思います。

その時、ホームページを見て、専門性が確認できるかどうかを大きな違いですよね。

加えて、昨今、Googleは医療に関する内容を評価する時はE-A-Tを特に重要視すると言っています。このE-A-TはExpertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字をとったGoogleの造語です。この観点から言うと、ホームページにおいても権威性を高めることは非常に重要な点になります。

では、具体的にどういうことをするのか?

例えば、
・院長紹介ページに認定医、専門医となっているものを記載する
・院長紹介ページに「所属学会・スタディーグループ」を漏れなく記載する
・院長紹介ページに論文で名を連ねているものがあれば、記載する
・院長紹介ページに代表的な研修会な参加履歴などを記載する
・所属学会、連携病院と相互リンクする etc

これら基本の取り組みですが、漏れている先生も多いので、最近ホームページを見てないな、という先生はぜひ見直してみてください。

 

2.症例を入れる

続いては症例についてです。

先程の専門性、権威性を高める話をリンクするのですが、患者さんがホームページを見て専門性、権威性を感じてもらうには実際の症例が必要です。

医療広告ガイドラインに準拠した形で詳細に記載すれば、行政に指摘されることもないので、少し手間はかかりますが、成果に繋がる取り組みなのでお勧めします。

医療法における病院等の広告規制について↓↓↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index.html

3.ネット予約前ページ

まず、新患を制限するためにネット予約をやめる、やらない、これは避けた方がいいです。世の中の流れと逆行していますし、健康意識が高い方でネット予約する場合も往々にしてあります。ネット予約をしないこと自体が機会損失です。

ただ、予約しやすい分、簡単にキャンセルしたり、意識の低い人も予約するケースは確かにあります。

なので、健康意識の高い患者さん=質の良い患者さんという捉え方をするならば、外部のネット予約のページに飛ぶ前に医院のホームページに予約する上での注意点を記載する、「同意する」というチェックボックスを作ってもらい、チェックした人だけが外部の予約ページに進むようにした方が良いかと思います。

但し、この時の「お願い」ページの文章が長すぎると、文書を読まない人もおりますので適度な文章量(300~400字程度)が良いのではないかと思います。

(文章例)

(同意のチェックボックス例)

それでも新患の“質”が気になる、という状況であるなら、ネット予約できる内容も踏み込んでも良いかと思います。

例えば、
・インプラント治療
・矯正治療
・治療相談
・セカンドオピニオン

付加価値が高い治療に限局して、予約できる形にするのも一つの方法です。
その代わり、新患が減る可能性は高いです。

最後に

冒頭にもお伝えしたように「新患を抑制しつつ、医業収入を伸ばす」ということはブレーキを踏みながらアクセルを踏んでいるような状態です。何度も言うようですが、新患を抑制するということが本当に必要かどうかを色んな視点から考えて検討されることをお勧めします。

また、一人で悩まれて解決策が出てこないようなら、色んな方に積極的に相談をした方が良いかと思います。

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投稿者プロフィール

山ノ内 友哉
山ノ内 友哉
管理栄養士過程の大学を卒業。男性では少ない管理栄養士の資格を取得し、栄養学と関連の深い大手食品会社系列の製薬品会社に営業職として入社する。
前職の在籍期間は約8年間、700床以上の基幹病院にて医師・コメディカルを巻き込んだ 疾患教室の立ち上げ支援で医療従事者間の信頼関係構築の基礎を習得。その後、東京都内の私立大学病院を担当。そこで、自社製品の「現状」と「あるべき姿」を明確化し、そのギャップを埋める活動を週間単位で落とし、新製品で約95%のシェアを確立する。課題解決の原則を実践し、自らに落とし込む。その評価を受け、最も影響力のある東京大学医学部附属病院を担当。
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