歯科医院におけるマイクロマネジメントの有効性

スタッフ教育

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皆さんこんにちは!
経営戦略研究所のコンサルタントの渡邊です。

突然ですが、マイクロマネジメントという
言葉を聞かれたことはございますでしょうか。

マイクロマネジメントとは、スタッフの行動を細かく管理していき、
院長先生によってすべて指示を出していき、
スタッフはその指示通りに動くようなスタイルを言います。

基本的には医療において、
このマイクロマネジメントという考えは、
非常に重要だと私は考えております。

それは、医療の現場においては明確な指示の元、
ミスなく行動することが非常に大切だと考えるからです。

また、1日の診療枠が限られている中では、
アポイントをどのように取っていくか、
患者様の治療はどのように進めていくか、
という基準は医院全体で揃えておくことがとても重要です。

そのため、
誰がいつどのように動いていくのかということを明確にする
マイクロマネジメントはとても重要だと言えます。

マイクロマネジメントの注意点

しかし、実際には細かく管理をしようと思っても、
院長先生が治療に入られている場合には、
その全ての行動を管理することは現実的には出来ません。

そして細かい行動を管理しようとすればするほど、
思ったように動いてくれない、
出来ていない部分に焦点があたってしまうなど
非常にイライラすることに繋がります。

私はマイクロマネジメントには以下の3つの注意点
があると考えております。

1.スタッフのモチベーションの低下

細かく確認していこうと思えば思うほど出来ない点がより明確に見えていきます。
それを指摘し続けることで、モチベーションが下がってしまいます。

2.指示待ちスタッフの誕生

スタッフの自発的な言動が生まれにくい組織というのは、
そのTOPの方が良く気づき指示や命令を出していくスタイルの
マネジメントを行っているというケースが非常に多いです。

3.そもそも管理しきれない

私は前職時代、営業現場で行動数値目標をたてて
管理するというマネジメントを行っていました。

しかし実際には、営業に出てしまうとその営業が何件訪問してくれたか
というのは信頼関係によってしか確認が出来ません。

厳密にクライアントにすべて訪問したか確認するにしても、
営業用のチラシを渡した枚数をカウントするにしても
嘘をつかれてしまう、どこかに隠されてしまえばそれは意味をなしません。

GPSをつけるといった工夫ができれば良いですが、
その情報をしっかりとフィードバックとして
活かすにしても相当な時間がかかります。

また、歯科医院の場合はプレイングマネージャー
であることがほとんどで、管理を行うことは更に難しいです。

嘘をつく、ごまかすということが生まれてしまいますと、
嘘をついたほうもその罪悪感からか
コミュニケーションがうまくいかなくなり
反対にどんどん信頼関係が崩壊していきます。

このようにマイクロマネジメントは有効な側面がある一方で、
気をつけるべきデメリットもしっかりと把握しなくてはいけません。

マイクロマネジメントの効果は業界によって異なる!?

マイクロマネジメントが有効な業界というのは、
決められたルーティンをずっと行う、個人の能力に差が出にくいという場合、
徹底した行動管理をすることが有効な業界で活きると思います。

一昔前の製造業などはそのような業界であったと思います。
また、商品力が非常に強く誰がやっても売れるようなものは
その行動が非常に重要になってきます。

しかし、歯科医院においては1人あたりの力の差は大きく差が出ます。
患者様とのコミュニケーションを工夫することで、
自費率やリコール率といった結果に大きく差が出るため、
創意工夫などをしなくてはいけないという要素もございます。

そのような業界において、マイクロマネジメントを徹底していくと、
創意工夫が生まれずに、個人知を集団知として活かすことが出来ません。

歯科医院におけるマイクロマネジメントの有効活用

ではどのようにすれば、マイクロマネジメントの行動管理・品質管理の観点と、
自発性や創意工夫を促すことの両立が可能になるでしょうか?

以下のようなマネジメントが私は重要になってくると思います。

・医院の理念の共有
・信頼関係の構築
・医院全体の目標の共有
・プロジェクトチームの導入
・個人の目標、行動目標数値の設定
・その目標達成のサポート

医院の理念や目指す状態を共有し、信頼関係を築いていくことで、
医院のために取り組む重要性を感じてもらうことがまず重要です。

その上で医院の基準にあわせた各診療実績の数値の目安や、
プロジェクトの目標を設定していくことで、
判断基準を揃えていくことが出来ます。

そのことで判断基準を揃えておくことで、結果に関してはしっかりと
フィードバックが出来るように管理をしていくことが出来ます。

一方でそこに至るまでのプロセスは、
創意工夫を促していくことが出来ます。

そして、その目標達成に向けて、
サポートしていくというマネジメントスタイルを取ることで、
スタッフのモチベーションもアップさせていくことが出来ます。

つまり、マイクロマネジメントによって品質管理を行うことと、
相違工夫を促すことのバランスがとても大事だと私は考えております。

ある程度マイクロマネジメントの要素を用いながら目標の共有や設定を行い、
それぞれにあった柔軟なフィードバックなどのコミュニケーションスキルを磨き、
プロジェクト運営を導入していくことで従業員の自主性や協力性を
引き出すことで大きな成果に繋げていけると思います。

投稿者プロフィール

渡邉 健二
渡邉 健二
早稲田大学卒業後、大手求人広告会社に新卒入社。
8年間の在籍中に2000社を超えるクライアントを担当。採用のノウハウを学ぶ。
社内ではセールスとマネジメントの異なる分野でMVPを受賞。また、育成したメンバーから全社MVPを輩出。人の強みを活かす育成・プロジェクト運営を軸に、成果を出している。
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