自費の説明をするときに有効な3つのセリフ

自費率とリコール率

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こんにちは! 歯科医院地域一番実践会の五島です。

 

今年もじめじめする時期が近づいてきました(これを書いている日の天気は晴れなんですが・・・)。天然パーマの自分には髪のセットでしばらく難儀する季節です。

さて、今年も歯科医院スーパーTC育成塾 第14期の全3回がすべて無事終了しました。会場の定員には昨今の社会情勢によって制限がかけられていましたが、会場もオンラインも満席でした。次の開催は来年ですが、続きのTCアドバンスは8月にあります

TC育成塾は参加者の皆さんにいろいろな宿題を課しているのですが、今年はスマホで入力しやすいシステムにしました。なにせ20代女性の(ノート)パソコン所有率が30%程度ですから、スマホを中心にシステムは作ったほうがいいのは確かです。

長文入力にもそんなに抵抗がないようです。実は読書感想文の宿題は過去一番の出来だったと思います。宿題は小学校や中学校のようで書かされるようなものではなく、歯科診療の業務でどのように活用したかを中心に書いてもらっています。

課題図書を読んでから多くのTCが実際に試して効果アリと報告のあったセリフをここでいくつかご紹介しましょう。

【治療選択の説明前に】
・これまで銀歯などの被せ物や詰め物の説明は受けられたことありますか?

【セカンドコンサルや補綴コンサル時に口腔内をいっしょに確認しているときに】
・以前はどうして銀歯にしようと決められたのですか?

【補綴コンサルの説明を終えて、決断を確認する前に】
・これまでの説明を聞かれて、どうお感じになりましたか?

これら3つのセリフ(実際には質問)には共通点があります。それは患者さんの知識量・理解度を測っていることです。「これまでの治療の説明を受けたことがあるか」という質問については、「ない」という返事であれば「当院には全員にちゃんと説明する機会を設けている」ということを正当化するだけでなく、患者さんが「そういえば、ちゃんとした説明は受けたことがないな」と振り返ってもらい、「聞いてみるか」というモチベーションアップにもつながります。

他の質問も患者さん自身が知っていること・過去の説明を振り返ってもらえる効果があります。人間はどうしてもわかっている・知っているつもりになって、自分の知識量を過大評価する傾向があります(これを「説明深度の錯覚」と言ったりします)。わかっているつもりが実は勘違いだったということもあるでしょう。

特に患者さんにとっては難しい治療の説明や補綴物の決断には「ちゃんと理解できたどうか」を患者さん自身で振り返り、気づいてもらうことが有効です(「はいはい」と生返事しながら説明を聞く方もいますし・・・)。

TC育成塾の宿題レポートには実際に上記の質問をしてみて、患者さんからの質問・相談が増えて、その結果自費につながったという報告をいくつも受けています。簡単にできてそれほどリスクは高くありませんので、ぜひ明日からやってみてください。

[参考]
Kruger, J., & Dunning, D. (1999). Unskilled and unaware of it: How difficulties in recognizing one’s own incompetence lead to inflated self-assessments. Journal of Personality and Social Psychology, 77(6), 1121–1134. https://doi.org/10.1037/0022-3514.77.6.1121
Rozenblit L, Keil F. The misunderstood limits of folk science: an illusion of explanatory depth. Cogn Sci. 2002;26(5):521-562. doi:10.1207/s15516709cog2605_1

投稿者プロフィール

五島 光
五島 光
元関西の進学塾の先生で中学受験・高校受験生を指導。わかりやすい授業で人気を博す。コンサルティングでは、スタッフ数名から数十名のところまで個性的で幅広い歯科医院とじっくり向き合う。クライアント数は社内一。
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