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皆さん、こんにちは。
歯科医院地域一番実践会のコンサルタント、滝沢です。
「治療クレームの★1評価がついてしまった…」
「これは事実と違うのに、どう対応したらいいのか…」
「正しく説明したはずなのに、なぜこんな評価が出るのか…」
こうした治療クレームに関する悩みは、
院長先生であれば一度は直面したことがあるテーマではないでしょうか。
特に、治療内容に対するクレームほど、
「このまま誤解されたままでいいのだろうか」
「事実をきちんと伝えて、正しく理解してもらうべきではないか」
そんな気持ちが強く湧いてくるかと思います。
実際、私自身も院長先生からこの相談を受けたとき、
「そう思いますよね」と答えることがほとんどです。
むしろ、患者さんと真摯に向き合ってきた院長先生ほど、
そう感じるのは自然なことだと思います。
ただGoogle口コミという“場”においては、
その正しさが、必ずしも医院を守る結果につながるとは限りません。
実は、治療クレームに対して反論すると、
その瞬間に「未来の患者」を失ってしまう可能性が高まります。
一見すると逆説的に聞こえるかもしれませんが、
これは、実際に多くの口コミ対応を見てきて、
「そう受け取られてしまう場なんだ」と感じることが何度もあったからです。
この記事では、
・なぜ治療クレームへの「反論」が逆効果になりやすいのか
・口コミを読んでいる本当の相手は誰なのか
・医院の名誉を守りながら、未来の患者に選ばれる対応とは何か
この3つの視点を軸に、
院長先生が迷わず判断できる考え方を整理していきます。
「反論すべきか、飲み込むべきか」
そんな悩みを毎回抱えながら口コミ対応をするのではなく、
ブレない判断軸を持つこと。
この記事が、院長先生の判断の軸を少しでも整理する材料になればと思います。
なお、反論なしで回答するだけでなく、
同時に 良い口コミを着実に増やす仕組み作りを並行することが大切です。
こちらは過去記事で具体的なステップを紹介していますので、必要に応じてあわせてご覧ください。
過去記事:【実例あり】Google口コミで★4.7を実現する歯科医院の秘訣とは?
治療クレーム対応で起きやすい3つの誤解
まず最初に、治療クレーム対応に関して院長先生が陥りやすい誤解を整理します。
① 反論しない=泣き寝入りではない
「何も言わなければ間違った認識が放置されるのでは?」
と感じる方は多いです。
ただし、口コミ欄は事実関係を白黒つける場所ではありません。
ここで重要なのは、「第三者(未来の患者)」からどう見えるかです。
② 正論を伝えれば理解してもらえる
治療方針や医学的根拠を説明すれば、誤解は解けるのでは?
と考える院長先生もいます。
しかし、治療クレームは“感情(不安・痛み・期待とのギャップ)”が起点です。
患者の感情が強いほど、正論は逆効果になるケースがあります。
③ 名誉は反論で守れるわけではない
「名誉を守るには反論が必要」と思われがちですが、
口コミにおける“名誉”は、事実関係の説明ではなく
医院の対応姿勢に対する印象で評価されます。
口コミを読んでいるのは誰か
ここで一つ、視点を少し変えて考えてみてください。
院長先生が口コミ返信を書くとき、
つい“書いてきた患者本人”の理解を優先してしまいがちです。
ところが、実際にその口コミを読んでいるのは、
これから初めて来院を検討している未来の患者様です。
未来の患者さんが口コミを読むときに気にしているのは、
-
この医院は誠実に対応してくれそうか
-
トラブル時に高圧的でないか
-
安心して相談できそうか
という“医院の姿勢”です。
実際、口コミを読んで来院された患者さんからは、
「内容そのものより、返信の雰囲気が気になった」
という声を聞くことが少なくありません。
ここを理解していないと、どれだけ正しい反論でも
未来の患者に「相談しづらい医院」と映ってしまいます。
治療クレーム返信で守るべき4つの原則
では、どう対応すればよいのでしょうか。
治療クレームへの返信では、次の4つを守るだけで印象は大きく変わります。
① 事実関係の争いをしない
公開の場で事実の是非を論じるのは、
未来の患者には「議論している医院」と映ります。
② 感情(痛み・不安)に寄り添う
患者さんが口コミに書いたのは、“痛み・不安・違和感”という感情です。
まずはその感情に寄り添う言葉を最初に入れます。
③ 説明不足・配慮不足の可能性を認める
「説明が十分ではなかったかもしれない」という表現は、
反論ではなく《誠実さ》として受け取られます。
④ 公開の場では議論せず、個別対応へつなぐ
詳細なやり取りは公開の場では行わず、
「直接お話を伺いたい」へ誘導します。
【注意点】AI活用リスクと院長自身で書く意義
ここでは、ChatGPTを使う場合の注意点と使い方の前提を整理します。
■ AIを使うことのリスク(抜け落ちやすいポイント)
ただし、AIには以下のようなリスクもあります:
① 個人情報の誤入力
口コミには患者名等が含まれる場合がありますが、
AIにそのまま入力してしまうとプライバシーリスクになります。
必ず名前等を伏せて入力してください。
② 医療的断定表現が混ざる
AIは専門用語や断定表現を書いてしまうことがあり、
未来の患者には威圧的に映るケースがあります。
③ 文章のトーンが医院とズレる
AIは自動生成ですが、医院の“日常言葉”とズレると違和感が出ます。
院長自身で最終調整を行ってください。
■ “AI頼み”で本当に良いのか?
「AIで返信を出すのは、不誠実なのでは?」
「返信は自分が書くべきだ」と考える先生もいらっしゃいます。
その感覚は、とても大切だと思います。
AIは、先生の判断を置き換えるものではありません。
AIはあくまで、
✔ 未来の患者が安心できるトーンに落とす
✔ 不要な反論ニュアンスを排除する
✔ 文章を整える時間コストを下げる
ための補助ツールです。
最終的に投稿する文章は、
必ず院長自身の判断で語尾や言い回しを整えてください。
結果的に、そのやり方が医院の雰囲気を崩さずに済むケースが多いです。
【実践用】治療クレーム専用・ChatGPTプロンプト
以下はそのままコピーして使えるテンプレです:
あなたは歯科医院専門の口コミ返信ライターです。
以下の治療に関するクレーム口コミに対し、
反論や事実関係の主張は一切行わず、
読んだ「未来の患者」が安心できる誠実な返信文を作成してください。
【重視するポイント】
・医学的正論や専門的な反論は書かない
・患者様が不安や不信感を抱かれた「お気持ち」に寄り添う
・「説明や配慮が十分に伝わらなかった可能性があった」という表現に留める
・公開の場では詳細な議論をせず、個別対応へ丁寧につなぐ
・第三者が読んだときに「相談しやすそう」「誠実そう」と感じるトーンにする
口コミ:
(ここに口コミを貼り付け)
※補足
なお、ChatGPTは利用する環境やバージョンによって、
文章の表現やトーンに多少の違いが出ることがあります。
また、どれだけ精度の高いプロンプトでも、
医院ごとの考え方や言葉の癖までは完全に再現できません。
そのため、出力された文章はそのまま使うのではなく、
院長ご自身の言葉に置き換えたり、語尾を整えたうえで
投稿することを前提に活用してください。
【まとめ】反論しないことが最大の名誉防衛になる
治療クレームに反論すると、
守れるのは「過去の事実」だけです。
しかし、反論せず誠実さを示すことで、
守れるのは「未来の患者」です。
口コミ対応は単なるクレーム処理ではなく、
医院の姿勢・文化・人柄を可視化する行為でもあります。
ぜひ今回の考え方とツールを活用し、
未来の患者に選ばれる対応を積み重ねていきましょう。
Google口コミを増やす具体的な仕組みやスタッフへの落とし込み方法については
過去記事:【実例あり】Google口コミで★4.7を実現する歯科医院の秘訣とは?で詳しく解説しています。












