重要だけど忘れられがちな インプットとアウトプットのバランス

スタッフ教育

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皆さんこんにちは!

経営戦略研究所のコンサルタントの渡邊です。
突然ですが、皆さんはブログのテーマである、
インプットとアウトプットのバランスに関して
考えられたことはございますでしょうか?

実はこのインプットとアウトプットに対して
どのようにリーダーが考えているかということが、
マーケティング、マネジメントといった経営において、
非常に大切なポイントになってまいります。

例えば、初めて自転車に乗る時に、
全く何もインプットをせずに乗れる人は
ほとんどいません。

まずは、親や友達が乗っている姿を見て覚える、
どこにのって足はどのように置くようにアドバイスを受ける
目線や視線、足の動かし方なども教えてもらう、
出来たら褒めてもらいこれでいいんだと確信を持つ
このようなインプットがとても大切になってきます。

一方で、このようなインプットばかりで全く練習をしなくても
乗れるようにはなりません。

コロンビア大学の心理学者アーサー・ゲイツ博士の研究によりますと、
インプットとアウトプットの黄金比は3:7と言われています。

アウトプットによって、身体で覚えていくということが
“何かが出来るようになること”においては非常に重要です。

この自転車に乗るという例で考えると、しっくりくるのですが、
こと仕事となるとこの考えが吹き飛んでしまうことが多いです。

本日はこのインプットとアウトプットのバランスという
切り口で歯科医院経営を考えてみたいと思います。

インプットの重要性

皆さんの歯科医院ではインプットは足りていますでしょうか?

次の3つのシーンにおいてそれぞれ考えてみてください。

1. スタッフの新人教育
2. 新しい取り組みを導入する際

1. スタッフの新人教育

まず、スタッフの新人教育に関しては
教育カリキュラムやマニュアルの作成など
インプットの機会をしっかりと準備している
医院も多いのではないでしょうか。

全くの未経験の方が何か出来るようになるためには、
このインプットの量と質が非常に重要です。

特に質の部分は周りの環境に大きく影響されます。
適切なタイミングで適切な量のアドバイスをしていくことは
実際にやってみると非常に難しいです。

その1つの要因として、
今はアドバイスする時間などが非常に限られているということです。

ハラスメントやブラック企業といった社会的な問題が起こっている背景から
職場の上下間の人間関係は希薄になりがちです。

また、学校でも保護者との問題から先生も基本は優しく接するため
リアルな上限関係を幼少期から社会生活で
学ぶ機会も今は極端に減っていると思います。

そうすると、いざ社会人になった時にどのような対応を先輩にすれば良いか
ということもわからないという子が多いように感じます。

そのため、今までは仕事以外の場で
仕事の考え方なども教えてもらえていたことが、
そのような場さえ持つことが出来ませんし、
職場内で自分から状況を打破しようと積極的に取りにいける子は限られています。

更に、コロナ禍においては余計そのような交流の場が減ってしまっています。

すると圧倒的にインプットの量が減ってしまうのです。

インプットの量が減った状態でアウトプットを
しようと思ってもうまくはいきません。

そこで、マネジメント状態の良いクライアントさんでは
診療時間内にこのインプットの時間をいかに
確保するかということをテーマに取り組んでいます。

例えば、新人向けに2週間程度座学研修を実施する、
全体MTGの日に合同練習会を開催する、
外部の技術講師による院内セミナーを開催する、
このような対応を行っています。

少し話はそれますが、私は小さい時にゲームをする際に
攻略本を買った記憶がございますが、皆さんはいかがでしょうか。

今の子どもたちはゲームをする時に攻略本はもう読まずに
You Tubeで他の人がうまくやっていることを見て、吸収して、
真似をすることでゲームを上手に出来るようになっているのです。

これからの若い世代の情報収集力は今までとは段違いに
高くなっていく可能性を感じます。

そう考えますと、マニュアルの動画化も
重要なテーマの1つになってくると思います。

2新しい取り組みを導入する際

次にこのシーンはいかがでしょうか。

新しい治療や機材を導入する時や、
SNSなどを活用するといった新しい取り組みを導入しようとした時に、
スタッフのインプットの機会はどれぐらい用意出来ていますでしょうか。

もちろん、常に本などを読んで情報収集をしている、
セミナーなどに先生と一緒に参加して最新の知識にアンテナを貼っている
ということがベストな状態ではあると思います。

しかし、そのようなことが出来るスタッフはほとんど存在していません。
つまり、どのように先生が得ている知識や情報をスタッフに共有していくか
という観点が欠かせないのです。

このインプットがない状態だと、クオリティが低い取り組みになってしまったり、
全くアイディアが出なかったり、それにも関わらずとても多くの時間を費やしてしまったりといった、貴重な経営資源である“人の時間”を浪費してしまうことになります。

これには、
スタッフへ仕事への向き合い方を伝達していくと同時に、
院長先生自身のコミュニケーション力を高めること、
医院としてそのような場を確保することが求められます。

歯科医院地域一番実践会の経営塾で毎回宿題として全国の医院さんから
提出して頂く実践事例を見ることは、正に攻略本を読めるようなものなので、
短時間で成果を出せるインプットに繋がります。

また、院長先生のコミュニケーション力を高めていくためには、
院長マネジメント力徹底強化セミナーといったセミナーに
ご参加頂いても良いかもしれません。

アウトプットのポイント

上記のようにインプットを行っていただいた後は、
アウトプットを行っていきます。

アウトプットにおいて大切なことは“目標と進捗確認”です。

まず、目標がない状態ですと進捗管理が出来ません。
目標とは、いつまでにどのような状態になっていればよいかということが
出来るだけ数値で明確になっているということです。

スタッフ1人1人に目標があるかどうか確認してみてください。

そして、その目標が達成されているかどうか、
目標達成するための練習などの量が出来ているかどうか
といった進捗確認をする面談の機会を設定することがポイントです。

それを人事評価制度とリンクさせていくことで、
アウトプットが継続的に行われる状態を医院として作っていけると良いです。

アウトプットの成果を決めるもう1つのポイントは、
インプット量にあります。

たまに、次々と新しい治療や設備、
システムの導入を行うことで
インプット量が多すぎて目標が
増えすぎてしまうということがあります。

そうしますと、パワーが分散されて成果に
繋がりにくくなってしまいます。

その場合には、インプット量を抑えるという
経営判断も長期的に見ると大切になってきます。

インプットとアウトプットのバランス

インプットとアウトプットの
バランスは3:7とお伝えしたにも関わらず、
インプットの項目を多く記載させて頂いたのには、
理由がございます。

それは、多くの医院では良質なインプットが
不足しているケースのほうが圧倒的に多いためです。

※良質なインプットというのは、成果や成長につながるための
インプット情報ということです。

おそらく、1:9ぐらいになっている医院さんが多いと思います。

スタッフの個人差もある中で
良質なインプットの機会をつくっていくことは
それほど難しいということだと思います。

しかし、インプットの機会が足りなくなってくると、
今の現状に満足してしまったり、マンネリ化につながり、
アウトプットで大切な目標も見失ってしまうことに繋がります。

今回のブログをきっかけに、
インプットとアウトプットのバランスを確認して頂くことで、
医院がより良い状態へと成長されていくことを願っております!

投稿者プロフィール

渡邉 健二
渡邉 健二
早稲田大学卒業後、大手求人広告会社に新卒入社。
8年間の在籍中に2000社を超えるクライアントを担当。採用のノウハウを学ぶ。
社内ではセールスとマネジメントの異なる分野でMVPを受賞。また、育成したメンバーから全社MVPを輩出。人の強みを活かす育成・プロジェクト運営を軸に、成果を出している。
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