治療のカウンセリングをする前に必要な患者さんの気持ち

患者様満足度アップ

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こんにちは。歯科医院地域一番実践会の五島です。

昨今の社会情勢により、今年のTC育成塾 第2回以降が延期となりました。次回まで少し時間に余裕がありますから、TC候補生に向けて小話をします。

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今年のお正月、ぼんやり「5Gとか言われているし、そろそろちゃんと動画の勉強をしておこう」と思い立ちました。とりあえず入門者向けのカメラ(それでも最新版なのでそこそこ性能がいい)を買って撮影を始めたのですが、2ヶ月ほど経過して慣れてくると満足できなくってしまいました。

そこでもっとキレイに明るく撮れて自己満足も見ている人も満足するものを撮りたいなと考え初め、入門者向けのカメラから慣れた人向けカメラを検討することにしました。

仕事ではなく(もちろん、いずれは仕事に役立てるつもりですが)、趣味にかけるには金額が高い。ついうっかり手を出したら、インプラント2本分の値段になるかもしれません。

しかし、現時点ではいいカメラなのです。「ほしい。でも高い」と迷います(ちなみにこういうのを「両価的態度(りょうかてきたいど)」と言います)。そして、買わない言い訳を考え始めました。

・分不相応ではないか
・使いこなせないかもしれない
・使わなくなるかな
・けっきょく使わなくなるかも
・落として壊したらどうしよう

「絶対ほしいというわけではない。あったらいいなと思う。しかし、購入にあたって不安もある」。だから、いろいろと考えます。そして疲れて「もうめんどくさい」となり、いったん保留して周りに相談しようものなら「必要ないって。いまので十分」と諭されてしまい、「まあ、そうか」となって、購入を諦める流れが一般的だと思います。

何かを決断するにはエネルギーが必要です。踏み切れないものを「現状でよい」と他者から言われれば、新しい行動をする必要はなくなりますし、現状維持するという決定も他からのアドバイスに従ったということで自分の責任が減ったように感じて気が楽です。

おや?

この状態は何かに似ているような…。

そうです。治療の選択を考えている患者さんの気持ちです。でも状況は似ていますが、いいカメラの購入と治療の選択では大きな違いもあります。それは「自らほしいと思っているかどうか」です。

歯科治療の場合、何らかの治療を選ばねばなりません。それも突然。「こういう治療をしたいなぁ」と思いながら来院する人は少数派です(逆に、そういう人はしっかり説明すれば自費のなりやすいのですが)。

まず最初のハードルは「そういうものがあるんだ。いいかもなあ」と患者さんに思ってもらうことです。ただ、いきなりこういう治療がありますよとだけ説明してもピンと来ません。なので、「今回の治療を通して、どうなりたいのか」を引き出さねばなりません。

ここでTCのカウンセリング力が必要となるのです。質問力といったほうが近いかもしれません。

さて、今年のTC育成塾は次回までに時間があるので次回にお伝えする宿題の一部を先に出すことになりました。その宿題の中で「課題図書」があるのですが、いい本でありながら、宿題としては案内できなかった本があります。こちらです。


ひきたよしあき『「質問力」ってじつは仕事を有利に進める最強のスキルなんです』

小説風になっていますので、とても気楽に読めます。患者さんへの質問力を強化したいTC育成塾受講者の方、すでに修了された方は、外出自粛が求められているこの時期にぜひご自宅で読んでみてください。

さらにもう一歩もう少し本格的なものが読みたい方はこちら。


石川ひろの『ヘルスコミュニケーション学入門』

多くの患者さんはこれまで治療が終わったらどうなりたいかを考えたことはなかったはずです。だから質問を繰り出して引き出します。具体的な方法はTC育成塾の講座内で紹介していますが、時間の都合上、質問力そのものは説明していませんでした。

少し時間ができるこの機会にぜひ読んでみてください。

投稿者プロフィール

五島 光
五島 光
元関西の進学塾の先生で中学受験・高校受験生を指導。わかりやすい授業で人気を博す。コンサルティングでは、スタッフ数名から数十名のところまで個性的で幅広い歯科医院とじっくり向き合う。クライアント数は社内一。
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