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皆さん、こんにちは!歯科医院地域一番実践会の中澤裕太朗です。
年末が近づくと、どの医院でも「来年のテーマをそろそろ決めないと」といった話題が増えてきます。ただ、この“テーマ決め”が「流行っているキーワード」「とりあえずの目標」になってしまう医院が少なくありません。
もちろん、
「デジタル化」
「チーム力」
「予防強化」
などのビッグキーワード自体は悪くありません。
しかし
“なぜそのテーマなのか?” が語れないテーマは、行動に落とせず、1年後に振り返ったときに成果につながりません。
来年の経営戦略を考える上で重要なのは、結果だけでなくプロセスを振り返り、医院の“今の立ち位置”を正確に理解すること。
今回は、その具体的な方法を幾つかご紹介できればと思います。
目次
- 年末は“振り返りの季節”——キーワードだけでテーマを決めてはいけない理由
- マーケティング戦略の振り返り:数字の“背景”を見る
- 人事戦略の振り返り:採用・育成・配置の再設計
- プロセスとして振り返るべき指標一覧
├ カウンセリング分析・カウンセリング移行率
├ リコール率・リコール予約率・SPT - レセコンから“処置別集計”を出す重要性
- 年齢別来院数・来院動向から来年の仮説を立てる
- 来年の人事戦略:採用計画・給与相場・DX対応
- まとめ:プロセスを押さえれば、来年の計画は驚くほど精度が上がる
1|年末は“振り返りの季節”
キーワードだけでテーマを決めてはいけない理由
年末に向けて、「来年は〇〇強化をテーマにしよう」といった議論が出てくる時期ですが、ここでよく起きるのが “キーワード先行”のテーマ設定 です。
・予防強化
・デジタル化
・ホスピタリティ
・チームビルディング
どれも大切ですが、なぜそれをテーマにすべきなのか?
そこに至った経緯と理由がなければ、スタッフは腹落ちせず、行動がついてきません。
テーマは「方向性」であり、その根拠となるのが 数字とプロセス です。

2|マーケティング戦略の振り返り
数字ではなく“プロセス”を見る
マーケティングは結果だけ見ても意味がありません。数字が良かったのか悪かったのかではなく、そこに至った道筋を可視化することが重要です。
例えば、
- 月の新患数は何経路から来ているのか
- カウンセリングの移行率は問題ないか/移行できていないボトルネックは?
- 矯正の初診導線/既存声掛けは機能しているか
表面的な数字だけでなく、
「なぜそうなったのか?」
「どのプロセスで落ちているのか?」
を確認することで、来年の改善テーマが見えてきます。
3|人事戦略の振り返り
採用計画、育成計画、給与相場の整理
医院成長の源泉は“人”。どんなに優れた戦略や、どれだけ素晴らしい戦略も、それを動かすのはあくまで「ヒト」であるということを忘れてはならない。私の好きな言葉です。その観点から、次の項目は一度確認をしていきましょう。
- 来年の採用計画(正社員・パート・育成枠)
- 育成計画(セミナー計画、技術/ありかた)
- 人件費分析
- 周辺の採用市場の給与・福利厚生相場
- ベースアップの必要性と財務的な妥当性
- 人事配置(リーダー選定・プロジェクト配属)
- DX対応(受付効率化、電子化、業務削減)
これらを精査すると、
「うちの医院は来年どんな人材が必要なのか?」
「誰をどこに配置すべきか?」
がクリアになってきます。ポイントは口頭でなくホワイトボードに書き出すことです。
4|プロセスとして振り返るべき指標一覧
私はTC育成塾の講師をしているのでカウンセリングは医院の中でも重視しています。これは情報提供、継続管理、を行うことが大きなポイントです。
■ カウンセリング移行率
初診→カウンセリング→治療開始までの流れを数値で確認。
どこのプロセスで落ちているかがそのまま改善ポイントになります。
■ カウンセリング分析/補綴・矯正コンサル数字
補綴/矯正/欠損系の提案数、カウンセリング数、成約数。
提案に一貫性があるか、院内での診断基準にズレがないか。このタイミングで録音したものを聴くことも大事です。クオリティチェックになります。
■ メンテナンス領域のプロセス
予防・SPTは医院経営の“土台”です。
- リコール率
- リコール予約率
- SPT数
- 初回SPT数
このあたりを前年比で確認し、「どこで落ちているのか?」「移行率は?」担当制であれば持ち患者、頻度間隔、継続率まで見ることが大事です。
5|レセコンから“処置別集計”を出す重要性
レセコンには医院を分析をする上でのデータが入っています。年末のこのタイミングで、「処置別集計表」 を出すこともおすすめしています。
- P管理系
- 口腔機能管理系
- Ce
- シーラント など
算定漏れがないか、基準値との差はどれくらいか、それを元に来年の施策を考えていくことも大事な要素です。
6|年齢別来院数・来院動向から仮説を立てる
年齢別来院数を見ることで、
- 小児患者が減っている
- 成人メンテが増えている
- 高齢者層の来院頻度が落ちている
- 若い層の継続率が低い
といった“流れ”が見えてきます。これらを推移でみていくことが大事になります。
7|まとめ:プロセスを押さえれば、来年の計画は精度が上がる
来年のテーマを考えるとき、今回挙げた項目は、ざっと書いただけでもこれだけあります。しかし、これを丁寧に分析すると、来年の経営テーマは “勝手に導かれる” ようになります。キーワードから入るのではなく、
プロセスからテーマが立ち上がってくる状態 を目指していくこと。
そして、それを人事戦略と紐づけて、
- 採用計画
- 教育体制(DH・TC・DA・受付・新人)
- 給与相場の把握
- ベースアップの可否
- チーム配置
- DX対応による負担削減
これらを整理することで「来年、自分の医院はどこを強化すべきか?」
が自然と見えてきます。是非一度、やってみてください。頑張っていきましょう!














