【どっち!?】歯科医師にも残業代が必要!? 後編

【どっち!?】歯科医師にも残業代が必要!? 後編 労務・人事評価・採用

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皆さん、こんにちは!
歯科医院地域一番実践会 地域一番化マスター 岩渕龍正です。

前回、勤務医の先生にも労務対策が必要だというお話をしました。
今回は具体的にどのようにすればいいのかについて解説いたします。

1.雇用契約書を交わす

意外と、多くの医院で勤務医の先生と雇用契約書を交わしてないのではないでしょうか。
雇用契約書は正に、医院と勤務医の先生との労働契約を記した契約書に当たります。

必ず、交わすようにしましょう。
そうしないと、何かトラブルになった際にも口約束だったりすれば、それは全て無効になりますし、全て労働者である勤務医の先生の言い分が通ることになってしまいます。

ちなみに、院長先生からすれば、自分自身が既に経営者なので忘れがちなことがあります。
院長自身は残業なんて概念を持つこともなく、一生懸命頑張ってきたので基本的なことを忘れています。

それは・・・

勤務医の先生も労働基準法の対象となる労働者であるということです。

ちなみに、院長先生は経営者なので、労働基準法の対象とはなりません。
自分自身は既に労働基準法の対象ではないし、勤務医になったころから、そんなこと考えたことなかったから意識が希薄になりがちですが、基本的にこの考え方をしっかり持っておかないと、

「なんで、歯科医師なのに、こんなことしないといけないんだ」

というストレスが大きくなり、前に進めなくなってしまいます。

2.タイムカードなどで時間管理をする

今、申し上げたように、勤務医の先生も労働者ですから、時間管理が必要です。
タイムカードではなくてもいいのですが、しっかりと業務時間が記録として正しく残る形で時間管理を行うようにすることが大事です。

もし、タイムカードなどで時間管理をしっかり行っていなければ、勤務医の先生が手帳などに書いていた時間がたとえ、間違っていたとしてもその間違いを指摘することができないため、全て通ってしまうことになります。

3.固定残業代を支給する

じゃあ、月50万円の勤務医の先生にそのまま、残業代を支給していたら、凄いことになってしまいます。
なので、ある一定額を固定残業代としてきちんと支給する形にすることが望ましいです。

当然、この固定残業代については採用前の段階から説明し、雇用契約書にも明記しておくことが大事になります。

ただ、固定残業代の運用については、かなり厳格に行わないとトラブルになった時に認められません。
しっかり社労士さんとも相談して、厳格に運用されることをオススメします。

なぜなら、裁判などでトラブルになった時には、残業代を払いたくないから、固定残業にしてるんじゃないかとみられます。なので、固定残業代を多くしすぎないこと、そして、固定残業代を超える時間、残業していた場合にはしっかり残業代を25%増しで支給することが大事になります。

その他にも、大事なことがありますので、それは社労士さんにご相談ください。
この件については弊社へのお問い合わせはご遠慮ください。

2017年7月に最高裁で医師の残業代に関して答えが示されました。

神奈川県の私立病院で勤務していた医師が年俸1700万円(かなり高額ですね)をもらっていたが、残業代が午後9時以降と日曜日にしか支給されなかったために残業代未払いで提訴したという事案です。

病院側としては1700万円という高額の給与を支払っているのだから、当然、午後9時までの残業は込みとして考えていました。その気持ちは痛いほど、分かります。しかし、その気持ちは今の法律では認められないのです。

最高裁も基本給と残業代の明確な区別がされてない以上、残業代を支給するしかない。基本給と残業代を明確に区別することが必要だと言っています。

以上のように、歯科医師についても、女性スタッフ同様に労務対策が必要になってきます。
今後、開業せずに勤務医として生活する歯科医師が増えていくことは間違いなく、そのような勤務医の先生は意識の中でも、労働者なので、権利を主張してくる可能性が高いです。

今後は勤務医の先生が普通に有給を申請してくる時代になります。
その時代の変化に早く対応していくことが今後の歯科医院経営を左右することになります。

投稿者プロフィール

岩渕 龍正
岩渕 龍正
歯科医院の移転、リニューアルの際の図面作成には絶対の自信を持つ。
現在は、年間医業収入1億円以上の医院が3億円を目指すための仕組みづくり、組織作りに力を入れている。
歯科界での突出した実績は歯科業界以外からも注目を浴びている。
近年は夫婦で医院経営も家庭も成功させる「夫婦成功」にも力を入れている。
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