医院での幹部、チーフ人材を育成するための重要ポイント

スタッフ教育

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皆さん、こんにちは!歯科医院地域一番実践会の中澤裕太朗です。

お盆も過ぎましたが、まだまだ夏の暑さが続きますね。

休み明け、院内では患者さんの来院やスタッフマネジメントなど、まだまだ慌ただしい時期かと思います。

先日、院長先生から、セミナー後の電話相談でこんなご相談がありました。

※クライアントの先生ではありません。

「今のうちの幹部、正直あまり機能していないんですよね、、、」

「チーフをたててみたんですが、あまり上手くいっていないんですよね、、」

 

この言葉、医院に限らずご相談されることが少なからずあります。

そのとき私はこの質問を必ずするようにしています。

「先生にとって幹部とはどのような役割の人ですか?」

この質問をした際に、ご相談をいただいた先生の中で明確に答えた方はいらっしゃらなかったです。そしてまた、別の医院で現場の幹部の方が自身の幹部の仕事に対して悩んでいたときに同じ質問を投げかけてみました。

答えられなかったです。

そうです、医院では「役割定義」がなされずまま幹部になっているケースが非常に多くあります。役割が明確ではなく走ることで、相互理解できずに悩んでいる、そのような状態を多くみてきました。

例えば、役割としては

・医業収入をあげること

・人を育てること

など色々とあげられるかと思います。ですが共通としての役割を今回は1つご紹介します。

※ただ前提として、幹部教育は経営者がしっかりと幹部から尊敬される行動をしていることを前提としています。なので今ギクっと思った方はまずそこからスタートしていきましょう。それでは本題に戻ります。

幹部の重要な共通の役割の1つとしては、

「経営と現場をつなぐ結節点」としての役割をもつということです。

幹部が陥りがちな2つのパターン

ではどのような接し方を幹部は行えばいいんのか?今回は具体例で書いてみます。

停滞している医院では、幹部がどちらか一方に寄り過ぎる傾向があります。次の2パターンです。

パターン①:現場に寄りすぎる幹部

例えば、スタッフからこんな声が出たとします。

スタッフ:「◯〇さん、今年の自費目標、高すぎませんか? 院長は現場の忙しさわかってないんじゃないですか?」

ここで幹部がこう返してしまうケースです。

幹部:「だよね。院長って現場の大変さ見えてないよね」

一見するとスタッフの“味方”をしているようですが、実際には経営との橋渡し機能を放棄してしまっています。結果として「現場」と「経営」が対立する構造になり、組織全体の推進力が失われてしまいます。

パターン②:経営に寄りすぎる幹部

スタッフ:「この新しい診療方針、どう考えても無理じゃないですか?」
幹部:「いや、やるしかないでしょ。できないなら評価下がるだけだから。頑張って」

逆に、経営の意向だけを一方的に押し付けるケースです。

この場合、現場の声を経営に届ける機能が完全に働いていません。スタッフは「どうせ言っても無駄」と感じ、モチベーションが下がります。医院によっては離職につながることもあります。

では、どう振る舞うべきでしょうか。

スタッフ:「今年の自費目標、高すぎませんか?」
幹部:「確かに高いよね。でも、近隣の競合や、今回の診療改定の動きを考えると、このタイミングで自費率を上げる意味は大きいんだよね(詳細は割愛)。もちろん今のままじゃ厳しいけど、例えば〇〇を徹底すれば現実的になると思うけど、どうかな?」
スタッフ:「なるほど、それならできるかもしれません」
幹部:「その方向で、一緒に頑張っていこう」

このやり取りのポイントは、次の3つを同時に扱っていることです。

  1. 現場視点:スタッフの不安や負担を理解する、共感する
  2. 経営視点:医院として達成すべき方向性をや意味を説明する
  3. 解決視点:両者をつなぐ具体的な方法を提示する

この3つが揃うことで、経営の意図を“翻訳”し、現場が納得して動ける状況をつくる流れを作っていくことができます。

幹部は「翻訳者」であり「結節点」である

決してこれは簡単なことではありません。また幹部だけが頑張るものではなく、先ほどお伝えした通り前提として院長先生、経営者がリーダーとして方向性の明示、リーダーとしての行動を行うことが必須です。ここが疎かであれば幹部に求めるのは逆効果ですし退職に繋がります。

まずはここのステップを踏んだ上で、幹部育成を進めていくことが非常に重要だということです。

「役割定義」

これをしっかりと言語化をして医院診療を進めていくこと

そして、

  1. 幹部としてのスタンス

「現場の声を受け止める → 経営の意図を説明する → 解決策を提示する」という3ステップを会話で目指すことが1つのスタンスである事を共通認識として進める

  1. 週1回のすり合わせミーティング

マネージャーと院長が短時間でも顔を合わせ、現場の状況と経営の方向性をすり合わせる場をつくり共通認識、共通言語を揃えていく

今後、人員が15人以上の組織の拡大、分院展開などを目指していく医院様においてはこのマネジメントを担える人材が非常に大切であり、育てていく環境をどのように作っていけるかが重要になると思います。今後も更に重要になることは間違いありません。

ただマネジメントの悩みは非常に多岐に渡り、また中々に1人では解決が難しいのが正直現状かと思います。

そのため、今回新しく弊社にて「無料経営相談ページ」を開設させていただきました。不定期での開催となります。現在はコンサルタントが増えたことから対応が可能となりました。これを機会に、医院経営でのお悩みを一度してみたいとご希望の方は是非ご活用いただければと思います。

この厳しい時代だからこそマネジメントの対策をしっかりと行い医院経営を行っていきたいですね。今回の内容が1つでも参考になれば幸いです。

頑張っていきましょう!

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