「骨太方針2025」から「令和8年度改定」を考える

院内マーケティング

このブログは約 8 分で読めます

皆さんこんにちは。

経営戦略研究所の前田です。

 

今回は、令和7年6月13日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2025(骨太方針2025)」から、次期改定、今後の算定などについて考えてみたいと思います。

 

骨太方針2025の様な文章は、長く…わかりづらく…お忙しい日々の中、読んでみよう!という気がおきづらいものですが、今後の歯科医療に大きくかかわる内容が書かれていますので、ぜひ本ブログを参考にしてみてください。

 

▶骨太方針2025はこちら↓

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/2025/2025_basicpolicies_ja.pdf

 

歯科に関連するポイント

骨太方針2025(p.41)にこのような記載があります↓

――――

(がん、循環器病等の疾患に応じた対策等)

がん対策、循環器病対策、慢性腎臓病対策、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性疼痛等の疾患に応じた対策、難病対策、移植医療対策、アレルギー対策、依存症対策、難聴対策、栄養対策、受動喫煙対策、科学的根拠等に基づく予防接種の促進を始めとした肺炎等の感染症対策、更年期障害や骨粗しょう症など総合的な女性の健康支援を推進する。運送業での睡眠時無呼吸対策、睡眠障害の医療アクセス向上と睡眠研究の推進、睡眠ガイド等の普及啓発、健康経営の普及、睡眠関連の市場拡大や企業支援に一層取り組む。

糖尿病と歯周病との関係など全身の健康と口腔の健康に関するエビデンスの活用、生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)に向けた具体的な取組、オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防につながる歯科専門職による口腔健康管理の充実、歯科医療機関・医歯薬連携などの多職種連携、歯科衛生士・歯科技工士の離職対策を含む人材確保、歯科技工所の質の担保、歯科領域のICT活用、歯科医師の不足する地域の分析等を含めた適切な配置の検討を含む歯科保健医療提供体制構築の推進・強化に取り組むとともに、有効性・安全性が認められたデジタル化等の新技術・新材料の保険導入を推進する。また、自立支援・在宅復帰・社会復帰に向けたリハビリテーションの推進に取り組む。

――――

 

「糖尿病と~」からが特に歯科に関連が強い部分になります。

重要ワードを整理するとこのようになります。

・糖尿病

・国民皆歯科健診

・オーラルフレイル対策・重症化予防

・医歯薬連携

・衛生士・技工士の離職対策含む人材確保

・ICT活用

・デジタル化等の新技術・新材料の保険導入

など

 

これらは、次期改定でも評価される項目となります。

全体的な方向性としては、いままでと大きな変更はありません。

関連する処置/算定は今年のうちに整理し、院内に導入していきましょう。

糖尿病について

昨年の改定でハイリスク加算が新設されましたように、「糖尿病」関連は大きく注目されているのがわかります。

骨太方針2025にも病名がある「慢性腎臓病」を含めた合併症のリスク、また医療費への影響を考えると、歯科治療(管理)で糖尿病リスクを下げていくことが大きく期待されています。

ハイリスク加算以外にも下記の様に「糖尿病」には多くの管理点数が設定されています。

・総医:50点

・医管:45点

・SPTのハイリスク加算:80点

・SPTや歯清の期間

など

 

糖尿病関連については、まず間違いなく今後も管理が求められますので、

・情共⇒総医⇒ハイリスク加算&医管

の流れを、今のうちから「必ず」整えるようにしていきましょう。

 

患者様の疾患の管理、重症化予防、QOLの維持/向上はもちろん、医院経営にも大きくプラスになります。

わざわざ勉強して、院内に共有して、仕組みを作って、50点…45点…か、と思われるかもしれませんが、この積み重ねが1年後の大きな違いをつくります。ぜひ頑張りましょう!

生活習慣性歯周病について

関連する話として、「2040年を見据えた歯科ビジョン」(https://www.jda.or.jp/dentist/vision/pdf/vision-all.pdf)のなかで(p.63)、「新規技術の導入・開発の促進と新病名の提案」という項目があります。

最優先に検討されている病名として「生活習慣性歯周病」「口腔機能低下症」「口腔機能発達不全症」「口腔バイオフィルム感染症」が挙げられています。

ご存じの通り、4つのうち「口腔機能低下症」「口腔機能発達不全症」「口腔バイオフィルム感染症」の3つは、すでに新しい歯科病名として、その管理/治療が保険適用されています。

残る1つの「生活習慣性歯周病」が次期改定で新病名として保険適用になるのではないかと、注目されています。

いままでの流れを考えると、「糖尿病」と「歯周病」の管理にかかわる点数になると考えられます。

そのことからも、より上記の連携・管理の流れが重要になっていきます。

 

興味をもたれた先生は、ぜひ骨太方針2025を確認してみてください。

より安定した医院経営に向けて、今後を見据えた処置/算定を整えていきましょう。

保険算定に関する過去のブログ(令和6年6月改定版)

☞【令和6年度診療報酬改定】全体像と口腔機能管理について

【令和6年度診療報酬改定】全体像と口腔機能管理について
皆さんこんにちは。 経営戦略研究所の前田です。 令和6年度改定に向けて、先日、厚労省から診療報酬改定の概要についての説明がありました。 まだチェックをしていない先生は下記のリンクからご確認ください。 ☞ ...

☞【令和6年度診療報酬改定】改定から1週間。算定モレしていませんか?

【令和6年度診療報酬改定】改定から1週間。算定モレしていませんか?
皆さんこんにちは。 経営戦略研究所の前田です。 令和6年度改定から1週間が経ちました。 皆さん、施設基準の提出モレ、処置/算定モレはないでしょうか? この1週間で先生方のお話を聞いていて、新しい算定に...

☞フッ素算定の整理整頓①(令和6年6月改定版)

フッ素算定の整理整頓①(令和6年6月改定版)
皆さんこんにちは。 経営戦略研究所の前田です。 「フッ素」関連の算定に関しては、令和6年6月の診療報酬改定でも「エナメル質初期う蝕管理加算の廃止」などいくつかの変更がありました。 いろいろな先生方にお話を伺っていると、まだ...

☞フッ素算定の整理整頓②(令和6年6月改定版)

フッ素算定の整理整頓②(令和6年6月改定版)
皆さんこんにちは。 経営戦略研究所の前田です。 前回のブログでは、「フッ素関連の算定について整理がまったくできていない!」先生方に向けて、「フッ化物歯面塗布処置(F局)」についてのポイントをお話ししました。 今回は「歯管の...

☞総合医療管理加算(総医)の仕組みづくり(令和6年6月改定版)

総合医療管理加算(総医)の仕組みづくり(令和6年6月改定版)
皆さんこんにちは。 経営戦略研究所の前田です。 今回は、「総合医療管理加算(総医)」についてお話をしていきます。 前回の改定(令和4年4月改定)で総医の施設基準がなくなったことからも、「医科歯科連携をどんどん進めて...

☞口腔機能管理料 算定のポイント(令和6年6月改定版)

口腔機能管理料 算定のポイント(令和6年6月改定版)
皆さんこんにちは。 経営戦略研究所の前田です。 今回は、「口腔機能管理料 算定のポイント」についてお話をしていきます。 口腔機能管理料は、令和4年4月の診療報酬改定で対象年齢が65歳以上から50歳以上に大幅にひろが...

 

現在、申込受付中のセミナー

タイトルとURLをコピーしました