口腔機能管理料 算定のポイント(令和6年6月改定版)

院内マーケティング

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皆さんこんにちは。

経営戦略研究所の前田です。

 

今回は、「口腔機能管理料 算定のポイント」についてお話をしていきます。

口腔機能管理料は、令和4年4月の診療報酬改定で対象年齢が65歳以上から50歳以上に大幅にひろがり、令和6年6月改定では、「口管強(旧:か強診)」の施設基準の要件にも追加されています。

そのことからも、前回のブログでお伝えした「総医」と同様に、国としては口腔機能管理をどんどん進めていってほしいということが分かります。

 

このブログをご覧の先生方には、より多くの患者様の口腔機能管理に目を向けていただけますと嬉しいです。

口腔機能管理の重要性

歯科治療の需要の将来予想

さて、こちらは、中医協が提示している、歯科治療の需要の将来予想のイメージ図ですが、今までは、形態の回復、つまり、削って、治すというのが、歯科治療の大きな部分を占めていたのに対し、今後の歯科治療は、むし歯、歯周病などの管理・重症化予防、口腔機能の管理・回復、そして在宅・訪問診療の重要性が増していくことが示されています。

その中でも、高齢化が進んでいく日本においては、高齢者の口腔機能管理、回復が注目されています。

口腔機能低下症

こちらは、口腔機能低下症の概念図です。

オーラルフレイルがさらに進行して疾患としてみなされる状態を口腔機能低下症といいますが、口腔機能低下症がさらに進行すると、咀嚼機能不全、摂食嚥下障害が常態化し、患者様の全身の健康が損なわれ、QOLが著しく低下することになります。

このような背景から、お口のプロフェッショナルである、歯科で、口腔機能の管理回復を行っていくことが、強く求められています。

口腔機能管理料の概要

そこで現在では、歯科でも口腔機能低下症の管理には点数がついております。それが「口腔機能管理料(口機能)」そして令和6年6月改定で新設された「歯科口腔リハビリテーション3(歯リハ3)」です。

令和6年6月の改定で、「口機能:管理」と「歯リハ3:指導・訓練」に分かれています。

以下が口腔機能管理料、歯リハ3の概要になります。

▶口腔機能管理料

・月1回、60点

・口腔管理体制強化加算:+50点(要届出)

・歯管、特疾患を算定している患者様で算定可能

・口腔機能精密検査の評価項目7項目のうち3項目以上に該当する患者のうち、咀嚼機能低下、咬合力低下、低舌圧のいずれかに該当する患者に算定。(咀嚼能力検査、咬合圧検査、舌圧検査のいずれかを行った場面に算定)

・令和4年度の改定で、対象年齢が65歳以上から50歳以上に大幅に拡大

▶歯科口腔リハビリテーション3

・月2回、50点

・口腔機能管理料又は歯科疾患在宅療養管理料を算定する患者に対して、口腔機能の回復又は維持を目的として、療養上必要な指導及び訓練を行った場合に算定。

 

また基本的には、無歯顎の患者様は歯管の算定ができませんが、口腔機能低下症の患者様では、歯管と口腔機能管理料の算定が可能になります。

口腔機能低下症についての詳細は、日本歯科医学会が「口腔機能低下症に関する基本的な考え方」というガイドライン(https://www.jads.jp/assets/pdf/basic/r06/document-240329.pdf)をだしていますので、是非ご確認ください。

各検査について

ガイドライン「口腔機能低下症に関する基本的な考え方」に、このような検査に関する表がのっています。

ガイドラインには本ブログでは書ききれない詳細なルールが書かれていますので、必ずご確認ください。

口腔機能精密検査記録用紙

原則として、7項目すべての検査を行い、7つの項目のうち、3つ以上に該当する患者様に対して、口腔機能低下症という病名をつけることができます。口腔機能管理料(+歯リハ3)で、そのような患者様の管理、指導、トレーニングをしていくことになります。

少しややこしいのですが、口腔機能管理料の算定においては、①50歳以上の患者様で、②7つのうち3つ以上該当している患者様、つまり【口腔機能低下症】の患者様で、③かつ「咬合力検査」「舌圧検査」「咀嚼能力検査」この3つのうち1つ以上を行い、症状に該当する必要があります。

口腔細菌定量検査、咬合力検査、咀嚼能力検査には届け出が必要ですので、お忘れなくお願いします。

また、口腔細菌定量検査、咬合力検査、舌圧検査、咀嚼能力検査にはそれぞれ点数がついております。

・口腔細菌定量検査は3カ月に1回、65点

・咬合圧検査は3カ月に1回、130点

・舌圧検査は3カ月に1回、140点

・咀嚼能力検査は3カ月に1回、140点

先ほどもお伝えしましたが、口腔細菌定量検査、咬合圧検査、咀嚼能力検査には届け出が必要です。

また、咀嚼能力検査と咬合圧検査は併算定できない点にご注意ください。

 

ブログではお伝えしきれない細かな算定要件もありますので、必ずご確認の上、算定をお願いいたします。

より安定した医院経営に向けて、充実した治療、もれのない算定を目指していきましょう!

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