メンテナンスの利益の高さを改めて考えてみる

歯科医院経営ブログ

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こんにちは、地域一番実践会の吉村です。

 

最近、私はクライアント様で

・DHユニットをメンテナンス患者様(その他SCや再評価などの予約も含む)の予約で毎月フル稼働するためには、どのくらいのメンテナンス患者様のストックが必要か

・そして、そうなったときの年間の利益額がどのくらいになるか

というのを概算で出しております。

 

先生と一緒に計算するたび、メンテナンスの重要性とメンテナンスの利益率の高さを実感するので、今回は簡単にみなさまとも改めて考えてみたいと思います。

 

メンテナンスの増やし方

ほぼすべての医院様が、メンテナンス患者様を増やすために何かしらの取り組みをし、常に試行錯誤されていると思います。

取り組み例としては、カウンセリングやリーフレット配布、チェアサイドでの予約取得、リマインド連絡などでしょうか。

他にも、初診患者様がたくさん来てくれるものの全員は診きれないため、医院様の方針にあった予防歯科を理解してくださる患者様に絞って受け入れていくために、色々な取り組みをしている医院様もあると思います。

 

メンテナンスに繋げる重要性

みなさまは、拡張や増設を踏まえたMAXチェア台数を想定したときに、どのくらいのメンテナンス患者様のストックが必要かを考えてらっしゃるでしょうか。

 

仮にあと1000人のメンテナンス患者様のストックを増やす必要があるとしましょう。

新患の3人に1人がメンテナンスに定着するとすれば、3000人の新患を診る必要があります。平均の月の新患数を60人とすれば、50ヶ月(約4年)必要となります。

 

新患数が少ない、メンテナンス移行率が低い、メンテナンスの継続率が低いなどがあれば、更に期間と労力が必要になります。

 

仮に1日のDHのアポイントが埋まっていたとしても、カルテナンバーが3000増えたときに、そのうちメンテナンス患者様として定着しているのが、500人なのか、1000人なのか、1500人なのかでは、長期的な経営でみると非常に大きな違いがあります。

 

メンテナンスの重要性の意味づけ

メンテナンスを増やそうと思うと、院長だけでは手が足りないので、どうしてもスタッフさんの力を頼ることになります。

そうなったとき、メンテナンス患者様を増やす取り組みの意味付けとして、メンテナンスの重要性をスタッフさんにお話しする必要があります。

 

私がよくスタッフさんにお話する内容は、国の方針としてメンテナンス患者様を増やしていく必要があるということです。

実際に説明するときは資料を見せながらですが、以下ではかなりざっくりとした流れで記載します。

①今の日本は超少子高齢化社会のため、ご年配の人口がどんどん増えていく。

②ご年配の人口が増えると医療費が上がっていく

③メタボリックドミノを倒さないようにしないといけない

④厚生労働省の資料から、国が歯科医院に求めていることに管理と予防が増えている

⑤歯科医院の管理のメインといえば、メンテナンスと口腔機能管理

 

メンテナンスの算定例

医院様や患者様によって当然異なりますが、メンテナンス算定例としては以下のようになるかと思います。

 

再診料                              58点

医療情報取得加算4           1点

医療安全体制加算1           2点

感染対策加1                      2点

明細書発行等加算             1点

歯科疾患管理料                 100点

長期管理加算                     120点

文書提供加算                     10点

基本検查                            200点

SPT                                   350点

口腔管理体制強化加算       120点

歯科衛生実地指導料           80点

歯周病患者画像活用指導料              50点

エナメル質初期う蝕管理料               30点

口腔管理体制強化加算                     48点

フッ素塗布(Ce)                           100点

合計点数                                          1,272点

 

他の処置との比較

私はクライアント様の院長先生にメンテナンスの重要性を伝える際、処置ごとの1時間の粗利表をお見せして説明しております。

(矯正、インプラント、CR、FMC、インレー、自費補綴、小児メンテなど)

 

一例として、FMCで考えてみましょう。

初診時は、処置内容に関係なくパノラマやP検など検査を中心に行っているとします。

また、治療回数や根管の数など、医院様ごとの処置方法でも変わるので、あくまでも目安で概算します。

 

【根治から根充まで4回かかったとします】

・再診料×4日分

・歯管

・文書提供

・明細書発行

・抜髄

・電気的根管長測定検査

・痛み止め処方

・根貼

・根充

・デンタル

で、おおよそ1,500点でしょうか。

かかった時間は、30分枠×4枠=2時間とします。

 

【セットまで3回かかったとします】

・歯型採取

・コア装着

・TEK装着

・歯冠形成

・印象

・咬合採得

・FMCセット

・補綴物管理

などで、おおよそ1,800~2,300点でしょうか。分かりやすいように2,000点とします。

かかった時間は、30分枠×3枠=1時間30分とします。

 

なので、根治からセットまでの合計3,500点(3時間半)。

 

1時間あたりの医業収入で考えると、約1万円なのでそんなに悪く思えないですが、変動費(技工料+材料費)がかかりますね。

医院様や技工所様で変わりますが、材料費が高いため、結局粗利で考えるとほとんど残りません。

利益で考えると、ドクターとアシストの人件費がかかりますので、材料によってはマイナスまでありえますね。

 

メンテナンスと比較すると、DHの人件費のみで原価もほぼかからないので、その差は一目瞭然です。しかも、ドクターが必要な時間はドクターチェックくらいです。

 

まとめ

経営的に見ても、国の方向性にしてもメンテナンス患者様を増やすことは、歯科医院の至上命題だといえるかと思います。

メンテナンス患者様を増やすためにすることはたくさんあります。細かく見始めれば、患者様の年齢ごとのメンテナンス移行率と継続率、どこで中断しているかの傾向、次回予約取得率、減らすべきキャンセルの減らし方など。

安泰な医院を創るためにも、一緒に取り組んで参りましょう。

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