歯科医院における事務部門をどう強化するべきなのか?

労務・人事評価・採用

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皆さん、こんにちは。

歯科医院地域一番実践会 山本峻士と申します。

本日は

歯科医院における事務部門をどう強化するべきなのか?

というテーマでお伝えしてまいります。

私のクライアントでも年間医業収入が3億を超え、スタッフ数がパートも含め、

30名以上の組織になってくると、やはり事務部門を強化することは必須と思われます。

経営を含めた医院の日々の管理はもちろん、

第二領域の取り組みなどに関しても、

重要なのはわかっていたとしても、

どうしても診療業務と平行して進めていくとなると、

予定通りに業務が進まず、

結果として医院の取り組みスピードが落ちてしまう、

院長から見てもそのスピード感の遅さにイライラ・・・

などということは珍しくないかと思います。

今回は、事務部門を設立するにあたって大切な2つのポイントをお伝え致します。

①事務部門を誰に任せるのか?

やはり最も重要なポイントであるのが「誰に事務部門を任せるのか?」ということだと思います。

もちろん医院の状況によりますが基本的には3つに分かれて来るかと思います。

1.既存スタッフから人選する

最もリスクが少ないのは既存スタッフから人選することかと思います。

やはり医院の状況なども理解しておりますので、

院長からの依頼ごとなどでも迅速に取り組んでくれるのが大きなメリットかと思います。

ただし、私自身やってみて感じるのは、既存スタッフから選んだ場合にも、

やはり懸念点はあります。

それは、他のスタッフとの関係性悪化のリスクです。

当たり前ですが、他のスタッフからすれば

「なんで私達は診療業務メインなのに、あの人はずっと座ってパソコンやってんの?」

というように見られることがあります。

いくら説明していたとしても、このような声が上がることは珍しくありません。

そのような場合、事務に関わってもらうスタッフには、

診療に入る時間なのか、事務作業に入る時間なのかを明確にし、

事務業務として何を具体的に行っているのか見える化する必要があります。

ただし、このような懸念点があったとしても既存スタッフから人選するのが、

最もリスクも少なく、任せられる業務も多いかと思います。

2.新たに事務長を採用する

2つ目の選択肢としては、外部から新たに事務長を採用するという選択肢です。

やはり他業界で活躍されていた方は事務処理などはもちろん、

積極的に医院経営に関わったり、自分で改善提案を考えてくれる方も多いため、

非常に優秀な人材を確保することができるかと思います。

人によりますが、やはり思考力や実践力の高い人材を確保したいのであれば、

外部から採用する方が良いかと思います。

ただしこういった場合も、懸念点はもちろんあります。

まずは歯科未経験の場合、そもそもの歯科知識や現場を知ることも必要なため、

育成にやや労力がかかるということです。

また、男性事務長の場合、将来独立のリスクなどもありますので、

それなりの給与やキャリアプランなども提示する必要があります。

そして、稀ではありますが、退職する際に医院に迷惑をかけるような辞め方をすることもあるので、

できれば親族の中から任せる方が無難かと思います。

3.パートを複数人雇用する

上記の2つのリスクとしては、

事務業務はその人しか管理してない、その人しかできない業務も増えるため、

もしも退職となった場合、引き継ぎなどが非常に複雑化する可能性があります。

こういったことから考えると、事務パートを複数人雇用することもオススメです。

もしも1人が退職したとしても、残った事務パートでカバーできるため、

上記のようなリスクを軽減できます。

ただし、私の経験ですが、このやり方はあまりオススメしておりません。

何故ならば、事務パートの場合、歯科経験者なら良いのですが、

未経験の場合、そもそも歯科業界のこと、医院の状況を把握してもらう機会を作るのが難しい、

そして勤務時間も限られるため、結果として任せられる仕事内容も浅くなる可能性があります。

そうなってしまうと、医院の第二領域業務というより、

簡単な雑務処理ばかり任せることになるので、

医院の取り組みスピードが増すかと言われると、そうでもない場合が多いです。

ですが、例えば既存スタッフで結婚や出産を機に、パートを希望された場合に、

事務として勤務を提案するなどは、可能性としてありかと思います。

②キャリアプランや給与水準などを明確にする

事務部門の最も難しいのが、「評価すること」だと思います。

定量評価やスキル評価が難しいため、

どのように給与を上げれば良いのか、医院側も方向性を定めるのが難しく、

また事務スタッフとしても「何を頑張れば評価が上がるのか」不明瞭になり、

将来不安になる場合も珍しくありません。

色々な考え方がありますが、

例えば医院全体(医業収入やスタッフ人事評価の結果etc.)の評価にリンクさせる、

PCやマーケティング、採用戦略などをできる限り数値管理し、数値も目標を設定する、

などが効果的かと思います。

また、最も大事なことは「事務部門の給与をケチらない」ということだと思います。

院長としても正直、「直接医業収入につながる仕事だからあまり給与をあげられない」

と思ってしまうのは当然です。

しかしながら、低い給与水準では優秀な人材を確保することは難しいですし、

「こんな安い給料なら他の歯科医院に行こうかな」と転職リスクも上がります。

ベンチャー企業でも「事務・総務部門にこそ優秀な人材を雇用する」

という会社も多いのです。

闇雲に高給を支給すれば良いということではありませんが、

どのようなスキル、医院になったら、どれくらいの給与になるのか、

大まかでも共有していくことが重要になってくるかと思います。

 

投稿者プロフィール

山本 峻士
山本 峻士
高校時代に陸上競技のやり投げに出会い、インターハイ、国体に出場。大学では関東学生選手権で6位入賞。新卒で大手製薬会社でMRに従事。
入社2年目に1300人中TOP3に入る。その後、プルデンシャル生命保険に転職。初年度に社長賞に表彰される。
これまで習得した目標達成スキルと信頼関係構築スキルを軸に、成果を出している。
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