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こんにちは!
歯科医院地域一番実践会の萩原直樹です。
本日は理念浸透の必要性に関して話をしていきたいと思います。
理念共有
皆さんの医院では理念共有する場を持っていますでしょうか。
理念を共有すると言う事は開業している地域での【社会的役割】や【存在意義】【価値観】を明確に伝えるということです。
理念というと堅苦しく聞こえるかもしれませんが、企業がこうあるべき姿の明文化です。
逆に理念がない医院はどのようにして患者様に選ばれていくのでしょうか?
理念なき経営に成長性はあるのか。
また差別化はどうやって行っていくのか。
それは患者様だけでなく、採用に関しても同じことが言えます。
この医院で働きたいと感じる医院には理念があります。
最近でいうと条件だけで仕事を探している求職者も少なくありません。
ただしそのような方は採用をしたとしても条件があがらない、先が見えないということを理由にすぐ退職をしてしまいます。
理念に共感してくれている人は長期的に勤務をしてくれます。
またそのような人は長期的に勤務をしてくれるからこそ医院での存在感もあげ、社会的価値を伸ばし、ファン患者様を創り続けてくれます。
理念が採用にも影響する
今後は少子高齢化が更に加速し、人材確保はますます厳しくなります。
短期的に見れば大学に行く人も増えて、より良い人材は市場には増えますが、歯科衛生士や歯科医師の有資格者の採用は過去にない採用難易度になってきます。
厚生労働省から発表されている令和2年末の就業歯科衛生士数は全国で142,760人となります。過去の調査からは増えているものの、チェア台数が増えている歯科医院も相当数増え、歯科衛生士、歯科医師の取り合いになっています。
厚生労働省ホームページ等参照
(令和2年衛生行政報告例〔就業医療関係者〕の概況)
そうすると条件の引き上げ合戦になり、医院理念よりも考えてしまうのは隣の歯科医院の月給になります。
こうなると何を大切に経営をしていけばよいかわからなくなるでしょう。
高い給与を払うために医業収入をあげないといけない。
↓
医業収入があがらない際にはスタッフに目標数値を与えてしまう。
↓
数値ややることに追われてスタッフが退職してしまう。
↓
さらに高い給与で求人をかける。
このような悪循環になります。
一番良いのはつながり採用ですが、医院の状態が良くない中ではどんなにつながり採用を依頼したとしてもまったく応募は増えません。
実習生が来ていたとしても全く応募につながりません。
大きな理由はコミュニケーションです。
コロナの環境もあり、それぞれと話す時間が大きく減少しました。
実習生と面談をした時になぜ勤務しないのかを聞くことがあります。
すると、必ず口にするのは職場の雰囲気です。それは診療中よりも休憩時間の声掛けや話しているか、派閥があるかをよく見ています。
私が聞いた中でも特徴的な発言はとてもやる気のある実習生の一言でした。「チェアで昼寝している医院には行きたくない」
このような方は稀かもしれませんが、その通りだと感じました。
これから色々なことを覚えていきたいと思っている時に見ている先輩がチェアで寝ている、文句ばっかり言っている、だるそうに働いていると自分の未来像と重ね、就職する気にはならないでしょう。
日常会話もほとんどせず、お昼も別々で食べる、最後だけ「うちによかったら就職しない?」と言われても実習生は返答に困ります。
素晴らしいスタッフが多い医院には素晴らしいスタッフが集まり続けます。それは先輩スタッフを応募者が見ているからです。
このような医院は面接も丁寧に行われていて、スタッフ自身も面接に関わっています。
面接時にスタッフが話すことは院長や先輩から伝えられている【理念】なのです。
「うちにはこういう理念があって、私はこういう場面で感じています。」
など具体的な話をすることで応募者の理解が深まり、意欲も高まります。
もちろんこの時に熱意についていけないスタッフが出ることもあるでしょう。それはそれで良いことです。
採用しないことが問題ではなく、採用してはいけない人を採用した際に問題は発生します。
既存の組織に悪影響を与え、患者様も雰囲気の悪さを感じ、医院は崩壊していきます。
軸をぶらさないためにも共通言語である【医院理念】は必要なのです。
医院理念と経営理念
ちなみに医院理念と経営理念は大きく異なります。
医院理念は【目指すべき医院の価値観を表すもの】で普遍的なものであることが多いです。
経営理念は時代の流れによっては様々な方向性に変化していく可能性もあります。世代における体制などで柔軟に対応していきます。
医院理念は5年、10年、15年経過したとしても変わらないものなのです。
医院理念を明確にする事は従業員に対してどの方向性に向けて進んでいくかを伝えることです。
多くの歯科医院では理念を共有できていません。
最近ではこのような理念を立てること自体が宗教であると騒ぐスタッフもいます。この傾向は非常に残念です。
理念なき経営で成長している企業はあるのでしょうか。
方向性や医院の存在価値を共有するだけで宗教じみていると非難する人は組織には合わないと思います。そういう人は正しいことであっても自分軸でしか考えられず、組織にとって必ずマイナスになります。
また現在歯科医院に勤めているスタッフがそのような発言に対して正しく意味付けをできる環境も整える必要があります。
既存のスタッフが強く医院理念を信じ、言葉にできているチームは方向性が揃い、推進力も非常に高いです。
強い組織を創るためには組織論や客観的なアドバイスが必要になることもあります。
他医院の事例を聞いてみたい、相談したいという方はお気軽にご相談ください。
1医院1回限りではありますが、無料経営相談も不定期開催しておりますので日程を案内いたします。
理念の共有をしていない医院はしっかりと現状を分析して、行動をしてみてください。