線路を敷くことまで求めてはいけない

スタッフ教育

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皆さん、こんにちは。歯科医院地域一番実践会 地域一番化マスター 岩渕龍正です。

 

院長先生から「スタッフが自分の頭で考えようとしない」「言われたことしかやらない」「自分が指示を出さないと全く動かない」という悩みを聞くことが非常に多くあります。
もちろん、スタッフが自分の頭で考えて、自分で行動できるようになれば最高です。

日々の診療の中で、どう動くか、次に何をするべきなのか?
といったことは経験を積んでテクニカルスキルが上がってくれば2-3年でできるようになるのではないでしょうか?

しかし、これができるようになると、次に院長先生が求め始めるのが

・どうやったら、もっと矯正の精検数を増やすことが出来るか
・どうやったら、小児の患者数を増やすことが出来るのか
・どうやったら、キャンセルを減らすことが出来るのか
・どうやったら、自費をもっと増やせるか
・どうやったら、もっといいスタッフを採用できるか

といったことに変わってきます。
もちろん、ここまで考えて、自分から行動を起こせるスタッフもいます。
ただ、それは非常に稀な例です。

経営塾に参加して、自分が成長する楽しさを実感し、自分から経営塾に継続して参加するようなスタッフはその領域まで到達しています。
経営塾に参加すると、そのようなスタッフが結構、ゴロゴロいるので、「なんで、うちの医院のスタッフはこうじゃないんだ?」と憤り、イライラしてスタッフに当たってしまう院長先生が結構、いるのですが、それは本当に止めたほうが良いです。

経営塾に参加してもいないスタッフと経営塾に何年も参加してるスタッフを比べるのはまず、止めた方が良いですね。
経営塾に参加していたとしても、自分から継続して何年も参加しているスタッフと医院から言われて仕方なく参加してるスタッフを比べないほうが良いですね。

経営塾にはゴロゴロいても、上記のようなレベルにまで到達してるスタッフは平均すれば千人中1人もいないのではないでしょうか?

一般企業であっても、そこまでちゃんと考えて、自分から行動を起こせる社員は100人中1人ぐらいではないでしょうか?
しかも、一般企業の人たちはかなり高い給与、条件をもらっているにもかかわらず、それぐらいです。

歯科医院で、そこまで給与も高くないし、勤続年数も短いし、年齢も社会人経験も少ない女性スタッフにそこまで求めるのはハッキリ言って求め過ぎです。
その期待に応えられる、応えたいと思ってくれてるスタッフにそこまで求めるのは良いと思います。しかし、ほぼ99%のスタッフはそこまで求めるのは止めてほしいと思ってるし、もし、そこまで求めるのであればもっと高い給与をもらわないと無理でしょと思ってるはずです。

「じゃあ、どうすりゃいいんだ?」と思うかもしれません。
ちなみに、高い給与を支給したからといって、上記のようなレベルを求めて、期待に応えてくれるとは限りませんので、きちんと期待に応えてくれそうな人にだけ、高い給与や賞与を支給することをおススメします。

それで、「どうすればいいか?」についての答えですが・・・

院長がどうすればいいかを考えて、明確な指示を出すこと

これが答えです。
つまり、求めても無理なことを求めるから、お互いの関係性も壊れてしまうのです。
であれば、最初から、そこは求めずに院長自身がちゃんと問題の解決策を考えて、詳細を詰めたうえで、提案する、明確な指示を出せばいいのです。

明確な指示を出せれば、それをやってくれる可能性は高まります。

例えば、どうやったら、キャンセルを減らすことが出来るのか?

多くの人がこのような場合、他ではこうやってるからという理由で、何も考えずに、その解決策をそのままやってしまうのです。
医院によっても状況は異なります。それを踏まえて、自分の医院のキャンセルの状況を先ずは、しっかり情報収集したほうが良いですね。

キャンセルの多い時間帯
キャンセルする人の特徴
キャンセルする理由
キャンセルした後、予約を取れてれる率はどれぐらいか?
逆に、次回の予約が決まらず、そのまま中断になってしまう率はどれぐらいか?

最低限、これぐらいの情報収集はしたほうが良いのではないでしょうか?
ただ、そうはいっても、歯科医院の受付では、そこまでの詳細な集計ができてるかというと、現実的には難しいです。
であれば、ざっくりでもいいので、受付スタッフさんにどれぐらいになりそうか?話を聞かせてもらうのです。

ある程度のずれはあったとしても、多くズレることはないからです。

じゃあ、その上で、キャンセル対策として、どのような方法があるのかをリストアップしていきます。
ここで、キャンセル対策として有効だと思われる方法を全然、知らないのであれば、解決はほぼ難しいですね。

常に問題は起きます。その問題や課題の解決策としての情報、選択肢をどれぐらい院長が持っているのかはかなり医院の成否を左右すると言っても良いぐらい重要なポイントなのです。
しかし、院長自身がそのような情報収集を行っていないために、情報格差委は経営格差委につながっていくのです。

この選択肢の中から、医院で収集した情報にマッチして良そうな選択肢を採用していきます。
それに決定したら、後はミーティングなどで詳細などを詰めて、明確な指示を院長から出して、実行を着実にやっていくだけです。

ここまでは院長が自分でやらないといけないのに、この重要なプロセスまでスタッフに求めるのは求め過ぎになり、結局、何も進まないということになりかねません。
それでいて、院長先生としては「スタッフに自分の頭で考えられるスタッフになってほしいから、これを変えるつもりはない」とか言われてしまうのです。

そうすると、全然、医院が変わっていかず、成長が停滞していってしまいます。
そのような停滞にハマらないためにも、院長が重要な問題解決策や明確な指示を出していくことが医院の生産性を上げるために重要なのです。
是非、そこを理解していただいた上で、スタッフに線路を敷くことまでは求めず、院長自身が線路を敷き、電車を設置し、ダイヤを構築し、日々の運航をスタッフにお願いする流れにすることをおススメします。

投稿者プロフィール

岩渕 龍正
岩渕 龍正
歯科医院の移転、リニューアルの際の図面作成には絶対の自信を持つ。
現在は、年間医業収入1億円以上の医院が3億円を目指すための仕組みづくり、組織作りに力を入れている。
歯科界での突出した実績は歯科業界以外からも注目を浴びている。
近年は夫婦で医院経営も家庭も成功させる「夫婦成功」にも力を入れている。
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