歯科医院経営でデフォルト効果を活用する

院内マーケティング

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こんにちは。
経営戦略研究所株式会社 コンサルタントの山ノ内です。

今日は、「デフォルト効果」の活用法について話していきたいと思います。
「デフォルト」も色んな意味があるようですが、ここで取り扱う「デフォルト」は「初期設定」の意味合いです。ナッジ理論でのテクニックの一つとして有名です。これが歯科業界でも活用できる手法なんです。その前に、有名な事例について紹介します。

デフォルト効果を活用した他業界の例(臓器提供の同意率)

デフォルト効果の例としてよく挙げられるのが、オーストリアやフランスが取り入れている臓器提供の同意です。

ドイツや日本は提供しても良い臓器をチェックする形式(オプト・イン)です。

一方で、オーストリアやフランスは原則、全ての臓器を提供することが初期設定され、提供したくない臓器を意思表示するという形式(オプト・アウト)になっています。

オプト・インの形式を取っていたドイツの臓器提供の同意率は約12%、オプト・アウトの形式を取っていたオーストリアの臓器提供の同意率は約99%という結果が出ています。

このちょっとした「違い」が臓器提供の同意率に大きく影響しています。

これは、単純に変更が面倒くさいということもあると思いますが、変えることによるリスクを取りたくないという心理的な影響もあると言われています。

 

このデフォルト効果を上手く活用することで、

新患UP

自費UP

メインテナンスUP

中断防止 etc

歯科医院経営においてプラスの効果をもたらすことができます。このページでは、その一部を紹介したいと思います。

デフォルト効果を活用したSMSリマインド通知登録者数UP

例えば、SMS(ショートメールサービス)による予約前事前案内です。

初診の問診表でSMSに同意する人はチェックする形式(オプト・イン)にしている医院さんが結構あります。それ自体は悪いことでないですし、ごく自然な流れだと思います。ただ、SMSへの同意率が悪いですし、同意しない人に限って遅刻や予約を忘れたりします。これだとせっかく導入したSMS機能の効果が半減します。

なので、原則SMSを使用することを問診票などに記載し、不具合ある場合にはスタッフに申し出てもらう形式(オプト・アウトっぽく)に変更すると、同意率がグンッと上がります。このちょっとした工夫が時間経過とともに大きな差を生みます。

 

デフォルト効果を活用した診察券アプリのダウンロード者数UP

こちらも原則診察券アプリをダウンロードとし、紙の診察券で対応する場合は500円近く費用が発生するようにした方が良いかと思います。実際、紙の診察券はコスト(材料、手間)が発生していますので。

ちなみに、このような診察券アプリを普及させ、患者さんのお口の画像のやりとりなどの患者さん情報がアプリ内にどんどんストックされていくと患者さんも他院さんに切り替える可能性が低くなっていきます。特に小児患者さんの場合だとママさんたちにとって子供も成長は宝物ような思いでになります。その成長の変遷がアプリケーション内に貯蓄されていたら、他の医院さんに移って、思い出の画像を失ってしまうのはとても心苦しいと思います。

このように他の同業他社(医院の場合は他院でしょうか)に切り替える時に生じる費用・手間・心理的負担を上げることを「スイッチングコストを高める」と言ったりもします。

一般的に治療中でなければ歯科医院のスイッチングコストは低いです。特に、メインテナンスは何も取り組みをしていない場合は相当低いと思います。スイッチングコストを高める取り組みをどんどんしていくのは大事な取り組みだと考えています。

デフォルト効果を活用したLINE公式アカウントの登録数UP

最近では、LINE公式アカウントを使用した予約事前案内ができるアポイントシステムも増えました。既にSMSを導入し、多くの患者さんが登録されている場合は検討が必要ですが、まだSMSも導入していない、またはSMSの活用数が少ないようであれば、LINE公式アカウントによる予約事前案内も良いかと思います。

なぜなら、LINE公式アカウント登録してもらえることで、予約事前案内だけでなく、ダイレクトに患者さんへの情報発信できるからです。予約事前案内をするという大義名分があれば、LINE公式アカウント者数はデフォルト効果で一気に増やすことも可能です。

ただ、一つ注意したいのは、アポイントシステムによっては、医院のLINE公式アカウントと事前予約案内をするLINE公式アカウントを別々に作らなければいけない場合があります。別々につくると、LINE公式アカウントの効果が半減するというか、むしろ二重登録で煩雑化して害を生む可能性があります。医院のLINE公式アカウントで予約事前案内ができるかどうかを導入しているアポイントシステム会社さんに確認して、導入するかどうか決められると良いかと思います。

リマインド通知以外にも、コロナ禍の流れを上手く活用し、資料のペーパーレス化という名目で配布資料をLINE公式アカウントで送付することをデフォルトにして登録者数を増やしている医院さんもあります。

 

デフォルト効果でメインテナンス患者を増やす

メインテナンス患者さんを増やす時の基本の「き」ですが、

「3か月後、4か月後先のことはわからないので予約できない」

と言われてしまうと、一歩引いてしまうスタッフさんもいます。その気持ちもわかるのですが、そこはマインドを切り替えることが大事です。

予約することで先延ばしせず・脱落せずに来院してもらえる、それは患者さんのお口の健康を守る上でも大切、という気持ちをしっかりと持って頂き取り組んでもらう。

そして、患者さんにもメリットになるように伝える。

例えば、
「多くの方がご予約するので早めに予約された方が好きな時間で予約が取れますよ」

という相手のメリットになることもしっかりと訴求すると良いかと思います。

デフォルト効果をGoogle口コミ数UPに活用する

昨今、新患数UPの成果に最も繋がるのがGoogle口コミです。

医院に対して好意的な思ってくれる人、満足度の高い人を自動的にGoogle口コミ投稿に誘導できると良いですよね?

完全な自動とまでは言いませんが、半自動的に誘導を促すことはできます。

弊社もその仕組みを考えて、多くの医院さんで口コミ数・しかも評価の高い口コミを獲得しています。詳しくは下記のURLから詳細を確認してください。

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事例の宝庫 経営塾ベーシックコース

今回紹介した事例は弊社が最も力を入れているセミナー、「経営塾ベーシックコース」に参加している医院さんなら当たり前のように触れている事例です。「デフォルト効果」の活用事例も多岐に渡ります。

診療圏(半径1.5キロ圏内に参加している医院があると参加できない)を設けており、参加したいからと言って必ず参加できるセミナーでもありません。実際、興味があるものの、参加を一年見送ったら、近くの医院さんが参加して、5年以上参加出来ていないという事例があるくらいです。離島でも診療圏が重なることもありました。興味がある方は大きな機会損失を起こさないためにも、お早めにお問合せください。

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投稿者プロフィール

山ノ内 友哉
山ノ内 友哉
管理栄養士過程の大学を卒業。男性では少ない管理栄養士の資格を取得し、栄養学と関連の深い大手食品会社系列の製薬品会社に営業職として入社する。
前職の在籍期間は約8年間、700床以上の基幹病院にて医師・コメディカルを巻き込んだ 疾患教室の立ち上げ支援で医療従事者間の信頼関係構築の基礎を習得。その後、東京都内の私立大学病院を担当。そこで、自社製品の「現状」と「あるべき姿」を明確化し、そのギャップを埋める活動を週間単位で落とし、新製品で約95%のシェアを確立する。課題解決の原則を実践し、自らに落とし込む。その評価を受け、最も影響力のある東京大学医学部附属病院を担当。
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