歯科医院で見られる2:6:2の法則

スタッフ教育

このブログは約 6 分で読めます

こんにちは。
経営戦略研究所の渡邊です。

今年も早いもので12月に入り、賞与支給の時期となりました。
賞与の支給にあたり評価することに頭を悩ませている
先生も多いのではないでしょうか。

人を評価するということは、本当に難しいことだと思います。

さて、本日はその“評価”に関係するテーマを取り上げたいと思います。
それは2:6:2の法則です。

使い古された感のあるこの法則ですが、多くの現場を経験し、
たくさんの人と関わる中で気づいたポイントがありますので、
簡単ではありますがお伝えしたいと思います。

2:6:2の法則の考え方を改めてまとめると、
2割が意欲的に働き、6割は普通に働き、2割は怠けてしまう。
仮に怠けている2割がいなくなったとしても
また新たな2割の怠け者が出てしまうという考え方が一般的だと思います。

この法則自体に特に根拠はないと思うのですが、経験則として
人間社会は集団心理が働くので、このような比率になることが多いような気がします。

しかし、私はこの“2割は怠ける”という表現は適切ではないと思っています。
この2:6:2の法則で起こることとして、一般的に言われているような現象
以外のケースも多々あると感じるからです。

あくまで私の経験則に基づいた話ですが、
評価などをする際の参考になればと思いご紹介いたします。

ケース① A医院の評価が低い2割はB医院の意欲的な2割と同等

ある高い基準で頑張っている医院の中で比較的評価が低い2割の方がいたとして、
その方々は他の医院ではトップ2割に入っているのではと感じるケースです。

しかし、実際に自医院内で見るとより優秀な2割を基準に考えてしまい、
評価の低い2割の方に出来ないレッテルを貼ってしまい
自信を喪失させてしまうということが起きています。

このようなことが起きないように、
自医院の中での最低ラインを決めて出来ている点や頑張っている点を
「認めてあげる」ことが、お互いにとって大事になってきます。

評価というと出来ていないことばかりを探してしまいがちですが、
評価の低い2割の方は確実に自信を失ってしまいます。

そうすると評価の高い2割との距離が出来てしまうので、
医院全体でミスコミュニケーションが起きやすくなり
全体もうまくいかないという状況が発生したりします。

また、ついていけず最悪退職につながると
新たに採用ということになると思います。

新たに採用される方は一からのスタートであるため、
右肩あがりで成長していきたい医院の思いとは逆に、
育成の時間等でブレーキがかかってくるので注意が必要です。

ケース② 評価が低い2割の方は意欲的な2割になることももちろんある

評価の低い2割の方を私は次のように考えています。

“今は”評価が低い方

私は面談をする時には常に“今”のコンディションに目を向け、
過去にはあまりこだわらないようにしています。
言い換えれば「この人はこういう人」という画一的な
レッテルを貼らないようにしているということです。

それは対峙しているのはロボットではなく、人間だからです。
ロボットのように毎回同じことを考え、動くわけがありません。

もちろんそんなに人が変わらないということはあると思います。
しかし、絶対ではないと思います。

また、ラベリング効果という考えが有名ですが、
私は恐ろしい効果があると思っています。
周りから出来ないというレッテルを貼られていると、
本当にそうふるまっていってしまうというケースが多いように感じます。

私の面談では、
今目の前にいる〇〇さんが今後よくなる可能性を信じ、
その時にコンディションが悪ければ励まし、
悪い考え方をしていれば叱り、
良ければ褒める
という考えで向きあうようにしています。

そうして信頼関係を築けていると、
いざという時、例えばチーフが産休に入ったタイミングなどに
今までの頑張りが花開くというケースがこれまでもたくさんありました。

ケース③ リーダーが変われば、人も変わる

これは前職時代に思っていたことですが、どのリーダーの下にいるか、
どのメンバーと一緒に働くかということで、驚くほど人のパフォーマンスは変わります。

つまり、今評価が低い2割の方はリーダーとの関係で
そうなっている可能性があるということです。

実際に私も前職時代に、自分のチームで働いていたメンバーが、
他のチームに行った時に大活躍したり、
もちろんその逆のケースもたくさん経験してきました。

相性と表現されることが多いですが、
少人数で診療を進めていく歯科医院にとって
この相性は侮れないと思います。

しっかりと向き合い、自分とあわないスタッフでも
活躍できる機会を作っていくことが重要だと思います。

チーフがいる場合はチーフに任せてみる、
育成で悩んでいるスタッフの同期がいる場合は
同期に励ましてもらうよう頼んでみるなど、
時には周りにお願いしてみるとうまくいくことがあるかもしれません。

最後に

2:6:2の法則はかなり高い確率で起きる現象だと感じます。
しかし、2:6:2の間の距離を縮めて、ある時は役割は入れ替わりながら、
全体で右上にあがっていくことで強い組織が作れると思います。

評価がどのような形であれ、人は一長一短。完璧な人はいません。
一人一人と向き合い、頑張りを認め、時には厳しいことも伝えながら、
一緒に歩んでいくことが医院の成長につながっていくと思います。

今年も残り僅かですが、良い1年になることを願っています!

投稿者プロフィール

渡邉 健二
渡邉 健二
早稲田大学卒業後、大手求人広告会社に新卒入社。
8年間の在籍中に2000社を超えるクライアントを担当。採用のノウハウを学ぶ。
社内ではセールスとマネジメントの異なる分野でMVPを受賞。また、育成したメンバーから全社MVPを輩出。人の強みを活かす育成・プロジェクト運営を軸に、成果を出している。
プロフィール紹介

現在、申込受付中のセミナー

タイトルとURLをコピーしました