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実践会ブログを御覧の皆さん、
こんにち(ばん)は。歯科医院地域一番実践会の染谷です。
突然ですが、なぞかけを一つ。
「大谷翔平とかけまして、歯科医院経営と説きます」
そのこころは…
「どっちも、『ええモン』入れよう思たら、とんでもない金が動きますわ」
と、いうのは生成AIにといかけて、返ってきた回答です。
というわけで、せっかくなのでこのお題というか回答に沿って私なりの解釈で今日はブログを書きたいと思います。
なぜ、このようなことをしたか??
それは「大谷翔平 歯医者(歯科)」で調べたときに上位に出てきて、アクセスが増え、SEO効果があるのでは?という仮説のもと今に至っていると。乱心ではありません。
なので「不謹慎な!」とお叱りのお言葉は控えてください。単なるおふざけではありません。(おふざけかもですが)
そして、むしろ、これからの歯科医院経営の本質を突いた言葉だと、私は本気で思っています。(思っていることにします。)
大谷翔平選手。皆さんもご存じ、彼の契約金は、もはや天文学的数字です。
10年総額7億ドル(当時のレートで約1015億円)。ゼロの数を数えるだけで目が眩みそうです。 ドジャースは、なぜそんな「とんでもない金」を動かしてまで、彼という「ええモン」をチームに「入れた」のでしょうか。
片や、歯科医院経営。 先生方のクリニックにも「ええモン」があります。
インプラント、セラミック、精密な技術を要する矯正治療…。いわゆる「自費診療」です。
これらも患者さんにとっては「とんでもない金」が動く決断です。
大谷選手の年俸を聞いて「高すぎる」と誰も言わない(むしろ安いとすら言う専門家もいる)のに、なぜ歯科の自費診療は「高い」と一言で片付けられてしまうことがあるのでしょうか。
本日は、この「大谷翔平と歯科医院経営」という異色のテーマから、先生方の医院が「とんでもない金(=対価)」を払ってでも「ぜひお願いしたい」と患者さんから熱望される存在になるためのヒントを探ってまいりたいと思います。
価値の可視化 〜大谷選手の「1015億円」の内訳〜
まず、大谷選手になぜ7億ドルもの価値がついたのか。その「ええモン」たる所以を分解してみましょう。
- 圧倒的な「本業」の成果(二刀流)
言うまでもありません。投手としてエース級、打者としてホームラン王。これは野球界の常識を破壊する「唯一無二」の価値です。どちらか一つでもメジャーで一流ですが、彼は二つを同時に最高レベルで実現しています。 - 計り知れない経済効果(広告塔)
彼の入団が発表されただけで、ユニフォームの売上は過去最高を記録。
観客動員数、スポンサー収入などなど。彼が動けば、球団の懐に「本業」以外のお金が何倍にもなって返ってくることが約束されています。
実際に日本企業の球場の看板も増えたとかニュースで見ました。それだけでペイしたとか? - プロフェッショナリズムと人間性(ブランド)
グラウンドのゴミを拾う姿、チームメイトへの配慮、ファンサービス、そして何より野球に対する真摯な姿勢。彼は「大谷翔平」というブランドそのものです。スキャンダルリスクが極めて低く、子供たちの模範であり、組織(チーム)にとってこの上ない「資産」になっている。
さて、これを先生方のクリニックに置き換えてみましょう。 先生方の医院の「ええモン(自費診療)」の価値は、どうでしょうか。
- 「本業」の成果(技術力)
「このインプラントは、他の医院では絶対に真似できない」 「この審美治療は、10年後も寸分の狂いなく機能し続ける」
先生方が日々研鑽されている「技術力」こそが、大谷選手の二刀流に相当します。
保険診療という「並」のルールでは実現不可能な、最善の治療を提供する。
これが大前提です。(決して、送られてきたものをクリンチェックせずポチは言語道断だと思います。) - 計り知れない「付加価値」(患者体験)
しかし、技術だけでは「ええモン」にはなりません。- 最新のCTやマイクロスコープによる精密な診断(=データ分析力)
- 徹底した衛生管理と、痛みや不安を取り除く院内環境(=最高のコンディション調整)
- 患者さんの話を徹底的に聞くカウンセリングの時間(=ファンサービス)
- 完璧なオペレーションと、スタッフ全員のホスピタリティ(=チームワーク)
これら全てが「治療」という本業を取り巻く「経済効果(=患者満足度)」です。
- 医院としての「在り方」(理念・ブランド)
そして最も重要なのが、これ。
院長先生の「哲学(理念)」です。なぜ開業したのか。患者さんにどうなってほしいのか。
大谷選手が「世界一の選手になる」というビジョンでファンを魅了するように、先生の医院は「〇〇市から虫歯をなくす」「全ての患者さんに、笑顔で食事できる喜びを提供する」という明確な「理念」で患者さんを惹きつけているでしょうか。出典:https://baseballking.jp/ns/137970/
大谷選手の7億ドルは「野球が上手いから」だけではありません。彼がもたらす「未来への期待値」と「絶対的な信頼」に対する投資です。
先生方の自費診療も同じなのではないでしょうか。
「良い材料を使っているから高い」のではないと思います。
「先生の技術と、この医院の理念が可能にする、患者さんの明るい未来(QOLの向上)と、治療後の長期的な安心」に対する投資、と思ってもらえるかが重要になってくると思います。

「高い」と言わせない。大谷翔平に学ぶ「準備」の哲学
「ええモン」の価値が分かったとして、次にぶつかる壁が「どうやって患者さんに伝えるか」です。
大谷選手は、自分の価値をプレゼンしたでしょうか? 「僕は二刀流ができます。スポンサーもたくさん呼びます。だから7億ドルください」 言いません。彼がやっているのは、ただ一つ。
「圧倒的な準備」
と
「結果を出すこと」です。
彼が高校時代に作ったマンダラチャートはめちゃくちゃ有名です。 「ドラフト1位 8球団」という目標を達成するために、「体づくり」「コントロール」「キレ」「メンタル」「スピード160km/h」「人間性」「運」「変化球」という8つの要素を定め、さらにそれぞれを達成するための具体的な行動8つを書き出しています。

院長の先生方。医院経営のマンダラチャート、作っておられますか?
例えば、医院の目標が「地域で最も信頼される自費メインの歯科医院になる」だとします。
そのために必要な要素は?
- 技術(キレ)
最新のインプラント術式の習得、マイクロエンドの技術向上… - 設備(体づくり)
CT導入、CAD/CAMの更新… - 接遇(人間性)
スタッフの接遇マナー研修、患者さんへの声かけ徹底… - コンサル(メンタル)
患者さんの潜在ニーズを引き出すカウンセリング技術の習得… - マーケティング(運)
HPの症例写真更新、患者さんの声(症例集)の収集、紹介システム構築… - チームビルド(変化球)
スタッフ満足度の向上、理念の共有…
大谷選手が、あの膨大なマンダラチャートを日々実践し、「準備」し続けた結果が「7億ドル」という評価につながったのです。
彼は「契約」のために野球をしているのではなく、「世界一になる」ために準備をしていたら、結果としてとんでもない金が動いただけです。
歯科医院経営も同じではないでしょうか。
「自費率を上げる」ためにコンサルを導入する(=テクニックに走る)のではありません。
「患者さんに最高の医療を届ける」ために、医院としてできる「準備」を徹底的に行う。
技術、設備、接遇、空間、システム…その全てを大谷選手レベルで突き詰める。
その「準備」の積み重ねが、患者さんに「ここの医院は他と何かが違う」「この先生になら任せられる」という「信頼」として伝わります。
「先生のおすすめの、一番『ええモン』でお願いします」
患者さんからこの言葉を引き出すのは、流暢なセールストークではありません。
先生とスタッフ全員が、日々積み重ねている「圧倒的な準備」の姿勢そのものなのです。
「ええモン」を入れた後。契約(治療)はゴールではない
大谷選手の契約で世界が驚いた、もう一つのポイント。 それは「後払い」です。
7億ドルのうち、97%にあたる6億8000万ドルを契約終了後(10年後)に受け取るという内容でした。
彼はなぜ、目先の「とんでもない金」を受け取らなかったのか。
それは、球団がその資金を「補強」に回し、チームが「勝つ」ことを最優先したからです。
彼は「自分の高額契約」よりも、「チームの勝利」を選んだのです。
これこそ、歯科医院経営における最大の「気づき」ではないでしょうか。
自費診療は、契約(=治療完了)がゴールではありません。
「ええモン」を入れた瞬間がゴールではないのです。
インプラントを入れた。セラミックを入れた。
それは、患者さんが「快適に食事できる」「人前で自信を持って笑える」という「勝利(=QOLの向上)」を手にするためのスタートラインに過ぎません。
その「勝利」を、10年後、20年後も維持し続けてもらうこと。 そのために、医院(チーム)は何をすべきか。 それが「メインテナンス」であり「長期的な関係構築」です。
もし先生の医院が、「自費診療が入った。売上が上がった。はい、おしまい」というスタンス(=目先の金を受け取る)なら、患者さんは「高い買い物をさせられた」と感じるかもしれません。
そうではなく、 「〇〇さんが、この『ええモン』で一生快適に過ごせるよう、これからは私たちが『チーム』として全力でサポートします。そのために、定期的なメインテナンスに来てください。それが、私たちが目指す『勝利』です」 という姿勢(=チームの勝利を優先する)を見せること。
大谷選手が「後払い」を選んだことで、ドジャースファンだけでなく、全米の野球ファンが彼へのリスペクトを深めました。
先生の医院が「治療後」のサポートを徹底することで、患者さんは「この医院を選んで本当に良かった」と、先生の「ファン」になるのです。
その「ファン」になってくれた患者さんが、また別の患者さんを紹介してくれる。
目先の利益(自費契約)ではなく、長期的な勝利(患者さんの健康と信頼)を追求する姿勢こそが、結果として医院に「とんでもない金(=安定した経営)」をもたらすのです。

大谷翔平のように、「価値」で選ばれる医院になるために
なぞかけに戻りましょう。
「大谷翔平とかけまして、歯科医院経営と説きます
そのこころは…どっちも、『ええモン』入れよう思たら、とんでもない金が動きますわ」
大谷翔平という「ええモン」は、彼一人の才能で成り立っているのではありません。 彼を支えるトレーナー、データアナリスト、通訳(一平除く)、そして彼の哲学に共鳴するチームメイト。
全てが揃って「大谷翔平」という価値を生み出しています。
先生の医院も同じです。
院長の技術という「ええモン」は、それだけでは患者さんには届きません。
先生の理念に共鳴するスタッフ(チーム)、最新の設備、快適な空間、そして何より「患者さんに勝ってほしい」と願う真摯な姿勢。
それら全てが揃ったとき、先生の医院は「唯一無二の価値」を持つブランドとなります。
保険診療が「並」の治療だとすれば、 自費診療は「ええモン」であり、患者さんの人生を変える「未来への投資」です。
その「投資」に値するだけの「圧倒的な準備」を、我々はできているか。
その「価値」を、患者さんに伝わる形で「可視化」できているか。
そして、治療後も「チームの勝利」のために、患者さんに寄り添い続けているか。
「あそこの歯医者、高いねん」 ではなく、 「あそこの先生は、まるで大谷選手みたいや。あそこにお願いしとけば間違いない。『ええモン』入れてもろたわ」
患者さんにそう言わしめる医院づくり。
大谷選手が私たちに見せてくれる「プロフェッショナリズム」から、明日からの診療のヒントを見出していただければ幸いです。
…お後がよろしいようで。
そして、上記のような医院を達成するためには、以下がおすすめです。













