デジタル時代だからこそ求められる「アナログ力」

成功哲学・成功法則

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皆さん、こんにちは。
歯科医院地域一番実践会 コンサルタントの山下です。

 

近年、ChatGPTやGeminiといった革新的なAIツールが次々と登場し、私たちの働き方や日常の情報収集の方法を大きく変えつつあります。

 

実際に、私のクライアントである歯科医院の中にも、AIを積極的に活用してマーケティングを展開している医院が増えてきました。

また、予約管理システム、自動受付システム、SNS運用、Google広告など、医療業界におけるデジタル化の流れはますます加速しており、この変化に対応できるかどうかが医院経営の明暗を分けることは間違いありません。

 

しかし同時に、私は「デジタル化が進むからこそ見失ってはいけないもの」があると強く感じています。
それは――デジタルに依存しすぎない姿勢です。

■デジタル依存の危うさ

わかりやすい例がGoogle広告です。

私が歯科業界に携わり始めた8年前、多くの先生方は「Google広告って何?」という状態でした。しかし今では多くの歯科医院が当然のように広告を出稿し、新患獲得の主要な手段となっています。

 

結果として、「新患を増やす=広告を出す」という図式が半ば常識化し、患者数が減少すると「広告費を増やせばよい」と考える医院が少なくありません。

 

もちろん、広告の活用自体は誤りではありません。しかし、広告だけに依存するのは非常にリスクの高い戦略です。

 

なぜなら、情報が溢れかえる現在の社会において、患者さんは何が正しいのか判断できなくなりつつあるからです。さらに、クリック単価の上昇や広告疲れといった要因により、以前ほどの費用対効果が得られにくくなっています。

 

便利になればなるほど利用者は増え、競争は激化する――これは原理原則です。

 

■デジタルだけでは差別化できない時代

このような環境下で重要になるのが、「デジタルとアナログをいかに組み合わせるか」という視点です。

 

デジタル情報が氾濫する現代において、最も信頼できるものは「人」と「リアルな体験」です。

例えば、あるクライアント医院は広告費を一切かけていませんが、新規患者数を安定的に獲得し続けています。その理由は、接遇力の高さにあります。スタッフ全員が明るい表情で患者さんを迎え、患者さん一人ひとりに寄り添った最適なコミュニケーションを徹底しています。

 

しかし、これは一朝一夕で実現できるものではありません。院内で意識を統一し、接遇スキルを共有し、報告・連絡・相談の仕組みを確立して初めて成り立つものです。こうした地道な取り組みの積み重ねこそが、選ばれる理由となるのです。

 

■採用活動における「アナログ力」

採用においても同様です。現在は、求人票を衛生士学校へ代理で送付してくれる便利なサービスがあります。確かに効率的で、多くの医院が利用しています。

 

ところが、ある衛生士学校の先生から私はこんな話を伺いました。
「昔は院長先生が直接学校に挨拶に来てくれていましたが、最近はほとんど見かけません」と。

 

思い返せば、かつては院長先生がスタッフを連れて学校を訪問し、交流を深める姿がよく見られました。しかし、便利なサービスの普及とともに、こうした“アナログな取り組み”は影を潜めています。

 

実際に、私がアドバイスした院長先生が久しぶりにスタッフと一緒に学校を訪問したところ、その場で就職希望の学生を紹介してもらうという出来事がありました。これこそが、「人」と「リアルな体験」の持つ力です。

 

■デジタルとアナログのバランスを取る

もちろん、デジタルを否定するつもりはありません。むしろ、デジタルを最大限に活用しつつ、その一方でアナログの価値を見直すことこそが、これからの歯科医院経営の鍵になると考えています。

例えば――

  • 患者紹介制度:目の前の患者さんから自然に紹介が生まれる仕組みを整える
  • 医院前のパンフレット設置:気軽に手に取れる資料で地域住民へ情報発信
  • 看板の工夫:医院の前を通る人の目を引くデザイン・キャッチコピー
  • 衛生士学校の訪問:直接会って信頼関係を築く
  • 地域イベントへの参加:住民と顔を合わせ、医院の存在を知ってもらう

こうした取り組みは時間と労力がかかります。しかし、それこそが他院との差別化につながり、長期的には広告以上の成果を生み出す可能性があります。

 

■まとめ ― 時代の逆を行く勇気

デジタル化が加速する今だからこそ、「アナログ」に価値が生まれています。
全てをシステムに任せるのではなく、人の力を信じ、患者さんや学生とのリアルな接点を大切にする。

時代の流れにただ乗るのではなく、あえて逆を行く。
それが、これからの歯科医院経営における大切な戦略の一つではないでしょうか。

 

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