AI化が進むこの時代に“人”に求められることはなにか?

歯科医院経営ブログ

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皆さん、こんにちは。
歯科医院地域一番実践会のコンサルタント、山下です。

 

本日は、「AI化が進むこの時代に“人”に求められることはなにか?」というテーマでお話をさせていただきます。

 

皆様もご存知の通り、近年、AI(人工知能)の進化は凄まじいスピードで進行しています。
ChatGPTをはじめ、Google Gemini、Notion AI、Canvaなど、かつては人の手によって行われていた作業の多くが、瞬時に、しかも高精度でAIによってこなせる時代が到来しています。

 

今後もAIの進化は加速し、さらに多くのAIツールが開発されていくことでしょう。
これからの時代は、まさに「AIをいかに使いこなすか」が、個人にも組織にも問われる重要なテーマになっていくと考えています。

 

歯科医院経営においても例外ではありません。

 

実際に、私のクライアントの中には、マーケティング部門を新設し、AIを積極的に活用している医院もあります。

SNS運用、デザイン、分析、資料作成など、従来であれば時間や手間のかかっていた業務が効率化され、スタッフ全員がより創造的な業務に集中できるようになっています。

こういった医院は例外なく、成長スピードが圧倒的です。

 

□AIと共存する時代に必要なのは、“人”の本質的な価値を見極めること

もちろん、AIは万能ではありません。
得意なこと、不得意なことがはっきりとあります。

AIは情報の整理や高速な処理、論理的な分析には極めて長けていますが、人の感情や表情の機微、ニュアンスといった「目に見えないもの」を読み取ることはまだまだ苦手です。

 

だからこそ、これからの時代においては、AIが担うべき領域と、“人”が注力すべき領域を明確に分け、選択と集中を徹底していくことが、組織としての強さを生み出す鍵になるのです。

 

そして、人間にしかできないこと。それは間違いなく、「感情に寄り添うこと」だと私は考えています。

 

AIによって時間的余裕が生まれた今、その“余白”をどこに使うか。

それを「患者さんの気持ちに寄り添う時間」に投資できる医院こそが、これからのAI時代を生き抜く勝者になるのではないでしょうか。

 

□感情に寄り添う医療とは何か?カウンセリングの“細分化”がカギを握る

患者さんの感情に寄り添うとは、どういうことか。

私はその一つの実践方法として、「カウンセリングの細分化」が必要だと考えています。

従来の歯科医院におけるカウンセリングといえば、初診カウンセリング、セカンドカウンセリング、補綴カウンセリングが中心でした。

これだけでも、一般的な医院から見れば十分にレベルの高い取り組みです。

しかし、現状としては私のクライアント医院の多くがこのカウンセリングシステムをすでに導入しています。

つまり、「差別化」だったものが「標準」になりつつあるのです。

これからは、“さらに一歩先のカウンセリング体験”を提供する医院でなければ、患者さんから選ばれにくくなる時代がやってきます。

 

感情を見える化し、設計することの重要性

では、どうカウンセリングをアップデートすべきか。
ポイントは、「患者さんの感情の流れを見える化すること」です。

 

例えば、私自身の体験を紹介します。
私は今年、保険のCRが入っていた箇所を自費のセラミックに置き換えました。

治療後しばらくしてふと、こんな疑問が生まれました。

 

「このセラミック、本当に汚れがつきにくいのだろうか?」

 

誰もが当たり前だと思っているような性能でも、患者側はその違いや価値を“実感”として得られていないことがあります。

一時的な納得ではなく、中長期的な安心感を提供できるかどうか。そこに差が生まれるのです。

 

たとえば、

  • インプラントを入れて3年経った今の状態はどうか?
  • 矯正後5年が経過した現在、かみ合わせは維持できているか?
  • セラミックの色調が、時間とともにどう見えるようになったか?

こういった感情や不安は、術後すぐには表に出てきません。

だからこそ、術後1年、3年、5年といった長期的な感情設計と、それに対応する「フォローアップ・カウンセリング」の仕組みが重要なのです。

 

感情設計の第一歩は「ペルソナ設定」

すべての患者さんの感情に寄り添うことは、現実的には難しいです。
だからこそ、まずは医院が来てほしいと考える理想の患者像(ペルソナ)を設定することがカギになります。

そのペルソナが治療中・治療後にどのような感情を抱くのか。
どのタイミングで不安になるのか。
どんな言葉をかけられたら安心するのか。

こういった感情の流れを、院長だけでなく、幹部ミーティングや全体ミーティングでスタッフと一緒に考えていくことが、これからの医院経営には不可欠です。

 

AIに負けない「人」の強みを活かした経営を

AIが進化するこの時代に、あえて“人”にしかできないことに向き合い、それを医院全体で磨いていく。

 

それこそが、AI時代において歯科医院が生き残るための最大の武器になると、私は信じています。

 

今後もAIの進化は止まりません。
ですが、人の感情に寄り添う力、心の機微を読み取る力は、人間だけが持つ“かけがえのない価値”です。

 

その価値を最大化するための第一歩として、
「カウンセリングのアップデート」から、始めてみてはいかがでしょうか。

 

 

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