歯科医院のM&A(売却、買取)の価格の算定方法とは?

歯科医院M&A

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歯科医院のM&Aにおける売買価格はどのように決まるのでしょうか?という質問を受けます。おそらく一番気になっているところだと思いますので、本日はこの売買価額についてどのように算定しているのかを書きたいと思います。

 

歯科医院のM&Aの場合、収益性は?(つまり、どの程度利益があるか)、財産価値は?(つまり、設備や不動産はいくらくらいの価値があるか)をベースに決定されることが多いです。

ただ、そのほかにも注意点がありますので、気を付けてまいりましょう。

 

1.収益性はどの程度かが重要

歯科医院の売買価額を検討するにあたり、譲受候補の医院が一番気になるのは、対象となる歯科医院の収益性、つまり儲かってるの?儲かってないの?黒字なの?赤字なの?黒字ならどのくらいの利益が残っているの?という点に尽きます。

収益的に黒字の場合、売買価額は利益やキャッシュフローの●年分(3年程度が多い気がします)といった目安で決定される場合があります。
(注意してほしいのは、これだけで決まるということではありません。あくまでも目安です。)

では、逆に収益が赤字で、毎年毎年赤字を出している場合です。
赤字だから医院の売却はできないか?というと、必ずしも売買が成立しないわけではありません。

では、何が重要かというと、赤字になっている要因がどこにあるかということの確認が必要です。

例えば、

  • 人件費が膨らんでいる
  • PL上の償却費が大きい
  • 人手不足により、治療が最小限になっている

など、少しテコ入れすれば黒字化に転じる可能性も考慮します。

 

1つの事例を上げたいと思います。今回のコロナ禍におけるキャッシュ状況の相談があった医院です。

年間約100万円の赤字、ただしそのなかにユニットなどの減価償却費が60万円含まれていました。また長年勤務してくれた歯科衛生士の退職、および7年勤務してくれた勤務医の開業により約120万円の人件費削減(ただ、新卒歯科衛生士1名25万円が新たに計上)できました。

この場合の収益性を簡単に見直してみると、今後は年間55万円(=▲100万円+60万円+120万円-25万円)のキャッシュフローが見込めます。一概にマイナスだからダメというわけではないのです。

もちろん冒頭に申し上げたように、収益性のみでなく財産価値の側面からも売買価額を見ていきます。

わかりやすく言うと資産の状況、負債はどうなっているのかといった項目ですね。

 

特に今回のコロナ禍のように、足元の収益が赤字だった李、業績が不透明な場合には、客観的に価値の測ることができる財産価値で売買価額が決まることもあります。

 

2.単純なデータのみでは決めることはできないことを心得る

売買価額を決めるうえで注意すべきポイントがあります。

私が過去に歯科医院だけでなく、実際に事業会社のM&Aを行った経験からお伝えすると、大きく3点です。

  • 長期にわたる財務諸表等を提出してもらう(できれば5年)
  • 今の経営状況(リソース)だけでなく、買収後の人員配置などを想定して収益性を予測
  • 簿外負債等の有無(従業員への未払給料、患者との訴訟など)

などでしょうか。

特に、簿外の負債については、売手の医院としては隠したいはずですのでしっかりと事前に見つけておかなければ、売買後の大きなトラブルに発展する可能性があります。

売り手の医院さんは、しっかりと開示することも信頼性において重要な判断になります。す。

 

なお、限られた情報や期間のなかで、買手候補の医院さんが詳細に検討することはかなり難しいのも現実です。
そのような場合には、弊社だけでなく、会計のプロ、法務のプロなど専門家に買収監査(デューデリジェンス)を依頼することも検討してはいかがでしょうか。

 

3.理論上の価額でクローズ(売買成立)しない場合も多い

収益性や財産価値は、売買価額を決めるうえでは、誰もが数字を見てわかる客観性があります。
しかし、実際の売買交渉ではこのように理論的な数字だけでは交渉が成立しないことも多いです。

「買手の借入を含めた手元資金の状況」、「売手が希望価額」を踏まえて落としどころが売買価額になることもあります。

例えば、勤務医(買手)が、「多少高く支払うことになってもどうしてもこれまで診てきた患者さんを診ながら独立したい」といったことや、院長(売手)が「体調不良で今後の診療がどうなるかわからないのでなるべく早く売却したい」といった各々の事情によって、価額も大きく変わるケースも見られます。

実際にある法人の分院で分院長に抜擢されたドクターが、そのままその医院を譲受したケースも多数あります。その際には、これまでの信頼関係のもと、売手である元理事長が門出を祝うような形で、かなり売却価額が安価だったこともあります。このような承継ケースはとても素晴らしいですよね。

ただし、資金状況を鑑みず無理な売買を行った場合、その後の経営計画などに大きな支障をきたしてしまう可能性があります。

また事業会社のM&Aでよくあるのが税務調査で問題となるケースです。これはあまりに実態と乖離した売買価額だった場合に指摘されることがあります。

ですので、心情面だけでなく、収益性や財産価値といった合理的な側面も捉える必要があります。

弊社は双方にとって、最適なご提案をさせていただきます。

 

M&Aコンサルティングに関して、詳しくは以下をご覧ください。

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投稿者プロフィール

染谷 東希
染谷 東希
慶応大学卒業後、投資コンサルティング会社に入社。2年連続売上No1達成。
工業系専門商社を経て、友人の父親が経営する会社再生のため新規事業に参画。
全く知識・経験がなかったWEBメディアを立ち上げ、開始わずか半年で月2千万円の利益が出る事業へと育てる。その発想力と実行力、マーケティング力で成果を出している。
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