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みなさんこんにちは!歯科医院地域一番実践会地域一番ディレクターの乙川です。
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私は既存医院のコンサルティングと新規開業の先生向けのコンサルティングを行っています。
新規開業の先生向けのコンサルティングを行う中で、
「これから開業を迎えますが、1ヶ月目に何をしたら良いですか?」
と質問をいただくことが多いです。
そのため、今回のブログでは、[開業初月にやっておくべき5つのこととは?]というテーマでお伝えさせていただきます。
まず、開業初月で最も重要な考え方として、PDCAサイクルを意識して取組を行っていただきたいということです。開業当初は、医院としての仕組化を行っていくことが最も重要です。
「開業成功のロケットスタートのためにはアポをしっかり入れる必要がある」
「チェアが空いている時間があると不安になる」
「とにかく診療を回していった方が良いのではないか」
このように考えている先生方は多いかもしれません。
確かに開業当初は、
「開業したもののこれからやっていけるのかどうか不安」
「内覧会である程度新患を確保できたけどいつまで継続できるのか」
「不安を解消するためにとにかく診療するしかない」
というような不安な気持ちが常に付きまとうと思います。
しかしながら開業当初は、開業前にいくら院内オペレーションを整えてもイレギュラーな事態が起こりやすく、その度に修正していくことが必要です。そのような状況下のまま、診療を進めても院長+スタッフともに疲弊してしまい医院が崩壊してしまうという結果に陥る可能性があります。開業初月は、医院のオペレーションを仕組化していくことがポイントになりますので、PDCAサイクルを上手に活用していきましょう。
・PLAN :計画を立てる
・DO :計画を元に実践する
・CHECK :実践した結果を確認する
・ACTION:改善して再度実践する
この流れで医院の仕組化を行っていきます。
また、一度仕組化してルールを決めた内容についても、
より効率的な方法が見つかり次第、継続的に修正していくことが重要です。
「これはこうと決めたので変更はしない」
というような固定的な考え方ではなく、
「そっちのやり方の方が良さそうだから変えてみよっか」
それくらいの温度感で取組を実施していく方が心のストレスは軽減されます。
開業当初はトライ&エラーの数が大切なので、積極的に実施していきましょう。
1番目:日計表記載
開業からロケットスタートを切っている医院様の特徴として、開業当初から数値管理を徹底しているという点です。歯科以外の業界でも、[何か事業を経営する上で数値管理は基本中の基本]であり、数値管理を継続して行っていくことで、どこを改善していくべきなのかが明確に分かります。そのために開業当初に行っていただきたい経営数値の項目としては下記です。
・新患数
・予約人数
・1日来院患者数
・急患人数
・リコール来院数
・保険点数
・自費金額
・TELキャンセル数
・無断キャンセル数
※右図をご覧いただけたらと思います。
上記以外にも、様々な数値を計測している医院様がありますので、先生方のご友人、先輩、つながりのある開業医の先生にどのような数値を計測しているかを聞いてみるのも良いと思います。
2番目:新患来院経路把握
別の動画でも新患来院経路を把握することの重要性をお伝えさせていただいておりますが、毎月どこから新規患者が来ているかを患者様の住所ベースで把握することが重要です。
ちなみに新患の来院経路を確認する理由としては下記が挙げられます。
・新規顧客獲得のために行っているマーケティング効果を確認して、マーケティングにかけているお金が適切かどうかを把握する。
⇒新規患者1名=1万円を基準にマーケティングを行いますが、多くの医院様では、一度マーケティングにお金をかけてから振返りをせずに、そのまま無駄なお金を垂れ流してしまっているケースが多く見られるので、効率良く新患マーケティングを行うためにも毎月必ず振返りを行いながら、改善を行うことが大切です。
・医院を中心として、新規患者の来院が半径何kmから来ているかを把握することで、今後のマーケティング手法を検討する。
⇒新規患者を獲得していくことで覚えておくべき重要なポイントがあります。
それは何かというと、[新患の診療圏は開業から時間が経つにつれて広がっていく]ということです。この考え方は、新規患者を獲得する上でとても重要なので覚えていただけたらと思います。開業当初は医院から近隣の患者様が来院されますが、ホームページSEO順位向上、MEO順位向上、紹介患者獲得、地域に根差した医院創りを行っていくことで、より遠方の患者様にご来院いただくことが可能になります。それを理解するためにも、新規患者がどこから来ているのかを把握することが重要なのです。
・何をきっかけに来院されているのかを確認する
来院経路を把握することで、地域の方々が何を見て来院しやすいのかを理解することができます。最近では、年齢に関わらず、スマホからのHP閲覧が増えていますが、医院の立地によって通りがかりの新規患者獲得が多かったりと傾向が顕著に現れますので継続して集計していくことが重要です。
3番目:カウンセリング回数カウント
取組を定着させるためには現状を把握することが必須のため、カウンセリングを実施した数を着実に集計していくことが重要です。開業当初の医院様は、やっていた取組が日々の診療の忙しさにより、いつのまにかやらなくなっていたということがよくあります。これから開業される医院様の場合、他院との差別化のためにもカウンセリングの定着が開業成功に直結しておりますので、継続して実施していきましょう。取組を継続するためには、いかにシンプルに簡易的にするかが重要ですので、医院に合ったやり方でカウンセリング回数の集計を行ってみてください。
4番目:ミーティング実施
冒頭のPDCAサイクルでもお伝えさせていただいた通り、いかに事前準備を徹底したとしても改善が必要なことが多く出てきます。スムーズな診療体制を構築していくためには、これらの改善点をどんどん修正していく必要がありますので、開業初月は、1週間に1回、30分程度時間を確保してミーティングを実施していくことが大切です。2ヶ月目以降でも、改善点が多くある場合には、ミーティングを継続して実施していく必要があります。
また、ミーティングで決まった事柄については、資料で可視化するとスタッフとも共有しやすいので、見やすい位置に掲示できると良いです。
ミーティングは院長✕スタッフがコミュニケーションを取る良い機会にもなります。
その理由として、開業前と開業後では、どうしてもコミュニケーションの量が減ってしまうので、スタッフの立場からすると、「開業してから院長先生が忙しそうなので、なかなか話しかけることができない」という意見を持っていることが多いです。そのため、スタッフとコミュニケーションを取ることができる貴重な場としてもミーティングを活用していただけたらと思います。
5番目:スタッフ面談
上記でもお伝えした通り、開業後はスタッフとコミュニケーションを取る機会が著しく少なくなるので、面談の時間を設けることが重要です。
また、よく院長先生方から聞くお話の内容で、
「スタッフがなかなかうまく動いてくれない」
「毎日気分の変化がある」
「スタッフが何を考えているかよく分からない」
ということがあります。
ここで院長先生に理解していただきたいポイントとしては、常にモチベーションが高いのは院長先生くらいだということです。理由として、院長先生は待ちに待った開業で多くの患者様にご来院いただき、「よしこれから頑張るぞ!」という状態だと思いますが、スタッフは新規開業という慣れない状況のなか、ストレスを感じながら日々の仕事を頑張っているわけです。そのような状態で、無理に取組を進めようとしてもなかなか進んでいきません。
そこで重要なのが、[面談でスタッフ一人ひとりの話を聞く時間を確保する]ということです。なお、面談は院長先生が意見を言う場ではないことに気をつけていただけたらと思います。面談のポイントについて下記をさせていただきます。
・月1回必ず実施する
・30分程度時間を確保する
・とにかく話を聞くことに徹する
・一方的に意見を言わない
・出てきた意見について改善できるところは改善する
面談では様々な意見が出てくるかもしれませんが、[面談で意見が出てくることは信頼関係の証(あかし)]です。1つ1つ改善に取り組むことで強い医院が創られていきますので、一緒に頑張っていきましょう。
いかがでしたでしょうか?
開業初月は、院長スタッフ共に様々なことが起こり、心身ともに疲弊してしまう可能性もありますが、強い組織創りのためには必ず乗り越える必要があります。また開業初月に多くの患者様にご来院いただくということは、開業成功に向けてロケットスタートを切ることが出来ている証拠でもありますので、自信を持って着実に医院を前進させていきましょう!