スタッフが3年で辞める歯科医院には〇〇がない

スタッフ教育

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みなさん、こんにちは。

歯科医院地域一番実践会、地域一番ディレクターの岡本雅史です。

 

入社3年でスタッフが退職する・・・

 

皆さんの医院ではこのような事は無いでしょうか。

 

未経験から育てたスタッフが入社3年くらい経ってやっと

これから一人前になって活躍してくれる!!と思っていた矢先に

「院長先生すいません、今日の夜ちょっとお話が…」

のように声をかけられる。

 

これもう一番嫌な予感がするやつですよね。で

 

「実はおばあちゃんの介護で田舎に帰らなきゃいけない…」

とか

「実家がちょっと大変で実家に帰って来いと言われた…」

ということでまあしょうがないね、という理由で退職になって。

 

という経験はありませんか?

こういう理由で退職するスタッフが多い歯科医院さんは要注意です

 

なぜかというとこれほぼほぼ嘘だからです。

全部じゃないにしても95%ぐらいは嘘だと思ってください。

おじいちゃんもおばあちゃんもほとんどピンピンしてますし、

田舎にも帰らずに、思ったよりも近隣で働いてたりします。

 

私たちは毎月いろんなスタッフさんと面談しているので、

退職したスタッフと仲の良いスタッフは退職後も連絡を取ってたりするわけですね。

 

そういうスタッフが「〇〇ちゃん、近くの医院で元気にやってるみたいです」

のような事を教えてくれるわけです。

 

辞めた本人としては、円満に退職したいので

そういう嘘をつくわけなんですが、だいたい3年目くらいで

退職するスタッフさんが多いなぁ、、と思っている先生は、

注意したほうが良いです。

 

医院の共通点

なぜなら、こういう医院にはある特徴があるからです。

それは、目標設定がないということ。

 

目標設定をしていない歯科医院あるある、といっても良いかもしれません。

 

ここでいう目標設定は、医院の売上がどうとか、自費がどう、という目標ではなく

個人毎の成長目標という意味での目標です。

 

 

もちろん、目標設定した方がスタッフが成長しやすい

というのはどんな院長先生でも理解しているとは思います。

 

ただ目標設定とか面倒臭い事をやると、スタッフが辞めてしまうんじゃないか、

と思い、それを怖がって目標設定を仕組みとしていない、

ということが多いのではないでしょうか。

 

ただ、目標設定したら辞めるかもしれませんが、

しなくても辞めるのであれば、結論からいうと、しっかりと

目標設定を仕組みに組み込んだ方が良いと思います。

 

 

なぜ目標設定がないとスタッフが3年くらいで辞めていくのか。

ここをしっかりと理解しておかないと、

結局目標設定したのに、3年くらいで辞めていく・・・。

ということになってしまいます。

 

 

先生たちは、ハーズバーグの二要因理論や

動機づけ衛生理論という言葉を聞いたことは有りますでしょうか。

 

これはすごく簡単に言うと、

職場に不満を感じるポイントと満足度を感じるポイントは

全然別物なんですよ!ということです。

 

分かりやすい例で例えるなら、

新幹線でこれからまあ旅行に行く、というシーンを想像してみて下さい。

 

これから楽しい旅が待ってる!その矢先に新幹線が遅延してます!!

と言われたら、どうでしょうか?なんでこんな時に遅延するんだ!!!

とイライラしてしますよね?

 

新幹線が遅延するっていうこと自体は不満足度要因になるわけです。

 

でも一方で、定刻通りに新幹線が発車したらどう思いますか?

 

わぁ!さすが日本!新幹線が定刻通りに発車した!!大満足!!

と思われる方は、あまりいないのではないでしょうか。

つまり、遅延しなくても、満足度が高くなるわけではない、という事です。

 

ハーズバーグは職場環境において満足感を感じるポイントと

不満足を感じるポイントはどういうものがあるかを調べました。

衛生要因

この不満足を感じるポイントを「衛生要因」と呼びます。

 

 

上から見ていくと、

 

・医院の方針

・監督(歯科医院であれば院長)

・院長との関係性

・労働条件

・給与

・同僚との関係…

 

このあたり続いているわけですが、

これらには共通点があります。

 

「他人」や「環境」といった、自分では変えられないものです。

 

つまり、自分で変えられない事象に焦点をあててしまうと、

職場に不満ばかりになってしまう、という事です。

 

そして、例えば、例えば給与が不満と言っている人の給与を上げても、

不満足度は下がりますが、満足度には繋がりません。

 

不満足度をいかに下げながら、満足度を上げていくか、

が、職場に満足し、長い勤務に繋がる、というここを

しっかりと抑えておきましょう。

動機付け要因

では、満足度を感じる要因(動機付け要因)は

どんなものがあるでしょうか?

 

・達成

・承認

・仕事そのもの

・責任

・昇進

・成長

 

どうでしょうか。昇進は少し違うかもしれませんが、

多くが、「変えられない物」ではなく、

「自分の行動や考え方」で得られる内容だと思いませんか?

 

なぜ3年?

そして、次に、「なぜ辞めるのが3年なのか」という事についてです。

 

入社後は、当然ですけど、覚えないといけないことや、

出来るようにならないといけない事が山のようにありますよね。

 

「いついつまでに、これができるようにならないといけない」

という短期的な目標があるからこそ、練習したり勉強したりするわけです。

 

そして、出来なかった事ができるようになれば達成感を感じます。

 

「すごいね!もうこれできるようになったんだ」「上手だね!」と

承認される機会も多いでしょう。

 

褒められる事によって、自分の承認欲求も満たされますし、

出来る事が増えていき、仕事が面白くなっていきます。

 

こういう状態だとやりがいを感じて、職場環境にも満足しやすいのです。

 

ただ、仕事は、1年~2年もすれば、一通りの事は

だいたい出来るようになりますよね。

 

評価制度や教育制度がかなり整っている医院であれば、

そのあとも年次に応じた課題があり、それを達成するために

頑張る事ができるかもしれません。

 

でも評価制度もなければ、目標も立てる事がない、という環境であれば

達成感も、承認も、成長も感じる機会がほとんどなくなってくるわけです。

 

目標があるうちは、「〇〇ができるようにならないと!」と自分に焦点が

向きやすいですが、そうでなければ、他人や環境に焦点が向きやすくなります。

 

そうすると、医院や院長に対する不満ばかりになり、

 

「自分自身の成長も感じられないし

もうこの医院で学べることは何もないんじゃないかな」

 

と言って転職をしていくわけです。

 

その転職した先では、最初は短期的な目標ができるので、

やりがいを感じられて、「転職してよかった!」と思うものの、

また3年ぐらいして一通りのことができるになっていくと

同じ事を繰り返してしまうわけですね。

 

自分自身に焦点を当てない限りはどんな職場に行ったとしても

どんな仕事をしたとしても、結局職場に対する不満ばかりが

出てきて辞めていくというサイクルになってしまうんですね。

 

つまり目標設定というのは自分自身の出来ていないことに

焦点を当てることによって自分自身を成長させていく、

という観点のほかに、

職場環境を満足させるための取り組みになるわけです。

 

ただし注意点があります。それは、

目標に対する明確なフィードバックや、

目標が達成された時に、しっかりと「凄いできてたね!」と

承認をしてあげることです。

 

これがないとただ単に目標を立てさせたはいいけれど

それでおしまいになってしまいます。

 

どんな目標を立てているのかを確認して、

「これが出来るようになったね」

「ここもうちょっと頑張ったほうがいいよね」

 

というフィードバックをすることで、

継続的に成長ができる、そして達成感を感じることができて

仕事にやりがいを感じられる、という環境になっていきます。

 

私たちが日頃お伺いしている医院さんだと

毎月院長先生が全員と面談をする仕組みがあったり、

その中で目標に対して「ここもうちょっとこうやってほしいな」

「ここすごいよく頑張ったね」という形でフィードバックをしてあげています。

 

ただ、まだ面談もやってない、という医院さんが

いきなり全員と面談をしていく、というのはハードルが高いと思います。

 

目標は難しい年間目標ではなく、

月間目標といった形の短期的な目標や、

年間で、一人5つ、目標を立てて頑張ろう!といった形で

目標を張り出したり、と出来る事からやってみましょう。

 

院長先生はその張り出された内容をしっかりと確認して、

スタッフが頑張っていたら、それを承認して挙げましょう。

 

目標を立てたのに、確認もフィードバックもなければ

スタッフとしては「何だったの?」「頑張っても意味ないじゃん」

となってしまいます。

 

面談の仕組みを取り入れる場合は、

院長先生が1日診療を切って全員と、、、というのはなかなか難しいので、

スケジュールを組んで、毎日1人~2人くらいのペースで進めていってみて下さい。

 

 

まとめ

スタッフが定着する医院には目標設定の制度があります。

 

目標設定をしないと最初はすごく頑張ってたスタッフも

他人のできてない点や欠点に目が行くマイナススタッフに変化していきます。

 

目標を立てたら、放置せずに院長が

目標を確認してフィードバックをしてあげる。

そして成長を促してあげる。

 

これらをしっかりと取り組んでいただければ

スタッフが継続的に成長していきますし、

職場に満足感を感じやすい環境になっていきます。

 

医院の将来の軸となる人材の成長と定着のためにも

頑張って取り組んでいきましょう!

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