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皆さん、こんにちは。歯科医院地域一番実践会 地域一番化マスター 岩渕龍正です。
今、日本は円安による物価高がスゴイ勢いで進行しています。
それに伴い、給与を上げないと採用できない状況が続いています。
しかし、だからといって、保険点数がそんなに上がっているわけではありません。
技工費、材料費、チェアの金額も上がっています。
こうなると医院の収益は悪化していきます。
そのような状況で現在、大きな問題になっていて、今後も間違いなく更に大きな問題になっていくのが「給与アップ」です。
給与を上げないと採用できない状況下で、院長が給与を上げる判断・決断ができるかどうかで医院の今後は大きく変わってくることは間違いありません。
しかも、求人の給与設定を上げれば、既存スタッフの給与も上げないといけなくなります。
そうしないと「なんで、私達より新しく入ったメンバーの給与の方が高いんだ!なんで、私達より給与が高い(もしくは同じ)人に私達が教えないといけないんだ!」と大きな不満になり、収集がつかなくなるからです。
既存スタッフは驚くほど、自分の医院の求人条件を見ているのです。
バレないと思って、既存メンバーの給与をそのままで、新しい人の給与だけ高くして募集するのは医院のマネジメント状態が荒れる原因となるし、その後も、大きな不信感を抱かれ続ける可能性が高いので、本当に止めた方が良いと思います。
そうすると、求人の給与アップをするということは、これから採用する一人二人の問題だけでなく、年間100万円近くの人件費アップになるかもしれない決断なのです。
しかし、これから先、数十年の歯科医院経営を考える場合、間違いないことがあります。
それは・・・
「これから、益々、人材採用は困難になる」
ということです。
それに伴い、マネジメントがマーケティングより重要になってきてるのですが、それだけでなく、人材採用が困難になることで、これから更に給与を上げないと採用できない時代になるのです。
そして、これから5年後ぐらいには歯科衛生士と歯科助手の給与が変わらないぐらいの水準になる可能性が高いと思います。
しかし、だからといって、給与が高くなったから、今までより能力が高い、意識が高い人を採用できるわけではありません。
むしろ逆で、給与は高いのに、やる気と能力が今までよりも20%ぐらい下がった人しか採用できない時代になると思ったほうがいいです。
これまでと同じ人件費率ではなく、これまでより高い人件費率を早い段階で許容し、給与設定を高くし、既存メンバーの給与も引き上げ、賞与やインセンティブでもよりスタッフへの還元を高くできる医院に人が残り、採用も強くなる時代に明らかになると思います。
「じゃあ、給与はどれぐらいまで引き上げたら良いのか?」ということですが、地域の求人条件をチェックして、少なくとも、地域相場と同水準まで引き上げることが必要です。
医院の働く条件があまり良くない場合には地域相場よりも1万円程度、上げる必要があるかもしれません。
「じゃあ、人件費率はどれぐらいまで上げれば良いんだ?」
と思うかと思いますが、それについては、詳細は実践会の無料経営相談でご相談いただければと思います。詳細・お申込はコチラから。
もう、給与を引き上げないといよいよ採用できないから、あとから仕方なく引き上げる。
既存メンバーにバレないようにして募集時の給与を引き上げたんだけど、、バレたら引き上げる。
こういうケチな院長の下では、人は定着しないし、採用がどんどん難しくなることは間違いありません。
「スタッフにもどんどん還元してあげたい」
そういう人柄の院長の下に、スタッフが集まり、定着する。
そういう時代に明らかになってきてるように思います。
私も自分で社員30人以上の会社を経営しているので、人件費を簡単に引き上げられない院長先生のお気持はよくわかります。
日本の労務は狂ってるので、一度、引き上げてしまった給与を引き下げることは2度とできません。
頑張って、給与を引き上げても、利益が圧縮されるだけで、何のリターンもない。
給与を引き上げたからといって、別に、既存メンバーから感謝されるわけでもない、一瞬は喜んでくれても3ヶ月もすれば、全てが権利化し、不満しか言われない。
だったら、給与なんか引き上げる意味ないんじゃないかと思うかもしれません。
しかし、どうせ給与を引き上げないと採用できないんだったら、先に決断したほうが得です。
不満を言われてから給与を上げたり、給与を引き上げないと採用できない状況に追い込まれてから給与を上げるより、先に給与を引き上げた方がいい人材が採用できるし、既存メンバーの不満も貯まりません。
多少、人件費率が上がったとしても、スタッフにより多く還元したいと思う院長に人はついていくのです。
もちろん、還元する根拠、計算式などは必要です。その詳細は実践会の無料経営相談でご相談いただければと思います。詳細・お申込はコチラから。
これからの時代、スタッフの給与水準を引き上げる、スタッフにより高い給与を払えるだけの治療技術、自費のカウンセリング能力、1日に診れる患者数の多さ、SPTの患者数、更にはスタッフの定着率を上げるためのマネジメント能力、そういうスキルによって高い収益率を出せる経営的なスキルがあるかどうかが相当に重要な時代になってくると思います。
今までの保険中心の歯科医院では、どんどん利益率が落ちてきて、採用に苦労し、マネジメント状態が悪化してくると思います。
女性スタッフに高い給与を支給できる仕組みを考えて、メンバーに高い給与を得てもらい豊かな生活を送れるようにすることが経営者の大事な役割なのではないでしょうか?
女性スタッフから何人、年収500万円を超える人を輩出できるか。
それが経営者としての優秀さの指標の1つになると言っても過言ではない時代になると思います。
これまでは全体の目標を達成したら、全体に対してフィーが支払われる。
この形態が歯科医院では良いと思っていました。
しかし、これだけ個人主義的な世の中になると、全体が良くなったら、全員に報酬を出すよという流れでは、頑張れない人が増えてるように感じます。自分が頑張って成果が出た分は自分個人に即座に成果をフィードアックしてほしい。
逆に、頑張ってない人に報酬が支払われるのはおかしい。
そう考えてる人が非常に増えてるように思います。
そのような報酬体系をどう考えて、形にし、運用していくのか。
これが歯科医院のこれからの重要なトレンドになるのではないでしょうか。