歯科医院の院長が考えるべき【経営者にとって大切なこと】とは何か

歯科医院の院長が考えるべき【経営者にとって大切なこと】とは何か 労務・人事評価・採用

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こんにちは。経営戦略研究所のコンサルタント、高橋譲太郎です。季節の変わり目となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?さて本日は、歯科医院の院長が考えるべき【経営者にとって大切なこと】とは何か?と題しましてメッセージを発信していきたいと思います。

 

経営者にとって大切なこと…本当に沢山のことがありますよね。

例えば、医業収入を上げていくために何をするべきか、スタッフが働きやすい医院作りのためには何が必要か、採用戦略をしっかりと構築して採用力を高めるために取り組むべきことは何か、医院のマネジメントを安定させるためにチーフにはどのような仕事を任せていくのが良いか、仕組み化していくにあたりどのようなマニュアルを整えていけば良いのか、労務問題に対応できるように就業規則をどうやって作成しておくことが良いのか…

 

上記に挙げたものはほんの一例です。そして実行に移すとなると、数多くの取り組みを行っていかなくてはいけません。更には、院長先生だけが頑張れば良いのではなく、院長先生がスタッフを巻き込みながら医院全体で取り組んでいかなくてはいけないのです。そうすると、いつしか目の前にある【やるべき事】に忙殺されてしまい、結局何から手を付けて行けば良いか分からなくなってしまうのです。

 

…このような状態になってしまっている院長先生は、案外多いのではないでしょうか。

 

そうです。経営においては日々やるべきことが多くあり、何をしていけば良いか分からなくなってしまう、ということは往々にしてあるのです。その中で、【経営者である院長先生が考えるべき本当に大切なこと】とはどのような事なのでしょうか。

 

私が考える【院長先生が考えるべき本当に大切なこと】。それは【目指すゴールを明確にする】ということだと感じています。自分の医院がどこに向かって進むのか、どのような医院を作っていきたいのかということを明確にするということです。勿論、上記のような日常的に行う具体的な取組を考えることも重要です。しかし、本質的に経営者が考えることは、「この1年間はどこを目指して進んでいくのか」「3年後にはどのような医院を作っていきたいのか」「5年後、理想の医院が出来上がったとすると、それはどのような医院なのか」というゴールを明確にすることが大切なのです。

 

私自身も自分の美容室を経営していく中で、道に迷ったこともありましたが、最近は目指すゴールを明確にすることができています。【経営者が考えるべき本当に大切なこと=目指すゴールを明確にする】ことで、私自身大きな変化が生まれました。このように考えるようになったきっかけとして、私自身が経験したことを紹介したいと思います。

 

私が経営している美容室では、4年間で20名ほどのスタイリストを採用しました。(歯科で言うと歯科衛生士を4年間で20名採用した感じです)。美容業界も歯科業界と同様に、サロンが飽和状態であり採用が非常に困難なのです。その中で働く環境を整え、より満足できるお給料体制を敷き、スタッフが辞めないサロン作りを行ってきました。その結果採用した20名のうち、退職したのは4名だけです。結婚退職が1名、旦那さんが独立してそのお手伝いをすると言うのが1名、海外留学による退職が1名、引っ越しによる退職が1名ですので、サロンに大きな不満を持って辞めたという訳ではないかなと思っています。離職率が高い美容業界においては、とても良い実績と言えます。

 

そうやって採用・スタッフ定着に強いサロン環境が出来たものの、いつしか自分の経営しているサロンが、理想のサロンに近づかないと感じるようになりました。売上は安定しており、採用難の業界において採用も順調にできている。しかも退職者も少なく業界の中でも非常に離職率が少ない…。

 

しかし順風満帆に見えていても、自分自身が経営者として理想のサロンをイメージできなくなってしまったのです。理想のサロンを作りたい!と思って独立し経営者になったにも関わらず、理想のサロンのイメージが持てていなかったのです。

 

沢山の人に相談し、セミナーや勉強会にも行きました。スタッフとも面談を繰り返し、MTGを活用して答えを探したこともありました。様々なことを経て見えてきた答えは、「人」にあったのです。理想のサロン(医院)を作るには「人」が重要です。しかし、私が経営しているサロンでは、根本的にその課題を超えるにはハードルがあったのです。

 

具体的に何がハードルだったのかというと、スタッフの働き方です。実は美容業界ではここ数年、正社員雇用ではなく、フリーランス契約を希望するスタイリストが増えている傾向が高まっています。実際に私のサロンで働いているスタイリストもフリーランス契約をしているスタッフが少なくありません。その中でフリーランスのスタイリストと契約(採用成功)するには、【報酬や勤務時間】という条件が重要なのです。条件を良くするほど、採用はしやすくなりますし、条件が悪いところにはスタッフの応募がありません。そうすると人手が足りず、売上も出せないことになってしまいます。採用難&売り手市場であるのは、歯科業界も美容業界も同じですね。

 

前述したように、契約条件を整え、浮き沈みのある歩合制のフリーランスであっても安心できる環境を整えました。その結果、沢山のフリーランスのスタイリストを採用することに成功しました。スタッフが順調に増えたことにより、売上も連動してあがっていったのです。しかし、フリーランスのスタイリストが増えるほど、悩みが多くなったと感じました。すなわち、売上を出すために採用条件を良くしてフリーランスのスタッフを採用したものの、【条件】によって働いているため、サロンのまとまりが無くなっていったのです。金銭報酬も必要ですが、何よりも成長報酬を提供することが大切ですね。フリーランス契約だと、金銭報酬について目を向けられがちになってしまうのが現実でした。条件交渉も割と頻繁にされて、疲弊してしまったのも事実です。

 

そこで私は考えました。「本当に自分が作りたい理想のサロンは、スタッフの成長がお客様の幸せを生み出し、その結果サロンの発展につながっていく。お客様を大切にするスタッフを、会社としても大切にしていきたい。そうやって、スタッフ・お客様・会社の3者間を、WIN-WIN-WINにしていけるサロンを作っていきたい!そのために、全力を注ごう」と思うようになったのです。

 

自分の理想のサロンを作る!と決断してからは早かったです。新たに社員登用制度を設けたほか、実践会でも提唱しているように「テクニカルスキル・ヒューマンスキル・コンセプチュアルスキル」に基づいて、人事評価制度も構築しました。20人近くいるスタッフ面談を行い、採用活動にも注力しました。その結果、「やる!」と決めてから2か月で3人の優秀な正社員の人財の獲得も実現できました。

 

今回のテーマである「目指すゴールを明確にすること」。これを決断したことによって、大きくシフトチェンジできたのです。ゴールを明確にすることで、達成するためにやるべきことが見えてきます。やるべきことが分かったら、スケジュール・期限を決めることが大切です。

 

例えば登山をするにしても、「今度山登りしよう」と言われても、おそらく誰も動かないでしょう。そうではなく、「2018年のGWに富士登山へ行こう」と具体的に決める方が良いですよね。そうすると、今の内から体力作りを行い、登山の知識を深め、必要なアイテムを購入する訳です。経営においても同様です。この1年間でどこを目指すのか、今から3年間で何を実現するのか、5年後にはどのような医院経営をおこなっていきたいのか、というように、【具体的にゴールを明確にしていくこと】が経営にとって重要です。

 

また目標を達成するコツとして、◆紙や手帳に書き出して毎日みる ◆モチベーションの高い人に自分の夢・目標話す ということを実践してみてくださいね。私は美容室を経営することも、コンサルタントになることも、やりたいことを全て紙に書き出し毎日見るようにしていました。また、モチベーションの高い人にも話して、夢・目標を実現してきました。とっても効果がありますのでオススメです♪

 

次回は、私がどのような手法で、採用候補を着実に採用につなげているのかということをお伝えしていきたいと思います。今回もご覧いただきまして、ありがとうございました。それでは、次回のブログでまたお会いしましょう!

 

経営戦略研究所 コンサルタント 高橋譲太郎

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