歯科医院経営における人事評価の際の3つのポイント

歯科医院経営における人事評価の際の3つのポイント 労務・人事評価・採用

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こんにちは!経営戦略研究所の渡邊です。
6月に入り、早くも1年の半分が過ぎようとしています。

そんな6月になると、どの企業でも賞与支給に関する話が出てきます。
「前回の賞与時にはせっかく支給したのに不満そうな顔をされてしまった」
「良かれと思って賞与額をアップしたが、賞与はもらえて当たり前という感じ」
「利益が減っていたら賞与も減るのは当然ですが、そうは思ってくれないのではないか」

様々な悩みを経営者の方は賞与に関して抱えていると思います。
そこで今回は「人事評価制度がまだ構築出来ていない歯科医院さんが、
賞与支給の際に気を付けたほうが良いポイント」について3つお伝えしたいと思います。

1.賞与で査定をする

歯科医院には中間管理職がいないケースがほとんどです。
「いや、うちの医院にはチーフがいるよ」と言われる医院さんでも
そのほとんどは業務上の指示命令などをすることがメインだと思います。

つまり、歯科医院においては、賞与支給に関する権限の全てを
院長先生が握っているケースがほとんどです。

そんなことは当たり前だと思われる院長先生は多いかもしれませんが、
中間管理職が機能している組織の場合には、
各従業員の評価項目を資料にまとめ、その資料をもとに、
社長、部長、課長といった役職を集めて査定会議を行ったりすることが当たり前です。

私の前職もそれが当たり前でした。
実際に評価を受ける立場で考えますと、以下のようなメリットがあったと思います。
・評価される人に近い存在の人が評価に加わることで、評価に納得感が生まれる
・様々な人の評価が加わっていると聞くことで、感情的にならずに理解しやすくなる。

では、中間管理職がいない、人事評価の制度が構築していない歯科医院では
どうすれば良いのでしょうか?
それは、院長先生一人で決める場合でも必ず査定をするということです。

ここでの査定をするという言葉の意味は、スタッフさんがこの半年間で頑張ったこと、
評価できる事を思い出して紙に書きだすということです。

そして、非常に大切なことはこの次の半年間で、
そのスタッフさんに期待することもあわせて書いておくということです。

スタッフさんと面談をしていると
“先生が私に要望していることがあるなら教えてほしいです”
という言葉をよく言ってくれます。本当に嬉しい気持ちになります。

スタッフさんにとって、TOPである院長先生が考えていることを理解するということは、
非常に重要なのだと思います。
自分のどの点は良くて、どのような点は改善したほうが良いと先生は考えているのか、
そのスタッフさんの〇と×を伝えてあげることで、どのように頑張れば良いのかが明確になっていきます。

反対に、それがわからないと非常に不安な思いを抱えながら働くことになるのです。
特に賞与の支給のタイミングなどは多くのスタッフがその評価を気にしています。

スタッフのこの半年間を思い返して、まとめていくことで、
次の半年間のスタッフの頑張りにつながっていきます。

2.次回の査定のタイミングは冬の賞与支給のタイミング!?

「賞与の支給毎に査定をすれば良いのですね」と言われることがありますが、
それは違うと私は考えています。

スタッフと面談を実施している医院さんであれば、毎月状況を理解できますが、
そうでない場合は、半年に1回しか評価されるチャンスがないことになります。

半年前のことを、明確に覚えている方はどれぐらいいらっしゃいますでしょうか?
複数人のスタッフさんの頑張りを、自身も診療をしながら明確に把握しておく
ということは不可能に近いのではないでしょうか。

そういった意味でも、以前もブログでお伝えしたスタッフカルテを記入し、
スタッフさんが頑張っていることなどを更新しておく、
面談を月に1回実施し、どのようなことを頑張っているのか、
もっと頑張ったほうが良いと思うポイントはどのようなものがあるのか、
ということを整理しておくということが重要だと思います。

しかし、非常に時間がかかる作業となってしまいますので、
そうした場合には、3ヵ月毎に査定の面談を実施することをオススメ致します。

1年間を4分割して3ヵ月毎に管理している企業もございますが、
短い期間での振り返りが可能となり、評価に納得感を生むことが出来ます。

また、賞与支給の半分のタイミングでの中間査定となりますので、
挽回のチャンスがスタッフさん側にも与えられます。

スタッフさんのモチベーションを維持するためにも、
先生のお考えは短いスパンで伝えていけると良いと思います。

3.面談では出来なかったことよりも、なりたい姿に目を向ける

査定を伝える面談で改善ポイントを伝える時に、
出来なかったことよりも、なりたい姿に目を向けてあげることが良いと思います。

出来なかったことに目を向ける原因思考は多くの場合、
そのスタッフの成長につながらないにくいと私は思います。

それよりも、結果思考で話をすることでスタッフさんの成長に繋がっていくと思います。
・本人は今後どうなりたいと考えているのか
・先生がどのようになって欲しいと期待しているのか
・望む姿と比べて、今の自分は何が足りないのか
・そのためにはどんな具体的な行動をしていけば良いのか

このような視点の質問を期待を込めて伝えていくことで、
具体的になりたい自分とそのための行動を実現可能な形でイメージ出来ます。

結果として、実現する可能性も高まっていくと考えています。

まとめ

今回は「人事評価制度がまだ構築出来ていない歯科医院さんが、
賞与支給の際に気を付けたほうが良いポイント」について3つお伝え致しました。

いかがでしたでしょうか?
この3つのポイントを、歯科医院経営の人事評価の際に活用して頂くことで、
スタッフさんとの信頼関係を構築し、成長に繋げていける良い機会となると考えております。

このブログをご覧頂いている皆さんの、
可能性が広がっていくことを願っています!
それでは、また次回のブログでお会いしましょう。

投稿者プロフィール

渡邉 健二
渡邉 健二
早稲田大学卒業後、大手求人広告会社に新卒入社。
8年間の在籍中に2000社を超えるクライアントを担当。採用のノウハウを学ぶ。
社内ではセールスとマネジメントの異なる分野でMVPを受賞。また、育成したメンバーから全社MVPを輩出。人の強みを活かす育成・プロジェクト運営を軸に、成果を出している。
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