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こんにちは。経営戦略研究所株式会社 コンサルタントの山ノ内です。
今回は令和4年4月の診療報酬改定で統合されたSPTでどのようことを検討しているかまとめてみたいと思います。
令和4年3月までの状況
かかりつけ歯科医機能強化型診療所(か強診)の施設基準をクリアした医院に認められたのが、「SPT2」でした。
多くの方がご存知のように、「SPT2」と「SPT1」には、包括する処置内容の違い・点数の違い・算定できる間隔の違いがありました。
そのため、総合的に見ると「SPT2」が「SPT1」と比較すると、多くの医院にとってメリットがあり、活用されていた医院は多いかと思います。
実際、令和2年3月時点で約11,000件(歯科診療所全体の約16%)が基準をクリアしている状況でした。※1
※1 参考資料)https://www.jda.or.jp/dentist/vision/pdf/vision-all.pdf
令和4年4月の改定
令和4年4月の改定にて、「SPT2」と「SPT1」が統合されました。
結論から言えば、包括される処置内容、算定の点数は、旧「SPT1」と同じ内容となりました。
多くの嘆きの声も聞こえてきましたが、そこまで悲観することもないかと考えています。
確かに見かけの点数は下がりますが、実態に応じた状況が大前提ですが、工夫をすれば、如何ようにも補うことはできると思いますし、場合によっては今まで以上になることもあります。院内で検討して頂きたい項目について下記にまとめてみたいと思います。
SPT統合で検討できること
お口の状態に応じた「期間短縮」の検討
今回の改定で包括される処置や歯数に応じた点数は旧「SPT1」と合わせる形ですが、か強診の認可を受けている医院は外科処置後と同じように3ヶ月ごとでなくとも実施して、算定することが可能です。歯科医学的に期間を短縮して管理が必要な方は期間短縮を検討されると良いかと思います。
お口の状態に応じた「処置枠の時間短縮」の検討
保険点数に応じて枠の考え方を再検討しても良いかと思います。具体的に言えば、9歯未満の患者さんを20歯以上の2/3の枠時間にするなどの検討も行って良いかと思います。時間もコストなのでしっかりと緻密にルールを決めるのが良いかと思います。勿論、例外は生じるかと思いますが、その例外もルール決めが必要ですね。
お口の状態に応じた「歯周精密検査の実施・算定」の検討
大前提として、歯科医学的に必要かどうかが大事ですが、お口の状態に応じて実施・算定するのが良いかと考えます。
エナメル質初期う蝕加算の対象患者にしっかりと実施・算定
今回の診療報酬改定では、フッ化物洗口指導の対象年齢の幅が広がったり、フッ素塗布が65歳以上の初期の根面う蝕が適応になったりと予防への注力が随所に示唆されているかと思います。国の方針に合わせる形にもなりますが、適応の患者さんがいるならしっかりと実施して、算定されるのが良いかと考えます。
最も重要なこと
コンサルティングでお伺いしていて思うのは、同じSPTでも、医院さんによってだいぶ異なります。
「こうすれば大丈夫」なんて方法はないと思います。
重要なのは、医院の状況に合わせて、医院の方針を固めて、医院で周知徹底すること。
そして、その方針に従うスキルがないスタッフさんはしっかりと練習して対応できるようにすること、医院側もそれをサポートすることが必要と考えます。
過去に囚われず、変化に対応できる人が勝ち残れます。この変化をプラスと捉えて取組みをしていきましょう!